第66期王座戦5番勝負/第5局「斎藤七段リードで終盤戦、そしてクライマックスへ。。」
初防衛を目指す中村太地王座に
関西の新若大将・斎藤慎太郎七段が挑戦する
第66期王座戦5番勝負。
ここまで4局を消化し、ともに譲らず2勝2敗のイーブン。
名勝負連発となった将棋界の秋の陣は、いよいよ本日
山梨県は甲府市「常盤ホテル」にて、決着となる最終戦
運命の第5局が幕を開きました。。
振り駒で決まる最終戦の手番で
幸先良く先手を得たのは、斎藤七段でした。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: なし
△中村王座: なし
斎藤七段の初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、中村王座も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
7手目▲7七角。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: なし
△中村王座: なし
続く3手目に、斎藤七段は角道を開きますが
中村王座は追随せず、△3ニ金(4手目)と返して
先手に手番を渡します。。
この手に対し、斉藤七段は
すかさず自らの飛車先を決めると(5手目▲2五歩)
中村王座もノータイムで、飛車先を決めたのをみて
▲7七角とし、8筋を角で受けました。。
この手をみて
中村王座がおもむろに角道を開くと。。
(8手目△3四歩)
9手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: なし
△中村王座: なし
斎藤七段は銀を6筋に上げて
後手からの角交換、あるいは角交換拒否に備えます。。
次の一手が後手の作戦の分かれ道。
△7七角成の「角換わり」、△4四歩の角交換拒否。。
どちらも考えられる局面ですが。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: なし
△中村王座: 角
中村王座は躊躇なく、ノータイムで角交換を敢行。
大一番は手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
19手目▲4七銀。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角
△中村王座: 角
角交換成立後
斎藤七段は銀を中央5筋へと繰り出す動きをみせ
「ノーマル角換わり」の常套手段「腰掛銀」を目指します。。
一方、中村王座はこの手をみて。。
20手目△7四歩。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角
△中村王座: 角
2分の少考で飛車のコビンを開き
「棒銀」あるいは「早繰り銀」投入を示唆しました。。
が、しかし。。
24手目△6三銀。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角
△中村王座: 角
先手も居玉を解除したところで(23手目▲6八玉)
中村王座は攻撃の銀を7筋ではなく、6筋に立てて
先手と同じく「腰掛銀」を目指します。。
30手目△7三桂。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角
△中村王座: 角
次に両者は息を合わせて
両サイドの端歩を突き合ってから、右の桂馬を跳躍。
格調高く、同形模様で駒組みが進行。。
33手目▲2九飛。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角
△中村王座: 角
上図で斎藤七段は飛車を自陣最下段へと引き下げ
最新形である「▲6八玉+4八金+2九飛」型を完成。。
次に、中村王座も金を立てれば再び
最先端の同形模様をが盤上に描かれますが。。
34手目△7ニ金。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角
△中村王座: 角
中村王座は決めていた作戦とばかりに
3分の少考の後、金を7筋に構えました。。
この手をみて
斎藤七段は銀を中央5筋の戦場へと繰り出し
「腰掛銀」に形を決めました(35手目▲5六銀)。。
38手目△6ニ金。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角
△中村王座: 角
中村王座は銀を自陣に留めたまま
6筋の位を確保すると(36手目△6五歩)
玉の「入城」を目指す先手に対し(37手目▲7九玉)
7筋の金を手損覚悟で6筋に寄せ、次の手を待ちます。。
手番を渡された斎藤七段は、次に。。
39手目▲6六歩。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角
△中村王座: 角
12分の考慮の後
6筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始しました。。
中村王座は3分の少考で△同歩(40手目)と応じて
以下、▲同銀~△8六歩~▲同歩~△同飛~▲8七歩に
△8一飛をみて、下図47手目▲5五銀左と進行。。
47手目▲5五銀左。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角、歩
△中村王座: 角、歩2
中村王座もすぐに反発し、飛車先の歩を切りますが
丁寧におさめた斎藤七段が、5筋の位に銀を積み上げた
上図の局面で長考に入り、そのままお昼休憩に突入。。
【 お昼のメニュー 】
斎藤七段: 天ぷらそば御膳(冷)
中村王座: 料理長おまかせ 季節の松花堂会席
49手目▲6九飛。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 角、歩
△中村王座: 角、歩
午後の対局開始の一手で
中村王座が午前と合わせて1時間5分の長考の末に
6筋に歩をあてがうと(48手目△6四歩)、斎藤七段は
すかさず、飛車を争点の6筋に合わせました。。
さらに
51手目▲4五角。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 歩
△中村王座: 角、歩
中村王座がここも57分の長考で
先手の飛車先に桂馬を跳ね、6筋を手厚くすると
斎藤七段も43分の長考の後、窮屈な4筋の戦場へ
手持ちの角を打ち込み、形を決めます。。
先手の攻撃態勢がジワジワと整い
いざ開戦への機運と緊張がピークに達する中
中村王座はジッと飛車を一段上げて、手番を渡すと。。
(52手目△8ニ飛)
53手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 歩
△中村王座: 角、歩
斎藤七段は1時間と9分の大長考で
念入りに読みを入れ直してから、2筋の歩を突き合わせ
このタイミングでの開戦を決断しました。。
56手目△5七桂成。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: なし
△中村王座: 角、歩3
後手が△同歩(54手目)と応じると
斎藤七段はすかさず、6筋に歩を突き立て(55手目▲6六歩)
桂馬を詰ませますが、中村王座は敵陣に5筋に成り捨ててから
次に、斎藤七段の▲同金(57手目)をみて。。
58手目△5ニ銀。
上図での持ち駒
▲斎藤七段: 桂
△中村王座: 角、歩3
スッと銀を玉の横へと引き下げ、守りを固めた
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入します。。
現局面では駒が高い位置で連動する
先手が攻防の主導権を握ったように感じますが。。
ただ先手の角も狭く、まだまだ予断を許しません。
いよいよ、最高のクライマックスへ。。
夕食休憩明けからの終盤戦は必見であります。
【 夕食のメニュー 】
斎藤七段: ハヤシライス(サラダ・フルーツ付)、ウーロン茶
中村王座: 特製カレーライス(サラダ・フルーツ付)、ウーロン茶
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決戦の舞台は山梨
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秋の陣がたけなわ。。
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竜王戦/第2局終局直後の感想。。
竜王戦/第2局・一日目の所感。。
舞台は九州、福岡県
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神童の同期も勇躍。。
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女流王将戦で第一人者の輝き
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平成最後の新人王