160局目の顔合わせ。。第68期王将戦・二次予選/2回戦「羽生竜王-佐藤九段を振り返ろう」
今回は昨日行なわれた黄金カード
第68期王将戦・二次予選/2回戦を舞台に実現した
「羽生善治竜王-佐藤康光九段」の模様を振り返ります。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: なし
△羽生竜王: なし
先手は佐藤九段。
その初手は角道を開く▲7六歩から。。
対します、羽生竜王も2手目に同じく角道を開く
△3四歩と返し、対局はスタート。。
続く3手目に、佐藤九段が6筋の歩を突き
開いたばかりの角道を止めると。。
4手目△3ニ飛。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: なし
△羽生竜王: なし
羽生竜王は飛車に手をかけ、3筋へと振り
意表の「三間飛車」を投入しました。。
7手目▲8八飛。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: なし
△羽生竜王: なし
羽生竜王が飛車先3筋の歩を突き越すと
佐藤九段も飛車を8筋へと振り、「向かい飛車」投入。。
両者の公式戦160回目の対戦は「相振り飛車」となりました。
17手目▲8四歩。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: なし
△羽生竜王: なし
互いに飛車のポジションが決まると
羽生竜王は素早く居玉を解除し、振り飛車の相棒である
「美濃囲い」に玉を納めてから、飛車先の歩を突き合わせます。。
(16手目△3六歩)
一方、居玉のままの佐藤九段は
突き合わされた3筋の歩を取り込むことなく
自らの飛車先8筋で歩を突き合わせました。。
羽生竜王が△同歩(18手目)と応じると、以下
▲同飛に△8三歩~▲8五飛~△3七歩成~▲同銀~
△3四飛~▲7八銀~△1四歩~▲3五歩~△3一飛~
▲3六銀をみて、下図30手目△4四歩と進行。。
30手目△4四歩。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 歩
△羽生竜王: 歩
互いに飛車先で歩を交換した後
佐藤九段が4筋の位を銀で確保すれば
羽生竜王は4筋の歩の歩を突いて角道を止め
盤上は落ち着きを取り戻します。。
38手目△8ニ玉。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 歩
△羽生竜王: 歩
じっくりとした駒組みが続き
羽生竜王は上図で「本美濃囲い」の中へと
玉の入城を完了させますが。。
42手目△7ニ金。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 歩
△羽生竜王: 歩
歩を突いた6筋へ金ではなく銀を繰り上げると
玉の横に金を連結させ、「美濃囲い」をリフォーム。。
斜めに連なる二枚の金銀が玉を守ります。。
46手目△5五歩。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 歩
△羽生竜王: 歩
居玉のまま駒組みを進めた佐藤九段が
玉を4筋に繰り上げから(43手目▲4八玉)
飛車を自陣最下段へと引き下げた、次の瞬間
羽生竜王は5筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始。。
51手目▲4六角。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 歩3
△羽生竜王: 歩2
すると佐藤九段は、前に出た後手の角に
上図で自らの角を合わせて角交換を要求。。
羽生竜王はこれに応じて、直後に角交換が成立。
いよいよ戦いの火ぶたが切って落とされました。。
62手目△8四角。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 銀、歩
△羽生竜王: 歩7
角交換成立直後
両者は細かく模様を調整してから
手持ちの角を投入し、攻撃の起点に据えます。。
76手目△6ニ金左。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 銀、歩
△羽生竜王: 歩7
佐藤九段は後手の角を標的に攻め上がりますが
羽生竜王は丁寧な対応で、つけ入る隙を与えまません。。
89手目▲6三歩。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 歩
△羽生竜王: 歩5
それでも、佐藤九段の攻め手は止まらず
分厚い攻撃態勢を築き、後手玉へと迫りますが。。
しかし、上図から次に。。
90手目△6四角。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 歩
△羽生竜王: 銀、歩5
ここまで受けに回った羽生竜王は
金取りに構うことなく、角を迫り出し銀を捕獲。。
このタイミングでついに、反撃の狼煙を上げました。。
94手目△7五銀打。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 金、歩
△羽生竜王: 歩6
佐藤九段は金を捕獲してから(6二歩成)
玉を引き下げ、受けに回ると(93手目▲3九玉)
羽生竜王は手持ちの銀を先手角の先に投入。。
佐藤九段は角を8筋に引き下げ(95手目▲8八角)
以下、△6六歩~▲7六歩~△同銀~▲6六角~△4六角~
▲4九飛に△4五歩~▲5三金~△6五銀引~▲4三金をみて
下図106手目△1九角成と進行。。
106手目△1九角成。
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 銀、歩
△羽生竜王: 桂、香、歩6
再び両者は角を起点に間合いを詰め合いますが
羽生竜王は上図の局面で、飛車取りに構うことなく
角を敵陣に飛び込ませ、勝負に出ました。。
すると。。
【 投了図・128手目△6八飛成 】
投了図での持ち駒
▲佐藤九段: 飛、角、銀、歩
△羽生竜王: 金、香、歩6
そのまま鋭く寄せに入った羽生竜王の前に
佐藤九段は為す術を失い、上図の局面をみて
無念の投了を告げました。。
長年の盟友にして、永遠のライバルである佐藤九段から
見事な勝利を飾った羽生竜王は決勝リーグ入りをかけて
二次予選/決勝へと駒を進めました。。
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お盆は近場でのんびり。。
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いよいよ開店。。即レギュラー化希望
「千和子」と書いて「ちかこ」とお読みします。。
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揃い踏みも明暗。。
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今月24日には藤井七段と公式戦で激突。。