大駒は静、小駒の勇躍。。第3期叡王戦・本戦/1回戦「豊島八段-高見五段を振り返ろう」
今回は昨日行なわれました
第3期叡王戦・本戦トーナメント/1回戦
「豊島将之八段-高見泰地五段」の模様を
振り返らせていただきます。。
6手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲豊島八段: なし
△高見五段: なし
先手は豊島八段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、高見五段は2手目に角道を開く
△8四歩と返して、対局はスタート。。
続く3手目に、豊島八段が角道を開くと
高見五段は飛車先の歩を伸ばす、互い違いの出だしで
相居飛車が確定すると、両者は息を合わせて飛車先を決め
いざ、「横歩取り」を目指す進行となりました。。
15手目▲3四飛。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 歩3
△高見五段: 歩2
そのまま定跡手順で進行。。
上図で豊島八段は2筋に浮いた飛車でお隣り3筋の
歩をかすめ取り、戦型は「横歩取り」となりました。。
高見五段は、上図から次に
3筋に回った先手の飛車先を角で受けます。。
(16手目△3三角)
21手目▲7七角。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 歩3
△高見五段: 歩3
豊島八段は飛車を下げずに駒組みを進行。。
すると、高見五段は先手に追随してまずは玉を立て
「相中住まい」とすると、8筋の浮き飛車でお隣り7筋の
歩をかすめ取り、「相横歩取り」となりました。。
豊島八段が7筋に回った後手の飛車先を
後手と同じく角で受けた、次の瞬間。。
22手目△7七同角成。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 歩3
△高見五段: 角、歩3
高見五段はこのタイミングで角交換を敢行。
事前に3三の地点に上げてから二段階で角を換えました。
24手目△5五角。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 角、歩3
△高見五段: 歩3
角交換成立直後
高見五段は手にした角を、自信有り気に
天王山・5筋の位に打ち込みました。。
37手目▲3七角。
上図での持ち駒
▲豊島八段: なし
△高見五段: 歩4
一方、豊島八段は機敏に後手陣2筋を歩で叩き
後手の角を呼び戻すと、桂馬を戦場に軽快に跳躍。。
浮いたまま突っ張る飛車に援軍を送ってから(35手目▲4五桂)
後手飛車めがけて手持ちの角を自陣に打ち込みました。。
47手目▲7三歩成。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂
△高見五段: 香、歩4
攻撃の形を作った豊島八段は飛車を7筋に旋回。
その間に、再び角を戦場に迫り出した高見五段は
香車を捕獲して馬を作りますが、豊島八段は負けじと
桂馬を捕獲し、飛車先で歩を成り込みました。。
49手目▲6五桂。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂
△高見五段: 香、歩5
高見五段が△同銀(48手目)で「と」金を払うと
豊島八段は間髪入れずに左の桂馬も戦場に跳躍。。
後手の玉頭に左右の桂馬と角のラインを重ねて
迫力満点の模様を張りました。。
次に、高見五段は銀を6筋に繰り上げ
先手の総攻撃に数を足して備えますが。。
(50手目△6四銀)
51手目▲5三桂左成。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂、歩
△高見五段: 香、歩5
豊島八段は構うことなく左の桂馬発射。。
一気呵成に後手陣攻略を目指します。。
高見五段は△同銀引き(52手目)と応じて、以下
▲同桂成~△同銀に、下図55手目▲8三銀と進行。。
55手目▲8三銀。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂、歩
△高見五段: 桂2、香、歩5
二枚の桂馬を気持ちよく捌いた豊島八段は
握った手番で手にした銀を敵陣8筋に打ち込み
抜け目なく、高見飛車を狙います。。
56手目△4四香。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂、歩
△高見五段: 桂2、歩5
この手に対し、ここまで防戦一方の
高見五段は飛車を逃げずに4筋に香車を投入。。
大駒を手放し小さな拠点を作りました。。
(57手目▲9ニ銀不成)
64手目△2八馬。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂
△高見五段: 銀、桂2、歩6
豊島八段は手にした飛車を
まだ囲いもままならない後手陣へすぐに投入。。
このまま攻勢を強めるのかと思いましたが、しかし
事前に作られた後手の馬の捕獲に四苦八苦。。
打ち込んだ飛車に当てられた上図から、次に
豊島八段が香車を捕獲しつつ9筋に逃して龍を作ると。。
(65手目▲9ニ飛成)
66手目△6五桂。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂、香
△高見五段: 銀、桂、歩6
高見五段は手持ちの桂馬を6筋にぶら下げ
静かに反撃の狼煙を上げました。。
72手目▲3五桂。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂
△高見五段: 桂、歩6
左辺で桂交換を成立させると
高見五段は今度は3筋に桂馬を投入。。
なかなか出番の訪れない先手の角を狙います。。
豊島八段が角を3筋に逃がすと
高見五段はすかさず反対側に構える香車を捕獲。。
(74手目△4六桂)
76手目△7一香。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂2
△高見五段: 桂、歩6
すると、高見五段は手にした香車を7筋に投入。。
小駒を回転させながら手番を稼ぎ、先手に傾いた形勢の針を
少しずつ、少しずつ戻して行きます。。
85手目▲6五桂。
上図での持ち駒
▲豊島八段: なし
△高見五段: 歩6
天王山・5筋の位に桂馬を打ち込み
後手の銀を引きずり出した(83手目▲5六銀)
高見五段は満を持して2筋の歩を成り込み
ついに進撃の準備が整いました。。
この手に対し
豊島八段も桂馬を6筋に重ねて放り込み
いざ、終盤戦の幕が開きます。。
すると。。
106手目△8八金。
上図での持ち駒
▲豊島八段: 桂2
△高見五段: 角、銀、歩2
開戦と同時に、高見五段の手がグングン伸び
あっという間に先手陣を切り崩し、豊島玉を包囲。。
形勢の針は一方的に後手へと振れました。。
【 投了図・134手目△9七飛成 】
投了図での持ち駒
▲豊島八段: 角2、歩
△高見五段: 飛、金、桂、歩2
豊島八段に粘りを与えることなく
高見五段は厳しく寄せに入ると、上図の局面で
豊島八段は為す術なく、無念の投了を告げました。。
□□□
AbemaTVのお正月特番は華やかに
□□□
日本記者クラブで会見
永世七冠達成の興奮はさめず。。
□□□
前人未到空前絶後の偉業達成!
竜王戦/第5局・一日目の所感。。
世紀の決戦、舞台は鹿児島。。
将棋の代名詞・羽生棋聖の現在地
□□□
前哨戦の先に見据えるものは。。
□□□
羽生棋聖、悲願の竜王奪取に王手!
竜王戦/第4局終局直後の感想
竜王戦/第4局・一日目の所感。。
第4局の舞台は新潟