注目の初手合い。。第25期銀河戦決勝トーナメント/1回戦「羽生三冠-青嶋五段を振り返ろう」
今朝のエントリーでもご紹介させて頂きました通り
本日より、夏の過密日程がスタートした羽生善治三冠。
全て見逃せない大一番が続きますが
今回は一昨日の木曜日(10日)に初回放送された
注目の第25期銀河戦決勝トーナメント/1回戦
青嶋未来五段戦の模様を振り返ります。。
両者は共通の趣味であるチェスの練習仲間であり
本業の将棋に先がけてチェスの公式戦で対戦済み。
本局で待望の将棋公式戦初手合いが実現しました。
3手目▲7八銀。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△羽生三冠: なし
先手は青嶋五段。
その初手は角道を開く▲7六歩から。
対します、羽生三冠は2手目に飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
振り飛車党の青嶋五段は続く3手目に▲7八銀とし
挑発的に後手に角道オープンを求めます。。
7手目▲6八飛。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△羽生三冠: なし
羽生三冠が注文通りに角道を開くと
青嶋五段はすぐさま自らの角道ストップしてから
飛車に手をかけ6筋へと振り、飛車の王道である
「ノーマル四間飛車」を投入しました。。
26手目△5五歩。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△羽生三冠: なし
飛車のポジションが決まると
両者はともに玉の囲いを目指しますが
羽生三冠はいち早く「銀冠」に形を決めると
上図で出しゃばる先手の銀の頭上を叩いてから。。
28手目△3ニ金。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△羽生三冠: なし
先手が銀を自陣に引っ込めたのをみて
金を玉の横腹に連結。角を取り込んだまま
ギュッと囲いを引き締めました。。
41手目▲4五銀。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 歩2
△羽生三冠: 歩
一方の青嶋五段は「高美濃囲い」を完成しますが
玉の入城を完了する前に、一度は引き下げた銀を
再び戦場へと繰り出し、銀交換を求めました。。
羽生三冠は銀を換えたければそちらからどうぞ、と
△7五歩(42手目)と突き出し先手の角頭を狙い、以下
▲5四銀~△7六歩~▲8八角~△8七歩~▲7九角に
△7七歩成~▲同桂~下図50手目△7六歩と進行。。
50手目△7六歩。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 銀、歩3
△羽生三冠: なし
青嶋五段が初志貫徹で銀取ると
羽生三冠は頭の丸い角目掛けて歩を突進。。
わが道を行く進行でいざ、開戦を告げました。。
上図から次に
青嶋五段は狙われた7筋の桂馬を見捨てて
右の桂馬を機敏に跳躍すると(51手目▲4五桂)
羽生三冠の取り込みをみて(52手目△7七歩成)。。
53手目▲3三桂成。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 角、銀、歩3
△羽生三冠: 桂
すかさず桂馬を後手陣に飛び込ませて
王手で角を捕獲する、会心の一打が決まりました。。
が、しかし。。
70手目△3七歩。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 歩4
△羽生三冠: 角、桂、歩
そのまま一気に寄せに出た青嶋五段に対して
羽生三冠はギリギリのところで均衡を保ちながら
小駒をを利かせて先手の陣形を乱すと。。
72手目△7五角。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 歩5
△羽生三冠: 桂、歩
一転、ギアーを入れ替え
飛車と敵将を同時に射抜く派手な角打ちで
先手に決め手を与えず、手番を稼ぎます。。
94手目△2八角。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 金、銀、歩5
△羽生三冠: 金、銀、歩
青嶋五段も勝利目指して詰め寄りますが
現代将棋の主役である二枚の桂馬を並べて
制空権を確保した、羽生三冠がしたたかに
そして鮮やかに形勢をひっくり返しました。。
【 投了図・114手目△7六角 】
投了図での持ち駒
▲青嶋五段: 金、香、歩4
△羽生三冠: 飛、金、銀3、桂、歩
上図の局面をみて青嶋五段、無念の投了。
さすがの大局観を見せつけた羽生三冠が
貫禄の勝利を飾りました。
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羽生三冠の夏は過密日程。。
王位戦/第3局・一日目の所管
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「冬の本場所」竜王戦へ。。
決勝三番勝負は松尾歩八段と対戦。。
羽生三冠、藤井四段を語る
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藤井四段激戦譜(炎の七番勝負など)