気になる調子。。第65期王座戦本戦/1回戦「佐藤名人-青嶋五段を振り返ろう」
今朝のエントリーでもご紹介させて頂きました通り
本日は第65期王座戦挑戦者決定トーナメント/1回戦に
渡辺明竜王が登場中ですが、今回は昨日行なわれた
注目の佐藤天彦名人の対局の模様を振り返ります。。
舞台は同じく王座戦挑戦者決定トーナメントの1回戦
佐藤名人は22歳の新鋭・青嶋未来五段と対戦しました。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△佐藤名人: なし
先手は青嶋五段。
その初手は角道を開く▲7六歩から。
対します、佐藤名人は2手目に飛車先を突く
△8四歩と返して、対局はスタート。。
早々と居飛車を明示した名人に対して
青嶋五段の作戦が明らかとなる、次の3手目は。。
3手目▲5六歩。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△佐藤名人: なし
居飛車も器用に指しこなす青嶋五段ですが
名人との晴れの対戦では、中央5筋の歩を突いて
振り飛車投入を示唆しました。。
13手目▲2八玉。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△佐藤名人: なし
佐藤名人の△6ニ銀(4手目)をみて
青嶋五段は飛車に手をかけ、歩を突いた5筋に構え
「先手中飛車」を投入。飛車先の位を確保してから
玉の囲いを目指します。。
18手目△1ニ香。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△佐藤名人: なし
青嶋五段と言えば
「振り飛車穴熊」を得意としますが、本局では
居飛車の佐藤名人が先に「穴熊」を明示。。
29手目▲2八銀。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△佐藤名人: なし
もちろん、青嶋五段も後に続き
戦型は振り居飛車対居飛車の「相穴熊」に。。
上図で青嶋五段は銀のハッチを閉めますが
佐藤名人は2二の地点を空けたまま駒組を進めます。。
37手目▲3四歩。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△佐藤名人: なし
金と銀で固めただけのシンプルな「穴熊」ですが
実際には理想的な駒組みを進める青嶋五段は
3三の地点に構える頭の丸い名人の角を標的に
攻撃の銀をしなやかに上昇。。
上図で狙いの角頭へ鋭く歩を叩きつけると。。
38手目△2ニ角。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△佐藤名人: 歩
佐藤名人はこの手を見越して空けておいた
2二の地点に角を引っ込め、銀のハッチならぬ
角のハッチで「穴熊」を完成させました。。
58手目△6五歩。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: なし
△佐藤名人: 歩2
手厚い陣形となった後手に対して
青嶋五段も離れ駒だった左の金を囲いに連結。。
その間に、佐藤名人は飛車を細かく動かしながら
先手の駒組みをけん制します。。
上図でお返しに角頭を叩き
桂馬を呼んだ佐藤名人は(59手目▲同桂)。。
60手目△6ニ飛。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 歩
△佐藤名人: 歩2
桂馬と角が並んだ6筋に
飛車を合わせ臨戦態勢を築きました。。
63手目△4四歩。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 歩2
△佐藤名人: 桂、歩2
しかし、青嶋五段は6筋を受けることなく
好戦的に4筋の歩を突き出し、開戦ムードが
一気に高まります。。
上図から次に
佐藤名人は△同金(64手目)と応じて、以下
▲同銀~△同角~▲5四歩~△6六飛~▲同歩に
△4七銀~下図71手目▲5三歩成と進行。。
71手目▲5三歩成。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 飛、金、歩3
△佐藤名人: 角、桂、歩3
互いにわが道を突き進み
大駒の交換直後に双方、敵陣進攻を果たし
問答無用でいざ、開戦となりました。。
85手目▲3三銀。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 飛、金、銀、歩3
△佐藤名人: 飛、角、金、銀、桂、歩3
さらに両者は直線的に攻め続けますが
青嶋五段の攻め手が猛烈に伸びに伸びに
柔軟で粘りの利いた受けが持ち味の名人を
一方的に押し込みます。。
99手目▲4四角。
上図での持ち駒
▲青嶋五段: 金、銀2、歩2
△佐藤名人: 飛、角、金、銀、桂2、歩4
受けに忙殺される佐藤名人は
先手の「穴熊」を閉ざす銀のハッチにすら
なかなか手が届かず、らしくない苦しい展開。。
その間にも、青嶋五段の攻撃は止まることなく
駒を回転させながら軽快に名人の玉に迫ります。。
【 投了図・109手目▲3一銀 】
投了図での持ち駒
▲青嶋五段: 金2、桂、歩
△佐藤名人: 飛、角2、金、銀2、桂、歩4
最後まで青嶋五段の攻撃は途切れることなく
上図で佐藤名人は無念の投了を告げました。
名人相手に見事な快勝をおさめた
青嶋五段は駒音高く、トーナメント2回戦進出。。
一方、見せ場なく敗れた
佐藤名人は来週の月曜日(1日)に開幕を控える
名人戦/第3局へ、一抹の不安を残しました。。
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森内九段、佐藤九段、そして
清水女流六段等、新しい理事7名が内定。。
年度末から続く、衝撃と不穏。。
理事選、それぞれの思惑。。
定員は7名。立候補は10名。
大物も名乗り。。
事の発端、前代未聞の大不祥事。。
当然ながら、代償は甚大に。。