連勝街道ばく進中。第66期王将戦挑戦者決定リーグ戦/3回戦「深浦九段-豊島七段を振り返ろう」
「冬の本場所」第29期竜王戦が開幕した将棋界では
現在、年明けに控えます、第66期王将戦と第42期棋王戦の
決勝リーグとトーナメントがそれぞれ佳境を迎えています。
今回は、昨日行われました
王将戦挑戦者決定リーグ戦の3回戦
「深浦康市九段-豊島将之七段」の模様を
振り返らせていただきます。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲豊島七段: なし
△深浦九段: なし
本局の先手は、豊島七段。
その初手▲7六歩に対して、深浦九段は2手目に
飛車先を突く△8四歩と返し、対局はスタート。
深浦九段の今期ここまでの成績は
23戦13勝10敗(.565)。リーグ戦は1勝1敗で
本局の3回戦を迎えました。
豊島七段の今期ここまでの成績は
35戦29勝6敗(.829)。対局数、勝利数は全棋士中のトップ。
リーグ戦は開幕2連勝で首位に立ち、3回戦に臨みます。
5手目▲7八金。
上図での持ち駒
▲豊島七段: なし
△深浦九段: なし
豊島七段が3手目に飛車先を突くと
深浦九段は4手目△3ニ金とし、態度を保留。。
この手をみて、豊島七段も同じく角に金を連結して
手番を再び後手に渡しました。。
最近、良く見かける出だしで迎えた
上図から次の6手目が後手の作戦の分かれ道。。
△8五歩と飛車先を決めれば「角換わり」
△3四歩と角道を開ければ「横歩取り」への進行が
それぞれ濃厚となりますが。。
6手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲豊島七段: なし
△深浦九段: なし
深浦九段は△8五歩と飛車先を決め
「角換わり」での勝負を指向しました。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲豊島七段: なし
△深浦九段: 角
豊島七段も「角換わり」に文句無し。
そのまま定跡手順の進行となり、上図の局面で
深浦九段から角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。
21手目▲3七桂。
上図での持ち駒
▲豊島七段: 角
△深浦九段: 角
気になる両者の対戦成績は
ここまで12戦して、深浦九段の7勝5敗と拮抗。
角交換成立後
深浦九段は「腰掛銀」に構える動きをみせますが
豊島七段は右銀の態度を保留したまま駒組みを進行。。
31手目▲5六銀。
上図での持ち駒
▲深浦九段: 角
△豊島七段: 角
その後も前例を踏襲しながらの慎重な駒組みは続き
上図の局面で深浦九段に続けて(30手目△5四銀)
豊島七段も右銀を中央5筋に構え、戦型はおなじみ
「角換わり相腰掛銀」に決定しました。。
37手目▲4五歩。
上図での持ち駒
▲豊島七段: 角
△深浦九段: 角
先に仕掛けたのは豊島七段。
上図で4筋の歩を突き合わせます。。
38手目△7五歩。
上図での持ち駒
▲豊島七段: 角
△深浦九段: 角
しかし、深浦九段は
△同歩と応じず、7筋の歩を突き合わせ反発。。
この手に対して
豊島七段は△同歩(39手目)と応じて、以下
△6五桂~▲7六銀~42手目△8六歩と
後手が果敢に突っかけますが。。
次の瞬間
43手目▲7三角。
上図での持ち駒
▲豊島七段: 歩
△深浦九段: 角
豊島七段は
後手陣にぽっかりと空いた隙を見逃さず
深浦飛車目掛けて角を投入。。
この角打ちは気持ち良く形勢に響き
豊島七段が攻防の主導権を握りました。。
57手目▲6五銀左。
上図での持ち駒
▲豊島七段: 桂、歩4
△深浦九段: 角、歩
馬を作った豊島七段は
争点の6筋で銀をぶつけて、駒を捌きに出ます。。
すると、銀交換に続けて馬と飛車の交換が成立。。
63手目▲7一飛。
上図での持ち駒
▲豊島七段: 銀、桂、歩4
△深浦九段: 角2、歩
深浦九段は手持ちの銀を、ガッツンと
先手陣で金にぶつけますが(62手目△4七銀)
豊島七段は構うことなく、飛車を打ち込み王手。。
一気に勝負を決めに行きます。。
【 投了図・79手目▲4八歩 】
投了図での持ち駒
▲豊島七段: 角、金、銀2、歩2
△深浦九段: 飛、金、桂、歩2
豊島七段の厳しい寄せの前に
瞬く間に玉を追い込まれた深浦九段は
最後の反撃を試みるも、すでに大差がつき
上図の局面で無念の投了を告げました。。
本局も会心の勝利を飾った豊島七段は
これで公式戦9連勝、リーグ戦は負け無しの3連勝。。
大揺れの将棋界で淡々と連勝街道をばく進します。
本日、午後7時より
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将棋ソフト不正疑惑、手番は三浦九段へ。。