午後7時より森内九段登場。。第2期叡王戦・九段戦/2回戦「丸山九段-福崎九段を振り返ろう」
優勝者はプロ棋士代表として
将棋ソフト代表と番勝負を戦う画期的な棋戦
前期よりスタートしました叡王戦。。
今期の第2期は現在、段位別予選がたけなわ。
本日は最高クラスの九段戦のAブロックが
東京・将棋会館にて行われています。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲福崎九段: なし
△丸山九段: なし
まずは午後2時より
「福崎文吾九段-丸山忠久九段」の2回戦。
先手となった福崎九段は
初手でいきなり中央5筋の歩を突いて
得意の振り飛車投入を示唆します。。
対します
丸山九段も2手目△3四歩と角道を開き
振り飛車を含みとして、対局はスタート。。
4手目△3二飛。
上図での持ち駒
▲福崎九段: なし
△丸山九段: なし
福崎九段はケレン味なく
3手目に飛車を振り、「中飛車」に構えると
丸山九段もすぐに飛車に手をかけ3筋へ。。
戦型は相振り飛車となりました。。
18手目△7二銀。
上図での持ち駒
▲福崎九段: なし
△丸山九段: なし
福崎九段は5筋(7手目▲5五歩)
丸山九段は3筋と(8手目△3五歩)
両者は飛車先の位を確保すると、次に
息を合わせて玉の囲いを目指します。。
丸山九段はいち早く
振り飛車の相棒「美濃囲い」を構築。。
19手目▲9八香。
上図での持ち駒
▲福崎九段: なし
△丸山九段: なし
一方の福崎九段は9筋の香車を上げて
自身の代名詞でもある「穴熊」を明示しました。。
上図での持ち駒
▲福崎九段: なし
△丸山九段: なし
丸山九段は金と銀が交互に連なる
美しい「本美濃囲い」を完成。。
福崎九段も上図で銀のハッチを閉め
堅くて遠い「穴熊」が完成。。
しかし
まだ自陣の右辺が手つかずの先手に対し
ほぼ自陣の駒が組み上がった丸山九段は
次に9筋の位を確保します(26手目△9五歩)。
丸山九段の今期ここまでの成績は
8戦4勝4敗。順位戦はB級1組で1勝1敗。
独自の将棋観と美意識を棋風に強く反映し
美学に殉ずることも厭わない「孤高の天才」は
羽生世代が誇る「4人の名人」に名を連ねます。
本局は得意の「角換わり」を封印し
シリアスに勝利のみを追及します。。
33手目▲2六歩。
上図での持ち駒
▲福崎九段: なし
△丸山九段: なし
一方は「妖刀使い」福崎九段。。
今期ここまでの成績は4戦2勝2敗。
順位戦はC級1組で1勝1敗。
独特のヘアースタイルと
関西流の軽妙なトークで絶大な人気を誇る
福崎九段は「振り飛車穴熊」を武器に
タイトル2期を誇る強豪棋士。
かつて、タイトル戦で一戦を交えた
谷川九段に「感覚を破壊された」と言わしめた
魔性の感性は今も健在であります。。
本局はまずきれいにマス目を埋めて
磐石の「穴熊」を完成させてから、フワリと
ヒモのついていない2筋の歩を突き出しました。。
しかし。。
44手目△7六銀。
上図での持ち駒
▲福崎九段: なし
△丸山九段: なし
先攻したのは、丸山九段。
角を1筋の端からしたたかにのぞかせつつ
攻撃の銀をスルスルと前進させて、瞬く間に
先手陣まで到達させます。。
この手をみて、福崎九段は
5筋に銀を繰り上げて(45手目▲5八銀)
上部を厚くしますが。。
46手目△3六歩。
上図での持ち駒
▲福崎九段: なし
△丸山九段: なし
丸山九段は、次の瞬間
飛車先3筋の歩を突き合わせると同時に
狙いすまして角道を開きました。。
福崎九段は▲同歩(47手目)と応じて
以下、△6八角成~▲同金寄~△2八角に
▲6七銀~△同銀不成~同金ときて
下図54手目△4四飛と進行。。
54手目△4四飛。
上図での持ち駒
▲福崎九段: 角、銀、歩
△丸山九段: 銀
丸山九段は気持ち良く駒を捌きながら
飛車・角を好所に配置し、主導権を握ります。。
55手目▲5四歩。
上図での持ち駒
▲福崎九段: 角、銀、歩
△丸山九段: 銀
ここまで受けに回った
福崎九段の反撃は飛車先5筋から。。
59手目▲3五角。
上図での持ち駒
▲福崎九段: 銀
△丸山九段: 銀、歩2
丸山九段の△同歩(56手目)をみて
さらに5筋の金を叩いた(57手目▲5三歩)
福崎九段は退路を断った丸山飛車目掛けて
手持ちの角をぶつけます。。
しかし、丸山九段は飛車を逃がさず
1筋の香車を捕獲し馬作り(60手目△1九角成)
直後に飛車・角交換が成立しました。。
76手目△8五角。
上図での持ち駒
▲福崎九段: 銀、香、歩
△丸山九段: 桂、香、歩3
手にした飛車を素早く後手陣に投入し
龍を作った福崎九段は端攻めを敢行。。
しかし、飛車を9筋に合わせてところで
丸山九段は角を投入し、飛車・金両取りで
切り返します。。
上図での持ち駒
▲福崎九段: 金、歩
△丸山九段: 飛、角、銀、歩3
しかし、福崎九段の猛攻は止まらず。。
端から横から斜めから攻撃部隊が高らかに
丸山玉目掛けて、包囲網を張り巡らせます。。
しかし、しかし。。
96手目△7九角成。
上図での持ち駒
▲福崎九段: 角、金
△丸山九段: 飛、金、銀2、歩3
先手に攻めさせるだけ攻めさせてから
丸山九段は一気にアクセルを踏み込み
強烈な反撃開始。。福崎玉へと迫ります。
【 投了図・114手目△8八角 】
投了図での持ち駒
▲福崎九段: 飛、金、銀、桂
△丸山九段: 金2、銀、歩3
守りに厚く、攻めに熱い
丸山九段は「激辛流」の本領発揮。。
圧倒的な迫力で先手陣を切り崩し
上図で福崎九段は無念の投了を告げました。。
見事、勝利を飾った
丸山九段はAブロック/決勝に進出。
本戦出場を懸け、本日午後7時より
森内俊之九段と決勝戦を戦います。。
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棋聖戦/第4局終局直後の所感。。