第７２期Ｂ級１組順位戦/７回戦「豊島七段－丸山九段は横歩取り」
２手目△３四歩。
上図での持ち駒
▲丸山九段： なし
△豊島七段： なし
本日行われています
第７２期Ｂ級１組順位戦/７回戦・一斉対局のうち
注目の 「丸山忠久九段－豊島将之七段」は丸山九段が先手。
初手▲２六歩に対し
豊島七段が△３四歩と返して対局はスタート。。
６手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲丸山九段： なし
△豊島七段： なし
丸山九段と言えば
「角換わり」のスペシャリストとして有名ですが
本局では飛車先の歩を突き、角道を開けてから
さらに飛車先を突き越しました。。
豊島七段もこの流れに追随。
同じく飛車先を決めて、「横歩取り」を目指す展開に。。
１５手目▲３四飛。
上図での持ち駒
▲丸山九段： 歩３
△豊島七段： 歩２
最新形の研究に余念のない
丸山九段が先手で「横歩取り」を指向したということは
新構想、用意の一手の存在をうかがわせる立ち上がり。。
しかし、将棋界屈指のオールラウンダー
豊島七段にとっては後手番といえどものぞむところの
戦型となったのかもしれません。
定跡手順の進行から上図１５手目に
丸山九段が２筋に浮いていた飛車でお隣り３筋の歩をかすめて
「横歩取り」。次に豊島七段が△３三角で飛車先を受けると
丸山九段は飛車を引かずに玉を立てました（１７手目▲５八玉）。
１９手目▲７七桂。
上図での持ち駒
▲丸山九段： 歩３
△豊島七段： 歩２
飛車を浮かせたままの丸山九段に対し
豊島七段は飛車を８五の地点に引き（１８手目△８五飛）
がら空きの２筋転換を目指しますが、丸山九段は強気に
左の桂馬を跳躍させて豊島飛車の態度を決めさせます。。
２１手目▲２八歩。
上図での持ち駒
▲丸山九段： 歩２
△豊島七段： 歩２
催促されたからには後には引けないと
豊島七段は飛車を２筋へと転換。すると丸山九段は
これしかない２八歩と受けました。。。
２５手目▲３六飛。
上図での持ち駒
▲丸山九段： 歩２
△豊島七段： 歩
ただでさえ激しい戦いとなりやすい「横歩取り」。
本局も火がつくと早そうですが、豊島七段が上図の一手前
２４手目に素通しになっていた８筋に歩をあてがうと（△８三歩）
丸山九段は３四に浮いたままの飛車をサッと引き下げました。。
上図２５手目までで午前の対局は終了。
すでに前例はなく、両者の事前研究と実戦感覚が試される展
開となった局面で、お昼休憩に突入。。。
【 お昼のオーダー 】
丸山九段： なし
豊島七段： 珍豚美人
豊島七段が
お気に入りのサービスランチを注文したということは、そう
本局の舞台は関西将棋会館となっています。
３２手目△６二金。
上図での持ち駒
▲丸山九段： 歩２
△豊島七段： 歩
午後はまず自陣の整備から。
玉を盤面向かって左側へと寄せていった豊島七段は
さらに△８二の地点まで寄せてから△７二銀と立てる
「美濃囲い」には構えず、上図の局面で金を立てました。。
３４手目△８二銀。
上図での持ち駒
▲丸山九段： 歩２
△豊島七段： 歩
玉を中心に金と銀を左右に開く
美しい「中住まい」に自陣を整えた丸山九段とは対照的に
あえて壁銀を作った豊島七段。。
素人には真似のし辛い囲いからは
相手との距離感に相当の自信があるということなのでしょうか。。
３７手目▲６七銀。
上図での持ち駒
▲丸山九段： 歩２
△豊島七段： 歩
豊島七段の「壁銀作戦」をみて
丸山九段は自陣６筋の歩と銀を一マスずつあげて
自ら角道を二重に止める駒組みを披露。。
両者ともに数手先の模様をイメージしながら
手作りの駒組みが着々と進行していきます。。
上図から次に
豊島七段が４筋の銀を一段上げると。。。
（３８手目△４三銀）
３９手目▲２六飛。
上図での持ち駒
▲丸山九段： 歩２
△豊島七段： 歩
丸山九段はこのタイミングで飛車交換を要求。
逃げればタダで桂馬を渡して龍を作られる豊島七段は
この要求に応じるより選択肢はありません。。
４４手目△３一金。
上図での持ち駒
▲丸山九段： 飛、歩２
△豊島七段： 飛、歩
飛車交換成立後
１筋の歩を突き越した丸山九段に対して
豊島七段は踵を返して自陣を引き締めます。
４三の地点に構えた銀を
二段目に呼び戻したのに続き（４２手目△５二銀）
孤立した金を自陣最下段に下げました。。
双方、間合いを計りつつも
丸山九段の方が駒の配列が立体的で広く感じますが。。
上図の局面で、夕食休憩となりました。
【 夕食のオーダー 】
丸山九段： グリルチキン（ごはん、サラダ、味噌汁）
豊島七段： 玉子とじうどん、おにぎり
決着は
今夜から深夜、場合によっては明け方まで。。
豊島七段にとっては踏ん張りどころ。
果たしてどのような結末となりますでしょうか。。注目です。