筧 速水 | 松風園文庫 「高須藩への招待」

松風園文庫 「高須藩への招待」

岐阜県海津市にかつて藩庁が置かれた尾張藩の支藩である高須藩について紹介するブログです。また、所蔵品も載せていきます。 
 

実名元忠、通称始め軍之助、のち速水と称する。父は筧速水元賢、母は沢田一鶴の娘岸。天保十四年八月に生まれる。

安政三年正月父元賢の遺跡を相続。馬廻役に任じられる。のち、小姓、馬廻与頭並、新番等を歴任する。

長谷川敬に風傳流槍術を学ぶ。また吉田竜之進の紹介で慶応元年十一月平田門人となる。

藩の事情探索方として松岡利紀と共に上京する。

明治元年三月から六月まで甲信戦線に従軍する。

明治元年八月刑法官に出仕、明治二年十月従七位に叙される。更に弾正台に出仕し中津川の市岡正蔵あてに「国中之情実近国之時情」を探るよう隠密御用を申し付けている。さらに神祇省大録、後司法省に出仕し以後累進して、広島地方裁判所長、鹿児島地方裁判所長、水戸地方裁判所長に任じられる。明治九年に起こった前原一誠の乱の為、萩臨時裁判所が設置された際には判事に加えられた。のち大審院判事、高等官一等に任じられ、従三位勲四等に昇叙、さらに錦鶏間祗候に任じられる。明治三十一年退官後大日本麦酒会社の監査役となる。