はじめに

フリーランスになる前に知っておくと良い事の記事が好評だったので、技術者に絞った記事をブログ限定で書きます。
(と言いながら、要望があればQiitaへ転記するかもしれません。)

この記事のタイトルは汎用的に使えると思いますが、僕がフリーランスになって知った内容を書いているので偏っている部分もあるかもしれません。

フリーランスになってから覚えていっても十分で問題が無いこともあります。しかし、事前に覚えておくと良い事は多いでしょう。


この記事の対象者は企業に常駐開発して定期的にお金が入る働き方を望む人向けに書いてます。
(後述するSES契約を結ぶ方を対象にしてます。)


※良ければ事前にフリーランスになる前に知っておくと良い事を読んでおいてください。


※前の記事にも書いてますが、僕は専門家では無いので法律などに関する記述には誤りがあるかもしれません。(記事を鵜呑みにせずに、必要に応じて調べてください。)


なんのためにフリーランスになるのか?

なんのためにフリーランスになるのかを事前に考えておくことは重要です。
なぜなら、IT業界の常駐開発は年を取ればとるほど条件が悪くなっていきます。
(もちろんスキルセットにもよりますが、「40歳まで」と条件を指定している現場もあります。)


なので「なぜ、自分がなぜフリーランスになるか」と言う目的は明確しておいた方がやめ際を見極めれます。


この記事にを参考に考えてみてください。


年齢

フリーランスになる前に色々勉強しなければ・・・。
自分のスキルではまだまだフリーランスにはなれない・・・。


僕もフリーランスになる時はこんな考えでした。
しかし、現場である程度のスキルがついたらエージェントに相談するのも一つの手段です。


上記にも書いたようにIT業界の旬は短いので、あまりぐずぐずしているとフリーランスになる機会を逃してしまいます。


僕の知り合い(後輩?)は大体24~30歳くらいの間にフリーランスになる方が多かったです。
(僕は29歳くらいだったので、少し遅めです。)

即戦力が求められる

プログラマーを例に書くと以下のような感じになります。
(運用でフリーランスになる場合はプログラムの部分をサーバー構築監視方法などに読み替えてください。)


企業がフリーランスを雇う一番のメリットは即戦力です。
なのでプログラムが書けないと話になりません。
どのプログラムでも良いので、人に聞かなくてもある程度のプログラムが出来るレベルを保有している必要があります。


ある程度というと基準が難しいですが、プログラマー初学の人への質問で書いている上部の22番目くらいまでの質問に回答出来るくらいのレベルがあれば即戦力として働けると思います。

エージェントと案件を調べる

プログラムができてもそれに適した案件がなければ仕事にありつけません。


例えば、JavaPHPの案件は多いのでそんなに調べなくても仕事に困ることはありません。
iPhone(Objective-c,Swift)Android(Java,kotlin)は案件の数はそこまで多く無いですが、技術者が不足しているため重宝されます。
Rubyは最近案件が増えてきてます。


これらの動向を常に調べておくと、自分がなんのスキルセットを身につければ良いかがわかると思います。


なお、動向を調べるためにはエージェントのHPを見れば良いのですが・・・
HPに掲載されている案件はごく一部の場合が多いので、直接エージェントに出向いて案件を見せてもらったり定期的にメールをもらえる関係にしておくと良いでしょう。

職務経歴書を作る

IT業界でフリーランスとして働く場合に必ず必要になるのが職務経歴書です。
初めて書く場合は参考サイトとかを見て書くことになりますが・・・


実はエージェントに聞いてしまうという方法が一番楽で確かなものが出来上がります。
また、この部分を適切に教えてくれるエージェントは良いエージェントと見極めても良いと思います。(教えてくれないから悪いエージェントというわけではありません。)


エージェントはエンジニアを現場に送ることで定期的に利益を得ることができます。
その時に重要となるのがエンジニアの職務経歴書である事を理解しています。
なので、自前で作られた適当な職務経歴書なんかより自分が用意した適切な職務経歴書で書いてもらったほうがエージェントにも利益があります。


なので、エージェントを探す時には職務経歴書についても教えてくれるエージェントを探すと良いです。

SES契約

企業とエージェントはSES契約を結びます。
そして、エージェントとエンジニアもSES契約を結びます。
SES契約とは法律上では準委任契約になります。


請負とは違い、成果物に対する責任が生まれません。
そのためエージェントはエンジニアを現場に入れて、働いてもらうだけで報酬を得る事ができます。
エンジニアも同様でエージェントから同じ手順で報酬を得る事ができます。


エージェントは10~30%の手数料(?)みたいなものを取ってエンジニアへ報酬を支払うので、その間のお金が利益になります。
この手数料があるために、いくつものエージェントを経由して現場に入るとどうしてもエンジニアに入る報酬が減ってしまいます。
(間にどれくらいエージェントが入っているかは聞けば教えてくれるので、確認しましょう。)


SES契約は通常140~180時間/月働くと60万払うというような、時間契約になります。
そして、時間外の働きをする場合は報酬が増減します。


この契約の利点は成果物に対する責任が生まれない事です。
しかし一方で仕事が遅い人の方が利益を生みやすいという欠点もあります。


あとSES契約の特徴としては派遣では無いというのがあります。これは、細かい指示を現場の人が出せないという法律があります。
とは言っても、このあたりは結構グレーなところがあり、現場から細かい事を言われる事もあります・・・(本当は法律違反になると思いますが、ここで争ってもお互い利益が無いので目をつぶった方がいいです。)


上記の契約があるため、会社の行事などの強制参加は出来ないので「全体朝礼で朝8時に来る事!」などの命令に従う必要はありません。
(このように命令された場合はエージェントに相談するといいでしょう。)

消費税

フリーランスになる前に知っておくと良い事にも書いてますが、年間で1000万以上の売り上げ(利益ではありません)を生み出した場合は納税義務が発生します。
では、その消費税はどこから貰って支払うべきでしょうか?


実はエージェントから貰う必要があります。
しかも消費税は納税するしないに関わらず徴収義務があるため、1000万以上の利益を生み出していなくても徴収しなければなりません。
これは法律上で決められている事なので、エージェントとSES契約を結ぶ際に消費税についても確認しましょう。また報酬が内税外税かによっても報酬額が変わるので契約時には注意しておきましょう。


※1000万未満の売り上げしかなく納税をしない場合に、消費税をもらうのはズルい感じもしますが・・・。(苦笑。でも、貰えるものはもらいましょう!)

週4日の契約

フリーランスの魅力の一つに週4日や週3日で働くと言う事が挙げられます。
僕がフリーランスで働いていた時期にはあまりなかったのですが、最近は報酬を削って短い時間だけ働くと言う事もできます。


例えば120~160時間/月で契約すればほぼ週4日で働く事ができます。
(GWなどの大型連休がある月は無理ですが・・・)


はじめは難しいかもしれませんが、こういう交渉をしれくれるエージェントと巡り会えるとプライベートの時間を大切にできます。

報酬交渉(単価交渉)

時間交渉とは別に報酬に対する交渉もできます。
だいたいにおいて、契約期間は1~6ヶ月(3ヶ月毎に更新されるケースが一番多い)になります。
契約が終了する一ヶ月前くらいに次回の契約をどうするかの話が出てきます。


その現場で使えないと判断されたり、現場の仕事が終わる場合はそこで契約が終わります。
また、自分が現場に合わないと思った場合はエンジニアの方から契約を取り消す事ができます。


そして、この契約の切れ目が報酬をあげてもらう交渉のタイミングになります。
SES契約で「仕事の遅い人の方が利益を得やすい」と書いた所を覆せるのがこのタイミングです。
自分が明らかに現場で活躍しているときは報酬を上げてもらえるチャンスになります。
上げてもらう場合は「どの点が他の人よりも優れているか」をエージェントに話して、報酬交渉をして貰いましょう。エージェントは現場に居ないためうまく伝える必要があります。
フリーランスとして生きるということは自分の能力を時間に換算して売り出します。自分の価値を現場に認めて貰えると報酬があがるのがが会社員との大きな違いでもあります。


ちなみに、、、逆に報酬を下げられるタイミングでもあります。
エージェントは報酬を上げる場合は自分にも利益があるので頑張ります。そして、報酬を下げられるとエージェントの利益が減るため必死に守ります。
このあたりの特性を考えてエージェントと付き合うとエンジニアにも大きな利益があります。
(直接企業と契約している場合よりもエージェントを通した方が交渉はうまくいきやすいです。)


※余談
過去に「長期契約が見込める場合は契約更新を断らない」と言う誓約書を書かされそうになったことがあります。
調べてませんが、多分この誓約書には効力がなく法律で争っても勝てると思いますが・・・。
こんな誓約書を送りつけてくるエージェントとは契約をしない方が身のためです。


エージェント名は出せませんが、僕のケースでは現場がすでに決まった後に誓約書が送られてくるという悪質な状況でした。
僕は誓約書にはサインができないと断り、その現場を一ヶ月で去りました。

中抜き

中抜きとは途中のエージェントとの契約を打ち切って直接エンドと契約したり、間にいるエージェントを抜いたりする事を言います。
基本的にタブーで行ってはいけません。


これを行った場合はそのエージェントとの関係を悪化するだけではなく、ばれた場合に大きな問題に発展する可能性があります。(僕は経験がありませんが、、、)


とは言っても、どうしてもエージェントが使えなかったり信頼できないときには渋々行う事もあるので名前だけは知っておくと良いでしょう。


実際に中抜きをしているエンジニアは多数います・・・。


※上記にも書いたようにエージェントは交渉ごとに長けてますので、一時の感情で中抜きをすると後々損をするケースがあります。このあたりは注意しましょう。

平行営業

フリーランスはひと仕事が終わったら次の現場を探す必要があります。(また、初めて仕事を探す場合も同様です。)
もちろん今までお世話になったエージェントに次の現場を紹介してもらえるのならばそれに越した事はありませんが、ここは平行営業を強くお勧めします。


平行営業とは複数のエージェントに職務経歴書を送って、同時に仕事を探してもらう事です。
このようにして仕事を探す事で自分に見合った仕事に巡り会える可能性が高まります。
また、いろいろなエージェントを見る事でエージェント毎の良し悪しがわかります。
(例えば「この業界はこのエージェントが強い」とか「すごくしっかりとエンジニアをアピールしてくれる」とかは複数のエージェントにお願いしないと見えてきません。)


もちろんデメリットもあります。
仕事が決まったらお願いしているエージェント全てに連絡する必要があるのはもちろんの事、エージェントが持ってくる案件の面談が増えるためプライベートの時間が削られてしまいます。


しかし、それを鑑みてもやる価値があります。

源泉徴収

源泉徴収をするエージェントに出会う場合があります。(うろ覚えですが、デザイナーの場合は源泉徴収が必須だったと思います。)
源泉徴収をエージェントが行うのは義務なのかもしれませんが・・・実際には源泉徴収を行うエージェントは少ないです。


源泉徴収とは報酬額の一部(大抵においては10%)を代わりに納税してくれる制度です。(言わなくても社員は源泉徴収されているのでわかると思いますが、僕はフリーランスには無縁だと思っていたので始めはびっくりしました。)
報酬の一部をエージェントが代わりに納税してくれるので、確定申告をするさいに「納税するお金がない!」と言う事が発生しません。


代わりに確定申告時に源泉徴収の申告を行う必要があります。(2月頃にエージェントから源泉徴収した額を通知してくれます。)
フリーランスになったばかりの頃は、入ってくる報酬だけに目がいって納税するときにびっくりする場合があるのでこのように源泉徴収をしてもらう事は大変ありがたい事です。
(利益にもよりますが、納税するときには50~100万くらいは覚悟しておいたほうが良いでしょう。※確定申告後にも税金が発生するため多めに見積もっていたほうが良いです。)


また源泉徴収された額よりも税金が安い場合は、確定申告後に戻ってくるので心配いりません。

日々鍛錬

初めにも書いたようにフリーランスは即戦力が求められます。
なので、今の現場を離れてもすぐに次の仕事が探せるように日々鍛錬をしておく必要があります。


年を取ると吸収力が落ち勉強意欲が落ちてきますが、フリーランスになった以上ここは頑張らなければなりません。
社員と違いひとつの現場に長くいるわけではないですし、仮に長くいてもいずれは次に行かなければなりません。
そう考えると、今の現場のルール(しきたり)に詳しくなっていても次の現場で使えないような技術に関して伸ばしてもあまり先がありません。


重要なのは、汎用的な技術であり先進的な技術です。フリーランスになった以上は空いている時間やお金はできるだけ自己鍛錬に使いましょう。
能力を時間で売るというのは、自分自身が資本である事を忘れずに。


ちなみに専門技術を学ぶのも良いのですが、、、今の世の中で個人が身につけれる専門技術が長い間役に立つ可能性は低いです。
長い目で見ると特化した技術より汎用的(言い換えるとつぶしがきく技術)と先進的な技術を学ぶ方が良いでしょう。
(kestrelやCassandraなどの技術はいつ潰しが効かなくなるかわからないと思います。)


できる人はできない人よりも自由にできる時間が多いので、その時間を有効に使っていくと良いでしょう。

エンジニア同士のつながり

エージェントを使うより、エンジニアから紹介されて現場に入る方が高めの報酬で交渉ができます。
そのためには現場に入っているエンジニアに紹介してもらう必要があります。


今、企業はエンジニア不足の場合が多いのでエンジニア同士で現場を紹介しあって仕事を探すのも良い方法です。
しかし、直接企業と交渉をすると風当たりが全て自分に向かうというデメリットもあります。
エージェントがいればこの風当たりを引き受けてくれるので「報酬をとる」か「精神的安定をとる」かの天秤になります。


また、紹介してもらうと現場を抜けにくいという場合もありますのでご注意を。
(大体は良い現場の場合が多いですが、確証はありません。)


あと一人で日々鍛錬をするのはなかなか難しいので、エンジニア同士で技術交流をするのも大切です。
僕は年に数回、必ず会うエンジニアの方々が居るのでいつも刺激を受けて、助かってます。


※余談
昔、このブログで技術交流会を開催していました。そこで知り合った方といまだに続いています。
そんなブログ交流会を今したら人が集まるだろうか・・・?

TownSoftへ仕事を依頼したい方へ

と、、、こんな事を考えている僕に仕事を依頼したい方。
ぜひ


TownSoft


までお仕事をください。
(この記事を読んでいる人が僕のHPに興味を持つ事はあまりないと思いますが・・・(苦笑))