社員を現場に入れて、その現場からお金を貰うビジネスモデルについて考えてみる。
このビジネスは随分前からあるモデルで「在庫=人」となるものである。他業種でも同じモデルがあるけれど(というか他業種の方が先だけど・・・)IT業界では異例の単価で取引される上に売り手市場だったため一世風靡し、これによって大金を儲けた社長も数多く居るのだ。

このモデルの特徴としては、在庫が人であるため在庫を保管する店舗(会社)を持つ必要が無く(もしくは小さなオフィスを持っていれば良い)お金を儲けれるのだ。
しかも、社員全員を売りさばいたら(現場に入れたら)後はお金が入ってくるのを待っていれば良いと言う素晴しいビジネスモデルなのだ。もちろん営業もする必要があるが、売り手市場の時はある程度の土台を築けばその人脈だけでも十分売りさばける。また、営業代行会社を別に使えば営業すらする必要が無くなるのだ。

ちょっとしつこい書き方をしたが、このビジネスモデルの素晴しさが分かっただろうか?
しかし、このビジネスモデルには幾つかの欠点がある。そしてその欠点が今になって露になっているのだ。

現在この働き方をしている人は気づいているだろうか?

現場には若い人の方が多い

と言う事を。
このモデルの一つの欠点は若い人の方が売りやすいと言う事なのだ。
なので今このビジネスモデルを始めた人は良いが、10年も20年も前からやっている人は歳を取った人を売るのに手こずっている状況なのだ。
すなわち、このビジネスモデルは年月を重ねれば重ねる程難しくなるのだ。

なぜこうなるかと言うと、年齢を重ねた人は単価が高くなるにも関わらず若い人より使えない場合が多く企業が敬遠する傾向があるからだ。
IT業界は技術の陳腐化が起きやすいため一生使える技術を得難いと言う特徴がある。そのため、日々学びを行っていない人は次第に淘汰されて行ってしまうのだ。(そうでなくても、歳を取ると使い難いと言う理由で売り難い状況なのに。。。)
⇒次の記事で書くつもりだがマネジメント技術も日々進化して行っているので、歳を取る事によるアドバンテージは少ないのだ。


それ以外にも欠点がある。
気づいている方も多いかも知れないが、業務系と呼ばれている現場では単価がどんどん下がっている。このように値崩れが発生すると業務系にしか人脈が無い会社は売り上げが下がるうえに、今まで給料を上げていた社員を雇用しなければならないため財政が一気に傾いてしまう。(実際この影響で多くの会社が潰れたと聞く。)

【余談】
この状況を避ける為に、会社は以下の対策を取る事が多い。

1.基本給は低くして、手当を多くする事で社員の給料を上げる。
 これは一見すると給料が良いが、業績が悪くなると手当をカットできるので単価が落ちても存続する事が出来る。

2.歳を取った人を役員にしてしまう。
 歳を取った人を役員にする事によって、仕事が無い時に給与をカットさせる事が出来る。(本当にこれをやって良いのかどうかは分からないが、やった会社は知っている。)

3.倒産して新しい会社を建てる。
 会社を倒産させれば雇用義務が無くなるので、面倒な社員を一掃して新しい若い社員を雇う事が出来る。

さて、欠点はこれだけではない。
最近増えたのがフリーランスだ。何故フリーランスが増えたかと言うとフリーランスの営業代行会社が増えてきたからである。
(ちなみに、僕が社会に出た2000年頃は現場に1人~2人いるか居ないかだったが、今は現場の大半がフリーランスと言う現場すらある。)
フリーランスを売りさばくビジネスモデルは上記のビジネスモデルの雇用部分を破棄したものなので、雇用義務が発生しない。すなわち在庫を抱える事が無いのだ。
雇用義務が発生しないので余計なコストをかけずに人を売れる為、高い単価をフリーランスに提供できて現場に安く出せるのだ。
このビジネスモデルが流行れば流行るほど上記のビジネスモデルを成立させるのは難しくなって行くだろう。(特に末端の会社は悲鳴を上げているだろう。)


僕はこの状況はどんどん加速して行くと思っている。
もし、このような状況で働いている人が居たら少し考えてみるのは如何だろうか?

本当に歳を取っても今の会社が雇用してくれるだろうか?
※あと、給料が頭打ちになる事は想像に優しいだろう。

もちろんだがフリーランスも危ないのだ。これについては次回書こうと思う。

TownSoftでは業務委託や受託案件も請け負っております。興味のある方はこちらにご連絡ください。

また、Twitterでも月~金で今日の一言をつぶやいています。
id:syou007
良ければフォローしてください♪