メタゲーム分析~T1環境~ | 今更紡ぐ神話TCGブログ

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マイナーTCG「Force of Will」の日本での再々活動開始を機に、日本ユーザー向けのブログを始めます。文才も継続力も無いですが飽きるまでは頑張るので何卒

この記事ではトリニティクラスタ第一弾「Thoth of the Trinity」(以降、T1)発売後の環境に対する個人的な分析内容について記載します。

 

前回の分析内容をベースに、新カードや禁止改定によってメタゲームがどのように変化するかを予想していきます。

 

目次
1. 環境定義
2. 前環境からの変化
3. メタ一覧
4. 各デッキ一言解説
 4-1. キルアバーン
 4-2. 預言者クロックパーミッション
 4-3. ゲートコントロール
 4-4. ムーンアリステラ
 4-5. リフリフコントロール
 4-6. レーヘントレジャーズ
 4-7. ルーシーコントロール
 4-8. ライカアグロ
 4-9. オーディンメタビート
 4-10. ブランハルトバーン
 4-11. クトゥルフコンボ
 4-12. パンドラループ
 4-13. ヨコシマワンショット
 4-14. ヘレンアグロ
 4-15. グリムシャッフル
 4-16. 人間ビートダウン
 4-17. 妖精アグロ
 4-18. ドラゴンミッドレンジ
 4-19. DXMコンボ
 4-20. バイオレット
 4-21. デモニックワールドコンボ
 4-22. J単騎六賢者
 4-23. ハーベストブリュン(orリッチ)
 4-24. オーダーニャル
 4-25. 魔界樹
5. 最後に

 

 

1. 環境定義

T1ブースターおよび1週間前に発売された2種のスターターデッキを加え、5/24の禁止改定が適用された環境について取り扱います。

 

2. 前環境からの変化

王者キルアバーン、死す。

長きにわたり神話界を統治してきた偉大なる王の死は、異空の闇を駆け抜け、瞬く間に神話界全土へと広がった。

これを機に、キルアバーン施政下でくすぶっていた野心旺盛なルーラーたちが次々と台頭。

神話界は群雄割拠の乱世を迎えることになる。

それから二時間後ーーーーー。

 

このパロネタ伝わんのか()

H4環境にて開催されたWGPで好成績を修め、以降王者として君臨し続けたルーラーであるキルアがついに禁止。まぁいつかはそうなると思ってた。

同時にいくつかのデッキのキーカードや、ルーラーの禁止がいくつか施行され、前回環境にて猛威を振るっていたデッキやそこまで猛威を振るっていなかったはずの一部のデッキは構築不可能となりました。

また、長いこと禁止され続けていた「Severing Winds(絶風)」をはじめとした多くのカードがエラッタにより禁止解除となりました。

新カードとしては、特にスターターデッキに収録されたカードの影響が大きく、青から飛ぶカウンター呪文「Cursed Mirror of the Snake」やスーパーフィニッシャー「Sphinx of the Mirage Ruins」の登場により白青系の色が大きく強化されました。

新弾のルーラーは一部を除き少し控えめな印象。新弾のギミックを取り入れる予定のため現時点では使用不可なテキストを持つカードの登場など(昔も雷雨とかでありましたねそんな感じの。普通にその弾で完結させてくれ)、将来性を感じるようなデザインとなっています。

 

3. メタ一覧

ここからは個人的な見解を多分に含む内容となります。

 

Tier1:

キルアバーン 構築不可

預言者クロックパーミッション

ゲートコントロール

ムーンアリステラ

リフリフコントロール up

 

Tier 1.5:

レーヘントレジャーズ new

ルーシーコントロール new

ライカアグロ new

オーディンメタビート new

ブランハルトバーン new

クトゥルフコンボ up

パンドラループ 構築不可

 

Tier 2:

ヨコシマワンショット new

ヘレンアグロ new

グリムシャッフル down

人間ビートダウン

妖精アグロ

ドラゴンミッドレンジ

DXMコンボ

バイオレット

デモニックワールドコンボ

J単騎六賢者

ハーベストブリュン(orリッチ)

 

Tier落ち:

オーダーニャル

魔界樹

 

大まかにこのようなイメージ。ノータッチどころか新カードを手にした預言者クロックパーミッション、禁止や新カードの影響は無いものの強力なカウンター呪文の規制により相対的に立ち位置が良くなりそうなムーンアリステラは変わらず環境上位と予想。

絶風のフルパワーを活かせるリフリフは以前よりも立ち居が良くなると思われます。同じくコントロール型のゲートコントロールは、カウンター呪文を1つ失ったものの、横ならべを強烈に咎める性質上新環境にはマッチしていそうです。

Tier1.5以下の階層では新たなルーラーを含めたいくつかのデッキが台頭すると予想しています。強化された青のカードを最大限利用可能なレーヘンやルーシーといった新ルーラーだけでなく、環境の変化により立ち位置の良くなったオーディンやキルアバーンを一番再現できそうなブランハルトなどの旧ルーラーにも期待しています。

 

4. 各デッキ一言解説

この項目全然一言じゃないな?

各デッキについての簡単な解説を記載します。

今回新たにリストアップしたデッキ以外は、前回との差分程度の記載にとどめようと思います。それらについても知りたい場合は前回記事をご参照願います。

 

4-1. キルアバーン

ルーラーの禁止により構築不可となりました。

ドロー能力による高い安定性と条件能力を駆使するため盤面やカウンター呪文に影響されにくい一貫性の高いゲームプラン、極めつけは同一ルーラーでタイプの異なる複数のデッキの存在により、キープ基準等が一発目では判断がつきづらいという利点まで持っていました。

ルーラーのエラッタやコンビ禁止を経てなおこれだけの性能を持っていたため、ルーラー自身の禁止は妥当といえそうです。安らかに。

 

4-2. 預言者クロックパーミッション

禁止の影響を何も受けず、T1にて新規の強化カードまでいただくこととなったルーラー。変わらず高い性能を発揮してくれることでしょう。

とはいえもともとがメタに合わせたデッキ構築とプレイスキルを要していたため、相対的な観点での変化はいくつかありそうですね。

 

4-3. ゲートコントロール

対象のコスト分の手札消費を要求する代わりに0ウィルでプレイ可能な協力なカウンター呪文「Conflict of Memory and Soul」の禁止と、必須ルーラーの色的に「Cursed Mirror of the Snake」をフルで利用できない点は痛いものの、依然としてコントロールデッキの頂点に立ちうる性能を有していると思われます。

海外のメタゲームでは純粋なコントロールよりも、カウンターでいなしつつ一撃必殺のコンボを叩き込む大味な構築が好まれる傾向にあり、幸か不幸かそれらのコンボ要素は規制を受けたもののコントロールとしてのキーパーツはほぼ健在です。Conflictを失った分かえって緑以外のカードも採用しやすくなった点はポジティブにとらえたいですね。

 

4-4. ムーンアリステラ

禁止、新カードともに全くと言っていいほど影響がないため、前環境そのままの使用感で走ることができそうです。

前述のConflictの禁止は追い風であり、Mirrorの登場はやや向かい風。これら環境の変化がどういった結果をもたらすか注意して見守りたいルーラーです。

 

4-5. リフリフコントロール

エラッタ後の絶風は観測者のルーラーを使用することで効果を最大限発揮できるため、裏表ともに観測者であるリフリフは最高の就職先となりそうです。表面だけ観測者とか反対にJ面だけとか、片面観測者が意外と多くて両面ともそうなのは意外と少ないんですよね…

限定的ながら0コストカウンターを撃てる点ではゲートコントロールにも勝ります。序盤の手数でうまく差別化していきたいですね。

 

4-6. レーヘントレジャーズ

スターターにて登場した「Lehen, Legendary Explorer」を使用したデッキ。エクスプロレーションにより除外エリアにトレジャーを溜め込み、Jルーラー面も併せてそれらをプレイし戦う中速のデッキ。フィニッシャーはJ自身やスフィンクスが努めます。

ルーラーの固有効果によりトレジャーの補充効率が高く、中盤以降は実質的な手札が相当数になります。

トレジャー自体の対応幅の少なさがやや難点ですが、スターター出身とは思えないポテンシャルを発揮してくれるルーラーです。

 

4-7. ルーシーコントロール

サブルーラー持ちの新規ルーラー。特定のリゾネイターを文字通りの肉壁へと変質させることによる高い防御性能と、アイテムエリアに溜め込んだカードを利用した高コストスペルのコスト軽減による終盤の捲り性能が魅力的なデッキです。サブルーラーにより毎ターン壁のリゾネイターをタダで展開できる点も優秀ですね。

T1のルーラーすべてに言えることですが、昨今のルーラーたちと比べて単体ルーラーであるが故の出力の低さが少し気になりますが、サブルーラーがいるためいくばくか軽減できています。

スターターに収録された青の優秀なカードを最も強くいかせるルーラーであるため、今後の活躍が期待できそうです。

 

4-8. ライカアグロ

サイドに用意したJルーラー面のみのカードを、それと共通の種族を持つリゾネイターとルーラーの上に重ねて場に出す融合召喚トランセンドという新たなプレイ方法を持ったルーラー。

ライフ差が優勢な時は特定のカードが無効にされなくなるため、対カウンターデッキに対しても自分の動きを通しやすい点が魅力的です。

 

4-9. オーディンメタビート

オーダー持ちのルーラーである「Odin, God of War/Order of Faith」を利用し、相手の動きを封じるメタビートl。

T1のルーラーコンセプトは種族を参照したり、デッキのサーチや墓地利用を多く行うため、それらを無効化するカードを取り入れることのできるこのデッキは立ち位置が良いといえます。

メタカードの刺さりにくい相手には並以下のビートダウンで戦わざるを得ないため、正確なメタ読みとデッキ構築が重要になるルーラーです。

 

4-10. ブランハルトバーン

前環境王者であるキルアバーンを一番再現できると思われるルーラー。手札消費の粗さやムーンチャイルド不在による神技分の手数やマナフィルター不可のため完全再現には当然至りませんが、コントラクトレガリアを含めた固有の動きも取れるため、本家とは違った爆発力も持ったルーラーです。

新環境でのバーンデッキとして期待が持てるルーラーです。

 

4-11. クトゥルフコンボ

Conflictの禁止により妨害がされづらくなったため少しだけ立ち位置を良くしたコンボデッキ。

瞬動タイミングで利用できる面除去スペルの登場により完成した盤面で攻撃する前に流されてしまうこともありそうですが、それでもコンボデッキの中では第一候補といえそうですね。

 

4-12. パンドラループ

あまりにも長く退屈なループを形成するルーラーのためさすがにお咎めを喰らいました。致し方なし。

 

4-13. ヨコシマワンショット

スターターデッキのルーラー「Yokoshima HANADA」と古代魔法を利用したデッキ。迫真の大文字HANADA

Jルーラー効果により一撃で4000点のダメージをぶつけるコンボを要するほか、追憶持ちのカードや古代魔法をコスト軽減する効果を持ち、幅広い戦い方が可能なルーラー。構築に好みが出そうなデッキですね。

 

4-14. ヘレンアグロ

レーヘン同様にエクスプロレーションを利用するが、除外するのはお宝ではなく探検隊のメンバーである魔女たちです。

高速で魔女を並べ、それらを強化して攻撃する速攻型のデッキ。魔女たちの常時能力により一部のデッキを機能停止レベルにまで追い込むこともあるため、メタビート的な側面も持ちます。

遂行速度は見た目以上に早く、あっという間に大量展開してライフを奪い去ります。Jルーラーは全く違ったコンセプトを持った特殊勝利型の能力を持ちます。専用構築にでもしない限り、基本的にはこちらの面を積極的に使うことは無さそうです。

 

4-15. グリムシャッフル

コントラクトレガリアとチェシャ猫のコンビ禁止により安定性or生存力を大きく失う形となってしまった元祖主人公。

とはいえ致命的なレベルかというと意外とそうでもなく、チェシャを失った分採用理由の薄れたアリスに代わって他のタッグ候補を探したり、逆にレガリアを不採用としてアリスを軸に戦う方法もありそうです。アリスのJ面は観測者であるため、絶風を採用した受け身な戦法も取れるかも、、、?

以前ほどの脅威度は無いものの、変わらずプレイアブルな性能を発揮してくれそうです。

 

4-16. 人間ビートダウン

自身でライフを大きく減らす都合上、苦手だったキルアバーンが規制されたことにより立ち位置が良くなる見込み…かといえばそうでもなく、他のアグロデッキに対して不利な点を克服する必要があります。

幸い、超優秀な全除去呪文が登場したため、今までより活躍する機会は増えるかもしれません。

 

4-17. 妖精アグロ

4-18. ドラゴンミッドレンジ

前環境から存在する並べて殴る系のデッキ。大きな影響はなく、コノミヤ環境デッキとの相性次第で使われそうなデッキたちです。

 

4-19. DXMコンボ

実質対応不可のコンボを行うこのデッキはMirrorの登場にも負けずにコンボを押し通せるという点で優秀。

ただし、肝心のコンボパーツの集まりの悪さは払しょくできておらず、採用率は高くなさそうですが出るとゲームエンドとなるメタカードの登場により、少し立ち位置が危ぶまれる状況です。

 

4-20. バイオレット

前環境から大きく変わらず活躍できる見込み。超強力なドローロック能力を持ったカードの登場がネックですが、それ以外は良好。

新環境直前にディスコードで実施されたローカル大会で優勝したのもこのルーラーでした。やはり高くまとまった優秀な性能を持っていますね。

 

4-21. デモニックワールドコンボ

呪文をプレイせずに条件能力とJの参戦のみで勝利を目指せるコンボデッキですが、その条件能力を無効にできるMirrorの登場により落ち目。

もともと前環境でも目立った活躍をしたわけでもないため、環境からは落ちてしまうと思われます。

 

4-22. J単騎六賢者

もともとがキルアバーンに対して絶対的に有利なコンセプトで組まれたようなデッキですので、そのキルアが禁止になった以上存在意義が問われることになりそうです。

とはいえJして強化して殴るという動きの再現性は高く、安定して動けることは変わらず魅力的と思われます。

 

4-17. ハーベストブリュン(orリッチ)

ハーベスティングシーズンが打ち消されづらく、それにより墓地アドバンテージの獲得からの暴れが強いデッキですが、Mirrorの登場により安心してプレイできるカードではなくなりました。

決まった時はやはり強いので、チャンスはあると思います。無限ライフルーズコンボが失われたため、リッチは消滅したかなと思います。

 

4-10. オーダーニャル

長い間コンビ禁止だった「Magic Stone Dance of Chaos」「Isis, Heat of the Sand」が解除され復権したものの、今度はダンスの禁止により再び力を奪われることとなりました。

以前のような爆発力がなくなるため、環境からは遠ざかるでしょう。

優秀なカード自体はまだ多いので、工夫の余地はあると思われます。

 

4-18. 魔界樹

ヘレン、レーヘンの持つ常時能力によりデッキのコンセプトを否定されました。新規で登場した魔女の一枚が魔界樹メタのような性能であるため、これらと当たると打つ手なしとなってしまいます。

それら以外には今までと変わらず戦えますが、裏を返せば今まで通り、勝てない相手には逆立ちしたって無理というデッキのため、厳しいかなと思います。

 

5. 最後に

T1環境最初の分析については以上となります。

禁止改定の発表直後に記載した記事のため、今後の動向次第では大きく予想が外れることもあると思いますのであくまで参考程度にお考え下さい。

緊急禁止改定等が無い限り、日本のGPではこの環境と向き合うことになります。ここに書いたことだけでなく、練習を積み重ねて得た知見を持って臨みたいですね。

 

以上となります。ここまで読んでいただきありがとうございました。