デッキ紹介~キルアバーン~ | 今更紡ぐ神話TCGブログ

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マイナーTCG「Force of Will」の日本での再々活動開始を機に、日本ユーザー向けのブログを始めます。文才も継続力も無いですが飽きるまでは頑張るので何卒

 

この記事では「キルアバーン」デッキについての解説をします。

 

現在筆者が使用しているレシピの紹介と採用カード、簡単な回し方の解説がメインとなります。

 

 

1. デッキレシピ

レシピについては海外有志サイト「Force of Wind」にて作成し、保存した画像を利用しています。

https://www.forceofwind.online/view_decklist/26372/

 

2. デッキの概要

バーンという名前の通り、相手プレイヤーに直接ダメージを与える呪文でライフを0にすることを目的としたデッキです。

条件能力によるカードの使用が多いため呪文の無効に影響されづらく、ルーラーのドロー能力により手札が枯渇しづらいことが特徴です。

 

3. 採用カード解説

採用したカードとその理由について解説します。

 

3-1. ルーラー

「Ki Lua, Fossil Girl of Melted Ice」

ムーンチャイルドとのパートナー効果、ゲーム開始時に4つのアイスカウンターが乗る効果、アイスカウンターが取り除かれるたびにドローする誘発効果を持ちます。

デッキのコンセプトなので当然必須。


「Child of the Wind Moon」

パートナーのムーンチャイルド。魔石をレストすることで水か風のウィルを生み出す条件能力、追加コスト以外でウィルを支払っていない呪文を無効にする神技を持ちます。

0コストで撃てるカウンターや火力、大量ハンデススペルが恐ろしいため採用。

 

「Return of Judgment」

エクステンションルール枠。ゲーム外から特定ルーラーがルーラーエリアに出た際に対応したエクステンションルールを呼び出す誘発能力、開始時にルーラーエリアにいなかったルーラーのジャッジメントによりJルーラーが出たときに魔石以外のエンティティを破壊して1枚引く誘発能力を持ちます。

今回のデッキには採用していませんが「Brad and Ki Lua」というカードを採用した際に利用できるほか、そのカードを入れていると誤認させる可能性がわずかにあるため採用。強い人のキルアデッキにはほとんど入っていませんが

 

3-2. メインデッキ

「Roamer of the Crimson Moon」

2コスト飛翔600/600というスペックに加え相手がカードを引くたびに400点ライフを失わせる誘発能力、手札から捨てて1コスト払うことで同等の能力をそのターン中のみ適用する条件能力を持ちます。

「最初の嘘」を一線級のカードに引き上げた1枚。リゾネイターとしても手札誘発としても使い勝手が良いため4枚採用。ドローフェイズの通常ドローでも誘発するため、このカードだけで半分以上のライフを削ることもしばしばあります。


「Persephone, the Eleventh Olympian」

相手のJ/リゾネイター1体を破壊してドローする参戦効果、1コストと手札から捨てることで呪文の手札へのバウンス、墓地除外を行うTalesのカード。

無効にせず手札に戻すことで不発にする効果はアドバンテージの面では弱い者の、テンポ面で優位に立てたり無効にされない呪文にも効果があるなど便利です。ごくまれに墓地除外や、プレイしてクロックとして利用することもあります。


「Geryon」
攻撃的な3種のキーワード能力に加えて1コスト以下の呪文のプレイを封じる常時能力を持ちながら、手札から除外することで1コスト以下の呪文無効や除去を行えるスーパーカード。さすがMR

刺さる相手にはとことん刺さる反面刺さらない相手にはほとんど仕事ができないカードでもあり、ミラーではフィールの魔術やサイドから出るローグぐらいしか撃ちどころがありません。

とはいえロングゲームになると普通にプレイしてゲームを決めることもあるのでやはりトンデモカードはとんでもないですね。

 

「Grandleon, Strongest Ancient」
攻撃的な3種のキーワード能力に加えて1コスト以下の呪文のプレイを咎める誘発能力を持ちながら、手札から捨てることで直接ダメージや飛翔持ちの破壊を行えるスーパーカード。さっきもにたようなの書いたな

手札効果ではルーラーのアイスカウンターを取り除く必要があるため、キルア専用な分強力な効果を持っています。ルーラー効果によりドローも付いてくるのが大きいですね。

火力が飛ばせるためどの対面でも腐ることが無いため4枚採用。Jルーラーの効果で盤面に着地すると一気に大量の戦闘ダメージをたたき出します。

こちらもGeryon同様に普通にプレイすることも覚えておくといつか役に立つかもしれませんね。

 

「Lifezapper Chronogear」
ソラリゼーションによるコスト軽減効果やフィールドでの能力を複数持ちますが、このデッキではもっぱら継承能力の使用がメイン。

1コストで400/400のリゾネイタートークン2体を出し、しかもそれらは破棄することで相手のライフを200点失わせるため除去されてもただでは死なない、恐ろしい性能です。

このカードを大量に引いた場合はバーンとは名ばかりのトークンビートが始まります。プレイヤーに障壁を持たせるカードや直接火力を軽減する能力も現れているため、構築を歪めずに別軸のアプローチが取れるこのカードは優秀といえますね。

 

「Inferno」

相手の盤面、手札、ライフいずれかを自分のそれと同数まで減らす詠唱。神技を解決したターンに限り瞬動がつきます。

これによりミラー戦や対アグロでは、死なない程度にライフを減らしてもらってから、これと少数の火力で逆転を狙うといったプレイも可能となります。ライフ回復手段が豊富なデッキに対する回答にもなりえますね。

アディションやレガリアを含めた大量展開をするデッキや、常に大量の手札を温存する相手には他2つの能力が有効になる場合もあり、使いどころを見極めないと思ったほどの成果が出せない難しいカードでもあります。


「Judgment of Solari」

相手の手札枚数に応じたダメージと回復、魔石と生物以外の相手エンティティ全破壊、レスト状態の相手生物全破壊から選べる詠唱。多くの場合はダメージ効果を選ぶことになると思います。

2コストかつ瞬動がないため重たく感じますが、得られるライフアドバンテージはかなりのもの。消耗しきった後の相手に撃つと効果は小さいですが、序盤の2コストはとても重要なためジレンマをこれも難しいカードですね。

コントラクトによりJルーラーが出ているときは全ての能力を選ぶことができます。このデッキでは狙えるタイミングは少ないですが、いざその時が来た際に忘れないようにしたいですね。


「Chevaleresse's Tears」

プレイヤーや生物をX体対象とし、相手側には800点ダメージ、こちら側にはターン中墓地へ送られた際にレスト状態で復活する効果を与えます。コストの代わりに手札の赤のカードをX枚除外することでもプレイ可能な、いわゆるピッチスペル。

0コストで撃てる火力である他、このデッキではJ効果で蘇生したGrandleonを定着させるのにも使えたりします。バーンに限らず、赤の濃いデッキでは4枚必須級のカードですね。

余談ですが、自プレイヤーや自分のJルーラーを対象にした場合は何の効果も発揮しません。基本的に対象にする理由は無いですが、ピッチコストを多く払ってInfernoで手札を減らすテクニックをそのうち使うかもしれないですね。


「Faerur's Spell(フィールの魔術)」

瞬動を持つ呪文を1コストで無効にできる優秀な呪文。未だに現役。

瞬動を持ったスーパーカードは年々増加しているため基本的に腐らない。相手を止めることがデッキ自体の本質ではないため採用枚数は抑え目ですが、もっと入れても良いかもしれません。


「Ki Lua: Fossil Girl in the City」
アイスカウンターを増減させてのドロー、アディションの破壊、誘発能力の無効から2つまで選べる呪文。誘発無効を選ぶときは他を選べませんが、1つしか選ばない場合は1コストで撃てます。なんで?

ドロー能力はキルアの場合2ドローとなるため、撃てば撃つほど手札が増えます。

アディションや誘発無効もあるためどの場面でも何枚引いても強いカードなので4枚採用。これがNなのは昨今のカードパワーの高さを感じますね。

 

「Divine Lightning」
コントラクトの詠唱。対象のJ/リゾネイターの能力を失わせて800点ダメージ、ルーラーの能力無効とコントラクトの禁止、アイスカウンターが無い場合に限りキルアにコントラクト の中から1つ選びます。マスタリーにより0コストでプレイ可能。

Jルーラーは迅速と貫通に加え、墓地の恐竜1枚を蘇生し、ターン終了時にそれを破棄する参戦持ち。Grandleonが対象ですね。

場にいるだけで赤の火力呪文をすべて軽減してしまう天敵「The Witch of Quenched Fire」の対処や、魔界樹のような厄介な能力を持ったルーラーの対処に使います。使用頻度は低いものの、コントラクトした際にはGrandleonと合わせて2500点の戦闘ダメージを与えることができます。

変則的な除去として有用ですが、多く引くと無駄になりやすいためあまり多く入れない方がデッキとしては綺麗にまとまる印象です。

 

「The First Lie(最初の嘘)」

WGP2023にて誰もがその採用に目をむいたカード。お互いに秘密裏に数字を1つ選んだ後にそれを公開、最も大きな数値を選んだプレイヤーは3枚ドローし、選んだ数値×100点のライフを失います。

「Roamer of the Crimson Moon」と合わせてのフィニッシュ手段の他、ライフで優位に立てている際のドローソースとしても使用する場合があります。大きな数字を宣言した相手にはそのまま手札の火力で焼き切ったりと、お互いのセンスが問われるカードです。


「This Means War!」
ゲーム中最初にプレイする呪文であれば0コストで撃てる2ドローカード。地味ながらTalesを公開することでダメージを与える効果もあります。

条件能力による行動が多いため2~3ターン目に0コストで撃つこともあり、呪文プレイ後に引いたとしても「Chevaleresse's Tears」のピッチコストとして使える色のため無駄がありません。ごくまれに3コスト支払ってプレイする場合もあります。

強気の4枚採用でもいいかもですが、ダメージはほぼ無いようなものですし引きすぎても良くないので3枚。

魔石の選別によるトップ操作等もあるため、初手にあるからと言って適当に撃つのは控えましょう。
 

3-3. 魔石デッキ

魔石については5色魔石を5枚と、参戦時選別効果の付いた魔石を5枚。ムーンチャイルドにより風ウィルはフィルターできるため、クロノギアやローマー等のための黒と、各種火力呪文のための赤が中心です。

相手が2体以上のルーラーをコントロールしている場合にのみ5色魔石となるアマデウスは、環境次第では別の魔石に変えたほうが良いかもしれません。

 

3-4. サイドデッキ

サイドは環境次第で大きく変わるため、1本目から利用される2種とムーンチャイルドの部分のみ解説します。

 

「Rogue Spectator」

サイドからプレイ可能な瞬動持ちのリゾネイター。ライフ回復を封じる参戦を持ちます。

バーンの天敵であるライフ回復を咎めるほか、普通に最序盤でプレイして400点クロックとして利用したりします。大きなダメージを生み出すカードの多くが2コスト以上を要求し隙が大きくなるため、これによる戦闘ダメージは意外とバカになりません。

 

「Replicant: Shiva」

サイドからプレイ可能なリゾネイターその2。破壊不能、Belligerenceに加えソラリゼーションによるコスト軽減と、相手の生物を複数体破壊しうる参戦能力、相手生物を破壊した際にそれのコスト分の[+100/+100]カウンターを味方全体にばらまく誘発能力を持ちます。

参戦はソラリゼーションでプレイした場合相手のリゾネイター最大3体を破壊、普通にプレイした場合はJを含む相手全体にそれら自身のATK分のダメージを与えます。状況に応じて使い分けが必要ですね。

破壊不能による生存能力の高さも魅力で、殴り合いになってしまった際に壁として使ったりすることもたまにあります。その場持ちの良さが災いしてInfernoの盤面モードが使いづらくなることもあるので気を付けましょう。


「Child of the Darkness Moon」

ムーンチャイルドの候補その2。魔石をレストすることで風か闇のウィルを生み出す条件能力、対象のJ/リゾネイターを破壊する神技を持ちます。

シンプルな神技は使いやすく、闇ウィル変換によってクロノギア等が使いやすくなります。環境や好み次第ではこちらをスターティングルーラーにしても良いですね。

 

4. 回し方

基本的に自分のターンでは動かず、相手の出方に合わせて動きつつ適宜火力を投げてライフを詰めることになります。

瞬動を持たない「Inferno」と「Judgment of Solari」は隙が大きい分リターンも相応に大きいです。モード選択も含め適切なタイミングでのプレイが重要になります。

特に重要と思われるInfernoのモード選択ですが、自分の初期手札や相手のデッキを見て、ある程度決め打ちで考えておき、状況次第でほかのモードを検討するのが良いと思います。「迅速持ちが多くライフを高速で詰めてくるデッキが相手なので基本はライフモード、チャンプブロックやピン除去が間に合った時だけ盤面モード」「ブン回り以外ではまず盤面を並べ切ってから次のターンに攻撃してくる相手なので並べられた返しに盤面モード、間に合わなかったときやブン回りに対してはライフモードで逆転を狙う」といった感じです。

火力についてもプレイヤーに撃つだけでなく除去として利用することも可能なため、そこについてもある程度の判断基準を用意しておくと迷わずプレイできるようになると思います。

 

5. 採用候補

今回は採用しなかったものの採用を検討できるカードについていくつか紹介しようと思います。

「Brad and Ki Lua」

ルーラーのキルア、ブラッドの数だけコスト軽減する効果と各ルーラーが利用するカウンターに関する2つの条件能力、場を離れた際にゲーム外から名前にキルアまたはブラッドを含むルーラーを出しウィルコインか特定名称のカウンターを獲得する誘発能力を持ちます。

これにより出すことになる「Brad, Immortal Sage」はレスト中でもジャッジメントを行え、ターン中何度でもジャッジメントできる効果を持っています。J面は[不滅]も持っているため、エクステンションルールの効果でブラッド自身を対象にすることでウィルのある限り自壊とドローを繰り返すことができます。

これ自身の条件能力で毎ターン最大2枚のカードを引くことができる点や2枚目以降は1コストでのプレイが狙える点も魅力です。


「Egg of the New Generation」

コストの代わりにアイスカウンター1つでプレイ可能な能力と場に出る際にアイスカウンターを4つに戻す能力、恐竜に関する2つの能力を持ちます。

プレイするだけでドロー効果が誘発したり、長期戦でまれに欲しくなるアイスカウンターの補給手段となるカードですが、多くの場合では1ドローする以上の効果が望めないため不採用としました。後述のカードと組み合わせた恐竜軸ではガンガン採用できるカードとなります。

 

「Terror in the Ice」、「Icemelter Dinosaur」

前者はアイスカウンターを2つまで取り除き、取り除いた数と同じコストの恐竜がめくれるまでデッキを公開し続け、公開した恐竜を場に出す詠唱。それにより出すことが多いのは後者。参戦時にアイスカウンターを1つ取り除くことで任意の対象に700店ダメージを与え、キルアの上にアイスカウンターが無い場合迅速を持ちます。

瞬動を持つ2コストということで取り回しが良く、決まればルーラー効果で一気に3枚ドローできる豪快さが魅力です。アメリカにて4月に行われたGPではこのタイプが大きな結果を残しました。

最速2ターン目にゲームを決める速度は魅力的ですが、全体的な対応力や安定感の面ではバーン型に軍配が上がるかな、と思っています。

 

6. 対策カード

キルアバーン側が使われるとつらい、キルアバーン対策となるようなカードと、それらを使われた際のキルア側の対処法についていくつか紹介します。

 

「Lumia, Princess of Rebirth」

このターン失った分のライフ回復とドローする参戦持ちの瞬動リゾネイター。同一ターンに複数枚出されると倍々になってライフが増えてしまいます。

ローグによって1度は回復を防ぐことが容易ですが、1ターンに大量のダメージを与えるのではなく、小刻みに削ることも意識しましょう。

 

「The Witch of Quenched Fire」

赤の詠唱や能力によるダメージをすべて軽減する、バーンを鎮めるために生まれてきたかのようなカード。

これがいる限りほとんどの火力は無意味になり火力による除去も当然効かないので、戦闘や黒のライフルーズ手段でライフを削りましょう。また、「Divine Lightning」なら効果を無効にしたうえでダメージを与えるので対処できます。

 

「Lightning Rod Mermaid」

可能なら必ずこれを対象にとらねばならず、対象になった際に障壁を得る誘発能力持ち。すなわち毎ターン1枚は火力や除去をこれに吸い寄せられてしまいます。

ウィッチと同様に戦闘やライフルーズで削るか、障壁を付けた後に一気に火力を連打して削り切ることを狙う形になるでしょうか。そこにルミアを合わせられたら天を仰ぎましょう。

 

幸か不幸かこれらのカードは全て1コストのため、Geryonによる無効が刺さります。これらのカードが集中的に投入されるサイド後では特にGeryonの使い方が重要となりますね。

 

7. 対面時の立ち回り

相手がキルアバーンだった場合の立ち回りや意識したいことについて記載します。ほかの項目もそうですがあくまで筆者個人の考えですので鵜吞みにしすぎないようにお願いいたします(責任回避)

・序盤から積極的に動いて受けに回らせる

キルア側の強みは構えながら隙を見て火力を飛ばせることなので、そこでお見合いをしてしまうとズルズルとライフを奪われてしまいます。

火力によりライフを責める暇を与えないぐらい積極的に動くことで、結果的に延命につながるといえます。ただしInferno等での逆転には気を付けましょう。

 

・モード選択を誤らせる

回し方でも記載した通り、InfernoやJudgment of Solari等の呪文はモード選択とタイミングが非常に重要です。有利な状況を一気にひっくり返されることもあるカードですが、こちら側の立ち回りを工夫することで、誤ったモード選択へと誘導することができると勝ちがぐっと近づくと思います。

第2の対策カードを抱えた状態で対策カード+アルファの盤面を展開する、ルミアを構えたうえでライフを責め続けInferno解決後に即回復、誘発能力を大量に使用してKi Lua: Fossil Girl in the Cityに手札補充をさせない

などなど、口にするのは簡単ですがキルア側の動きについても理解してないと実践するのは厳しいとは思います。1つテーマを決めて、そのテーマに沿った動きを練習するといった形で少しずついろいろな立ち回りを覚えていけるとよいかなと思います。偉そうに書いてますが僕も無理です()


 

8.最後に

キルアバーンのデッキ紹介は以上となります。

モード選択呪文や複数のカードを構えてターンを返す場面が多く、見た目以上に悩む状況が多いデッキだと思います。
どのデッキにも言えることですが練習量が非常に重要となるデッキですので、いろんなデッキとの対面で回してみるとよいと思います。