00年代から10年代のイカ娘変容 | ブックカフェはねだぷりん

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京浜急行穴守稲荷駅前の本屋の丁稚の読書感想文他アレコレ。プリンを作ったり、喫茶営業をしたり、雅楽を奏したり。

本なんてものは、読んでいれば、いつかは読み終わるもの。

漫画なんてものも、どれだけ人気だったとしても、いつかは連載が終了してしまうもの。

で、つい最近、9年に渡る連載を終えたのが、

『侵略!イカ娘』!!

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海を汚す人類に復讐・征服するために、深海からやって来たイカ娘が、気付けば浜辺の海の家で働きつつ、人間生活を、フツウに満喫しているこの作品。

恐ろしいのは、9年の連載の間、毎回必ず笑える作品だった!という事です!!

海の家が舞台なので、作品世界は、常に夏休み中!

この限られた時間・空間の中で、毎回必ず笑いを提供する事がどんなに高度な事か!

多くのギャグ・コメディ漫画家が一作二作で燃え尽きる中、想像するだに恐ろしい事です、(`´;)!!

毎週どんな時も変わらずに常夏の笑いを届けてくれた、素晴らしい傑作ですので、お試し下さい。

しかし、実際“侵略”は、どこから来て、どこへ行くのか・・・?

そこまで読みたかったなあ(´∀`)。

と、9年来の毎週の習慣(常夏でクスッと笑う)がおしまいになり、少し笑い心にポッカリ穴があいた所で、書庫から発掘されたのが、コチラ↓!

SABEさん著・『世界の孫』(☆_☆)!!

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表紙のお嬢さんは、中学生ながら頬がプクプクの極めて“お孫顔”であります。

かつて、そのあまりの“お孫ぶり”に町中のお年寄りが「ハーメルンの笛吹き」のネズミの如く引き寄せられて、かまいたがり、それらお年寄りを擁する各ご家族を崩壊の危機に陥らせた、という“お孫”伝説を持っている、というお話。

荒唐無稽なネタに思えますが、映画や時代劇などの様々なパロディや、切れ味抜群のアクションと、ユルリとした掛け合いや、“おむずがり”など万人がうなずける“お孫”あるあるネタの緩急のきいた構成の、質の高いギャグ漫画に仕上がっております。

さて、その、“世界の(人々から愛される)お孫”を目指す物語を発掘した事を、わざわざ昨今の『侵略!イカ娘』完結に事寄せて述べたてる、その意味は何なのか??

つまり、『世界の孫』もまた、“イカ娘(というか、イカ女(イカジョ?))”の物語でもあるからなのです(--;)!

“お孫さん”は主人公ですが、そのカウンターパートとして、「イカ好きで、イカの力を手にして、学校を支配し、ひいては“日本と書いて、イカと読ませる”事すら目論む担任」が存在する訳です(2巻表紙の人)↓。

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この人を中心に描かれるイカ・ネタの数々は、切れの良いギャグに満ち溢れた当作品の中でも、濃厚極まりない最上級のイカの刺身の、ネットリとした旨味と食感の様な味わい!

ゲソタポって!

「侵略!イカ娘」は00年代から10年代にかけてのイカ漫画でしたが、『世界の孫』は00年代を代表するイカ漫画なのです!そんなジャンルあるのか(^^;)。

また、クラシック・バレエと功夫の意外な親和性にも度肝を抜かれるのは間違いないです(^∀^;)。

『侵略!イカ娘』も、『世界の孫』も、まことに傑作の名に違わぬ作品でありましょう(^^)!

という訳で、『世界の孫』を店の蔵書に持って来ましたので、どなたか読んで下さい。

“はねだぷりん”を食べながら読めば、甘い物が大好きな“お孫さん”により一層感情移入出来て、倍面白いに違いないですよ( ̄ー ̄)??



上手く漫画からプリンにネタがつながった様な気がする(-_-;)・・・。どうでしょう?