天丼には少しトラウマがある。
子供の頃から幾度か外で食べて気持ち悪くなった経験。
油が合わなかったのか 体調が悪かったのかはわからない。
ただ 量が多かったり 安物だったのかなと言う漠然とした印象は残ってる。
だから たとえ平塚の誇る名店の看板メニューであろうと
量が多いと ちょっとした勇気がいるのです。
天丼ころも 穴子天丼
珍しい。2名以上いた覚えがないランチの先客。本日は4人のご婦人グループも含め6名。
いつもは落ち着いているご主人もてんてこ舞い。待ち時間はかかりそう。
敢然と注文するのは 穴子天丼(1尾 1300円) 2尾 2200円を頼むまでの勇気はない。
あれっ ご主人の手さばきは予想以上に早い。
油のはねる音と ごま油の香り。タレをくぐらせるジュッという音と醬油の香り。
ひとつひとつ丁寧に作ってるのに 10分もしないうちに登場です。
蓋からはみ出た 特大穴子。うつわ以上いや うわさ以上の大きさ。
穴子の端の方では ぽとぽととテーブルにタレが落ちる。
上でヒモのように結ばれてるのは 骨せんべい。下には なす ししとう みょうがの野菜天。
巨大な穴子でも この店の特徴の衣の軽さとごま油の香りの良さは変わりがない。
タレをほどよく吸った衣の中からはさくっとした穴子の身。
濃いたれを絶妙に配した ほくほくのご飯と一緒に掻きこむ。素晴らしい。
食感に変化を与えるのは 骨せんべい。味に変化を与えるのは みょうがの天ぷら。
口直しは 浅漬けとなめこ汁。どれひとつとして 無駄な材料がない。
そして もちろん胃もたれもしない。
何回も訪れながら 巨大穴子を回避してきたことが 間違いであったことにやっと気付く。
天丼ころもの 穴子天丼は最高です。


