ばりばりの反戦映画 そしてラブ・ストーリーでした。
ゴジラ
オキシジェンデストロイヤーの発明者である
芹沢博士(平田昭彦)が悲しい。
ゴジラにより壊滅させられた東京。
被災者たちの状況は戦争のときと同じ。
東京湾に潜むゴジラがまた現われるのは時間の問題。
芹沢が ひた隠しにしていたオキシジェンデストロイヤーを使用することを
願いに来たのは 尾形(宝田明)と恵美子(河内桃子)
苦悩する芹沢。
これを使用すれば 原爆 水爆に続く最終兵器の出現となる
各国が競って この発明を狙いに来る。
たとえ研究結果は捨てても自分の頭には残ってる。人間は甘くないんです。
そんな彼を決意させるのは 平和を願う乙女たちの歌声
そしてなによりも 許婚であった恵美子と尾形の親密な姿。
戦争により亡くした片目。兄妹的な感情しか持ってない恵美子。
多くの人を助けよう 身を引こう。決意する芹沢。
だから 海中でオキシジェンデストロイヤーをゴジラの前で自ら発動させる。
命綱を切り 尾形に伝える最後の言葉は「幸せになれよ」
自らの死により最終兵器の存在を封印し 若い二人の幸福を願う。
悲しすぎます。
制作年度 1954年。戦後10年もたってない。
「長崎の原爆で生き延びたのに」と電車内の乗客の会話
「一緒にお父様のところにまいりましょう」子供を抱える母親
戦争の記憶はまだ生々しい時代の作品。
「水爆が続く限り またゴジラの同類が生まれ
世界のどこかにあらわれるかもしれない。」
ラストの山根博士(志村喬)の言葉も重い。