『アンネの追憶』ホロコースト作品としては・・・ | 湘南ダック ~神奈川・東京 ランチグルメ~

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ナチスのユダヤ人迫害を世界に知らしめた「アンネの日記」
日記は 一家が逮捕される1944年8月で途絶える。
その後のアンネの運命を描いた作品。

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素晴らしい内容の作品です。
しかしそのことを踏まえたうえで 気になることをいくつか。

まずアンネが 天真爛漫で お姫様状態。
日記や史実によれば 一家の中心は姉のマルゴー。
すべてにそつがない姉の影で 妬みや僻みを感じてるのがアンネ。
しかし映画の中でマルゴーの影は薄い。台詞もほとんどなし。
さらに 母親との確執もさらっと一言の台詞のみ。

「アンネの日記」の素晴らしさは 葛藤し自立していく少女の精神世界と 
ユダヤ人迫害に対する鋭い視点なのに それらは描かれない。
まるですべてがアンネを中心に廻ってるような印象のみ残ります。

もうひとつ気になるのが 絶滅収容所。
連れてこられたユダヤ人の誰もがガス室の存在を知ってたように描かれる。
たしか史実ではナチス側は 気づかれないようユダヤ人に接してたはずなのに。

主役アンネにこだわるばかりにテレビドラマのような展開。
筋書きはほぼ事実に忠実だが リアルさを求めるなら 
「シンドラーのリスト」や「戦場のピアニスト」などの ホロコーストの名作より落ちる。

あいかし ひとり生き残った父オットーの悲しみは伝わってくる。
家族すべてが殺されても その事実を受け止め 人を憎まず生きていこうとする姿。
同じく生き残った アンネの親友ハンネリを 我が娘のように援助していく。

やはりホロコーストは人類の記憶として残さなければならないことですね。

おすすめ度 ★★★☆☆ 3.5