オープニングはパトカーに追いかけられ 爆走するマセラッテイ
運転するのは黒人青年。助手席には全身麻痺の裕福そうな白人男性。
流れるミュージックは アースウインド&ファイアーの「セプテンバー」
二人の顔には笑みがあふれる・・・
事故により首から下が不随となった大富豪フィリップ。
新しい介護人面接で 生活保護申請に必要な不採用通知を取りに来ただけの
スラム街出身の黒人ドリスを採用する。
金持ちではあるが 自由にならない体を恨み 笑顔をなくしてしまったフィリップ
介護経験もなく 小物をくすねたりする小悪党のドリス
周りの人や 親戚の心配をよそに ふたりは友情を深めていく。
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感動ものではない。下ネタだって はいる。
全編に流れるのは ふたりの友情の厚さ そして心のふれあい。
フィリップが ドリスを雇った理由は おそらく うそがないこと。
同情や義務感でなく 一人の人間として自分に接してくる。
その象徴がマセラッテイ。
介護用のバンに フィリップを乗せるのを嫌がったドリスが運転する。
さらに 自由奔放なドリスは 周囲の人も変えていく。
オープニングの場面は ラスト近くにつながる。
家族のために フィリップのそばから離れたドリス
ドリスがいなくなり 笑顔のない生活に戻ってしまったフィリップ
そんなときに 週末は暇だから付き合ってやるとドリスがあらわれる。
マセラッテイを飛ばし リゾートのホテルへ向かう二人。
そこで用意されていた サプライズ。
立ち去っていくドリスに投げかける 驚きとはにかみが混じったフィリップの笑顔
これが この作品のすべて。
フランス映画はいい。心の機微を描く。
心地よい余韻の残る映画です。