久しぶりにまじめな話。
新聞やワイドショー。殺人事件のニュースが途切れることはありません。
日本の治安は悪くなる一方。昔はもっと安全な国だった・・・
そんなイメージを持っている人は多くないでしょうか?
警察白書で発表された殺人件数は 2010年度で 1067件。
戦後最小記録を更新中。
おそらく 日本は歴史上 一番殺人が少ない時代を迎えているわけです。
しかし なぜ殺人事件が増えているように思えるのでしょうか?
それはマスコミ報道の変わり方。
以前なら 地方記事ですんでいた殺人事件を 全国面で報道する新聞。
視聴率が取りやすく 賛否両論がでることもなく 番組作りが簡単なため
すぐに取り上げるワイドショー。
これらの報道のあり方によって
殺人事件が多くなったイメージが植え付けられるわけです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さて ここまでが一般論。
本当に日本の殺人事件の件数は減っているのでしょうか?
殺人事件になるのは 司法解剖で犯罪性があるとされた案件。
つまり変死体が発見され 司法解剖にまわされ 認定されなければ
殺人事件とならない。
実は日本では 変死体の数に対する司法解剖率は 5%以下。
アメリカの12% イギリスの24%など 欧米諸国に比べ 極端に低い。
多くの変死体が 事件性なしという形で処理されているのが実情。
(実際 司法解剖の国家予算は低く 以前 仕事がらみで関わったとき
担当医の少なさに愕然とした記憶があります。)
マスコミは 表に現われる数少なくなった殺人事件の報道に飛びつき
裏では 司法解剖率の少なさから
見逃されている殺人事件が多く存在する可能性
それが 日本の実情のようです。