『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~』 | 湘南ダック ~神奈川・東京 ランチグルメ~

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手塚治虫


個人的にも大好きな漫画家。ほぼ全作品を読んでる。

その発想力の豊かさ オリジナリティーの高さ。天才としか評せない。

しかし そこまでのイメージでした。


『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~』


【このマンガがすごい!2012】男編 第1位

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今まではシリーズ物しか受賞しなかった賞を 

単刊にもかかわらず受賞。

この作品の中の手塚治虫はとにかく圧倒されます。

命を削るような創作意欲。妥協を許さない情熱。

偏執狂にも近い好奇心の旺盛さ。


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昭和48年。当時の手塚治虫は 冬の時代。

アニメ事業の失敗により虫プロが倒産。

「巨人の星」「あしたのジョー」など劇画全盛期であり 

すでに漫画界では 過去の人というレッテルが貼られていた。


そんな手塚治虫に 「ブラック・ジャック」の連載を始めさせたのが 

少年チャンピオンの編集長 壁村耐三。やくざのような態度 外見。

締め切りの追い込みのためには 手塚プロに殴り込みもかける。

しかし万年4位だった「少年チャンピオン」を1位にのし上げた伝説の人物。

彼のおかげで 手塚は復活する。


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手塚の長所でもあり 最大の欠点。

締め切り遅刻の常習者であること。 


それは当然。なぜなら頼まれた仕事は断らない。
湘南ダック ~神奈川・東京 ランチグルメ~ とにかく なんでも抱え込んで

やってしまおうというハチャメチャさ。


一方 作品への妥協も許さない。

ぎりぎりに出来上がった原稿も一人のアシスタントの言葉

「ちょっとイマイチかな~」でやり直し。

さらに8時間待つように言われた

編集者が怒りのために壁に穴を開ける始末。


手塚もアシスタントたちも徹夜はざら。

「1本でも10本でも同じ! いつでも僕は締め切りギリギリなんです!」

そんな手塚の背中を見ながら仕事をしていた 

アシスタントからは後の有名漫画家が続出する。


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たしかにすごい。

たとえばアメリカ逃亡編では 締め切りをきっちり守る永井豪が対比で出てくる。

永井は アメリカから 記憶だけで ベタ・背景の指示を出す手塚に驚愕する。

手塚は すごすぎるのである。


しかし 締め切りを守らず編集者を窮地に追い込む困った作家には変わりない。

社会常識は欠落しているとさえも言える。

ただ 手塚のすごさは 作品の質の高さ。命を削って いい作品を送り出したこと。

天才の天才たる所以。やはり手塚治虫は偉大だ。