興行成績は散々。
でも レビューでは評判の高い映画なので 見たかったのです。
突然父が父親を辞めることを宣言。
3年前父が自殺未遂をしてから家族は崩壊し、
優秀だった兄は進学せずに農業をやり、
母も今では家を出てひとり暮らしをしている。
重い気持ちで登校した佐和子の前に、転校生の大浦が現れ……。
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前半は それぞれの家族の気持ちが よく理解できず ちょっと退屈。
さらに 兄の いい加減な女友達の小林ヨシコの存在も よくわからない。
ただ 佐和子と大浦くんとの つきあいが さわやかで 心が和む。
給食のとき 佐和子の嫌いな鯖を かわりにずっと食べてた大浦くん。
佐和子が 家族がバラバラだと 落ち込んでるとき
実は 自分も鯖が大嫌いだったことを明かし 言います
「すごいだろ。気付かないところで中原っていろいろ守られてるんだぜ」
一緒の高校に入り クラス合唱のリーダーになったが
誰も ついてきてくれない時も助けてくれたのが大浦くん。
まじめ一方の 佐和子に違う方法を教えてくれます。
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そして後半。幸せな気持ちの絶頂だった佐和子を見舞う悲劇。
背負った十字架はあまりにも重く 佐和子は心を閉ざし
父にも言ってはいけないことを言う。
「なんで 死にたい人が死ななくて 生きたい人が死ななければばならないの」
ここで前半の退屈にも感じてた家族の性格の描写が生きてきます。
そして小林ヨシコの存在も。
まじめすぎる家族。
そのまじめさから 自殺を図り でも まじめにしか やり直せない父。
それがわかり 距離を置いた母。
自分に似ている父の姿が恐くて別の道を歩む兄。
しかし この家族だけでは 佐和子を救えない。
その状況を 打ち破ってくれるのが 小林ヨシコ。
「家族って作るのは大変だけど その分 めったにいなくなったりしないから」
そして 大浦くんの家族たちも 佐和子を救う・・・
主演は 北乃きい。この年のアカデミー新人賞を受賞。
透明感があって 初々しい。
川べりを歩く 長いラストシーンも 心に残ります。
じっくり見ると 心に染みてくる映画ですね。
なるほど 興行は難しいかもしれないけど レビューの評判が高いのも 納得しました。