「麦の穂をゆらす風」
愛するものを奪われる悲劇を なぜ ひとは繰り返すのだろう?
1920年、アイルランド。英国による支配からの独立を求め、
若者たちが冷酷な英国軍に立ち向かうために義勇軍を結成する。
ダミアンもまた医者としての将来を捨て、兄テディと共に過酷な戦いに身を投じていく。
彼らの激しいゲリラ戦は英国軍を苦しめ、ついに彼らは独立を手にし和平条約にこぎつける。
やっと訪れた平和もつかの間、条約の内容をめぐる支持派と反対派の分裂は内戦へと発展する。
それは共に戦ってきた同志たちが互いを敵に回す、さらなる流血の戦いを意味していた。
やがてその戦いは、ダミアンとテディの兄弟の絆にも暗い影を落としていく…。
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2006年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。
重いです。とても重い映画です。
愛国心や 理想のため ひとは殺しあっていいのだろうか?
それも 友人や そして家族までも。
ダミアンは 仲間の居場所を教えてしまった
幼馴染のクリスを処刑する命令を受ける。
「それだけの価値がある戦いなのか」
つぶやきながら クリスのもとに向かうダミアン。
「遺言は書いたか?」
「母は字が読めないんだ。僕を埋めた場所を教えてやってくれ。
ダミアン 恐いよ・・・」
そんなダミアンだから 自分が敵に捕まってしまったとき
仲間の情報と引き換えに恩赦を口にする兄テディの懇願も聞き入れられない。
「教えてやるよ 兄さん。俺がクリスを処刑したんだ。だから俺は仲間を裏切れない。」
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今 中東のパレスチナでは イスラエル軍による ガザ爆撃が続けられ 数百人の死者がでています。
なぜ 殺し合いは果てしなく続くのか?
この底辺にあるものは 民族と宗教。そして 憎しみと報復。
きっと その立場に なってみないと わからないことなのかもしれない。
でも わからないままで いたい。わからなくていい 世界でありたい。そう思う・・・