只今「リハビリ中」です。 | 卵巣がんになった`zaki‘の空間遊泳

卵巣がんになった`zaki‘の空間遊泳

2006年秋「悪性卵巣腫瘍の疑い」と告げられ、治療→再発転移を幾度も繰り返す。
◆受けた治療:手術4回・化学療法5ライン・放射線1回・がんカテーテル治療15回
◆現在: リムパーザ錠服用中
♫ 卵巣がんと長~くお付き合いしている、現役患者です。



やっと病院を退院して、家に戻って来ました。

長いようで短い32日間の病院生活…

何事も「振り返れば、あっという間の出来事でした」で済んでしまうのも、人生だと

新しい悟り(?)を開いてきました。


腫瘍マーカーは「11」まで下がり、一応治療は成功した見込みです。


 → ただし、本当に完全寛解なのか、一部症状を残したままの不完全寛解なのかは、3か月後のPET検査で診断されます。

まだ安心はできませんので、3週間後に検診に行って来ます。

下がった白血球も、何とか2000ギリギリで踏ん張りました。

治療が終わっても、少しの間は下がったままだそうなので「イエローカード」は持ったままです。


でもね「白い壁の四角い部屋」に戻らなくても良いので


    『出所 バンザーイ!!』


と、ガッツポーズをとりました。

  … 娘には「出所?退院じゃなくて?」と笑って突っ込まれましたが、

ルート確保も・点滴も・吐き気もない治療は、私にとっては初めてなので

「入院した」と言うより「世間から隔離された」感が強いです。


 韓ドラでしたら『生の豆腐をかじって』病院を出てきたいくらいでした(笑)


 しかし、家に戻ってきて自分が唖然・呆然・愕然…

 もう笑うしかないような行動をしてしまい、

‘浦島花子‘になっていることに気が付いてしまいました。


 ①日にちの感覚がわかななくなっていた。
   → 8月3日の予定を、今週だと信じて疑いもしませんでした…

 ②TVのリモコンの操作が一瞬出来なくなった

 ③入院前に置いておいたものの場所を忘れた

 ④スマホの写真の撮り方を忘れた…


 まあいま思いつくのはこの位ですが、この④には自分でも笑ってしまいました。

 
 家の近くの梨畑では「梨の赤ちゃん」が大きなって、今では梅くらいのサイズになっています。

 もう少し大きくなると、一つ一つ袋に入れられてしまうので「可愛い梨の子」を写真に撮ろうと

 一緒にいた娘のスマホを借りました。
   
          


 最近は下手なデジカメより、ずっと画素数が大きいのできれいに撮れます。

 なので、ちょくちょく借りていました。


 いつもの様に撮ったつもりですが、

 娘「撮れてないよ、それ」と無表情で言うのです。

 y’s「え?なんで?」

 娘は無言で画像を見せてくれました。

 写っていたのは、私の太い指…

 娘「おかあさん、カメラはねここにあるんだよ、ココ」と指さします。

 y’s「そんなこと知ってるよ」むっとしてと言い返すと

 娘「こうやって、逆にしないと写んないでしょうが…」と向きを変えてくれました。


 おお、何てことよ!y’s「やだーー。そーだよね。なんか変だと思ってたー。ははは」

 バツの悪い母と、どう対処していいか迷う娘…

 しばし、気まずい空気がながれました。


 y’s「リハビリ必要みたいだね、お母さんさ」
 

娘「みたいだね」

娘「本当に忘れたんだ。何してるかわかんなかったのよね、初めはさ。まさか、とは思ってたんだけどね」


y’s「自分で言うのも変だけど、病院に入ってると『病気のこと以外』考えることが少ないんだよね。

 日常をすべて忘れないと、居られないんさ。少しの間、お許しくださいな」


娘「ふーん、そうなんだ。病気のことで頭いっぱいになるんだ。まあそうだよね。

  別にいいよ。今に始まった事じゃないし。お母さんの身体が一番だから」


 と、普通に会話して帰ってきました。


 思い返せば「また再発か?」「化学療法だったら、持ちこたえられるか?」

 ‥等様々な頭をよぎることは、病気のことばかり2ヶ月以上考えて生活していました。

 
 日常生活からは、ほど遠い思考回路です。

 
 すぐに以前の自分に戻れないのは、充分に経験済みでした。


 この現実に気が付いたので、ゆっくりとこの夏は過ごしてゆきたいと思いました。


 →と、思うだけで、いつもそうならないですが…。これは、ねずみ年生まれの宿命でしょうか。



 今回の入院では、私より半年前に最初の手術を受けた、という同じ卵巣がんの患者さんがいました。

 「何回、治療はされたんですか?」と伺ったら

   
    「今が7回目。去年からドキシルで治療するようになっって、少し楽になったわ。」


 「えーー、すごいですね。大変でしょう?私なんか、4回手術で3回化学療法だから…。

  化学療法をそんなに受けたら、きっと持たないと思います」

 
    「手術4回もしたの?? 信じられない。私は無理だわ。化学療法だから続けられてるけど」


  なるほど、やはり一人一人違うんですね。

  
   「でもね、年と共に体力なくなっていくから、辛いわ。まあ、頑張るだけやるのみね」
   と、淡々とお話していかれました。


   がん同級生ですがお年は私より、四捨五入で10才くらい上と思われます。


  自分も大変ですが、やはり病気と共に長く付き合っている方が少なくないんだなぁ、と希望が持てました。

 
  レジメンもずいぶん多様化していました。

  新しいものから、古典的なものまで…幅広く使われていました。

  かなり、個別に考えて下さっていると感じました。


 『何でも新しいモノが良いわけではない』頭では理解できていても、奇跡を求めてしまうのは、人間仕方ないですね。


  もう一度、勉強していくつもりです。


 ということで、私のブログも「リハビリ期間、お休み」をさせて頂く予定です。


 あ、でもそんなに長くしない予定ですが…

  (もしかしたら、2・3日後にUPしてたりして…)

 
 一旦、気持ちを切り替えて続けていきたいと思います。

 今後とも、宜しくお願いいたします。


          *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


 本日のオマケは、「Trooping the Colour(トゥルーピング・ザ・カラー)」

 6月14日に行われたエリザベス女王の公式誕生祝賀式典の写真です。

  ※この行事では軍隊パレードが行われるので、このような名前で呼ばれているそうです。

 女王の実際の誕生日は4月21日ですが、晴天となりやすい6月の休日を公式誕生日に設定されているとのこと。天気が優先なんですね、お誕生日より。

6月の第1~3土曜のいずれかに行わる事となっていて、今年は第2土曜日の14日が選ばれて行われました。
 

 これは、たまたまロンドンに用事があって居合わせたウチの‘世界ほっつき歩き娘‘が撮った写真です。

 もう文明社会に戻れないかと思いましたが、それほどでもないようです。

 彼女は日本に帰って来てからの「リハビリ」に苦労するだろうな、と思っています。


  ’浦島花子‘の娘だから‘浦島梅子‘?でしょうかね。 

           おお、エリザベス女王! 昔の王太后様かと思っちゃいましたわ…

   
 
 
で、今の関心はこのお二人ですよね。






 では、今日はこの辺で。