やっと病院を退院して、家に戻って来ました。
長いようで短い32日間の病院生活…
何事も「振り返れば、あっという間の出来事でした」で済んでしまうのも、人生だと
新しい悟り(?)を開いてきました。
腫瘍マーカーは「11」まで下がり、一応治療は成功した見込みです。
→ ただし、本当に完全寛解なのか、一部症状を残したままの不完全寛解なのかは、3か月後のPET検査で診断されます。
まだ安心はできませんので、3週間後に検診に行って来ます。
下がった白血球も、何とか2000ギリギリで踏ん張りました。
治療が終わっても、少しの間は下がったままだそうなので「イエローカード」は持ったままです。
でもね「白い壁の四角い部屋」に戻らなくても良いので
『出所 バンザーイ!!』
と、ガッツポーズをとりました。
… 娘には「出所?退院じゃなくて?」と笑って突っ込まれましたが、
ルート確保も・点滴も・吐き気もない治療は、私にとっては初めてなので
「入院した」と言うより「世間から隔離された」感が強いです。
韓ドラでしたら『生の豆腐をかじって』病院を出てきたいくらいでした(笑)
しかし、家に戻ってきて自分が唖然・呆然・愕然…
もう笑うしかないような行動をしてしまい、
‘浦島花子‘になっていることに気が付いてしまいました。
①日にちの感覚がわかななくなっていた。
→ 8月3日の予定を、今週だと信じて疑いもしませんでした…
②TVのリモコンの操作が一瞬出来なくなった
③入院前に置いておいたものの場所を忘れた
④スマホの写真の撮り方を忘れた…
まあいま思いつくのはこの位ですが、この④には自分でも笑ってしまいました。
家の近くの梨畑では「梨の赤ちゃん」が大きなって、今では梅くらいのサイズになっています。
もう少し大きくなると、一つ一つ袋に入れられてしまうので「可愛い梨の子」を写真に撮ろうと
一緒にいた娘のスマホを借りました。
最近は下手なデジカメより、ずっと画素数が大きいのできれいに撮れます。
なので、ちょくちょく借りていました。
いつもの様に撮ったつもりですが、
「撮れてないよ、それ」と無表情で言うのです。
「え?なんで?」
娘は無言で画像を見せてくれました。
写っていたのは、私の太い指…
「おかあさん、カメラはねここにあるんだよ、ココ」と指さします。
「そんなこと知ってるよ」むっとしてと言い返すと
「こうやって、逆にしないと写んないでしょうが…」と向きを変えてくれました。
おお、何てことよ!「やだーー。そーだよね。なんか変だと思ってたー。ははは」
バツの悪い母と、どう対処していいか迷う娘…
しばし、気まずい空気がながれました。
「リハビリ必要みたいだね、お母さんさ」
「みたいだね」
「本当に忘れたんだ。何してるかわかんなかったのよね、初めはさ。まさか、とは思ってたんだけどね」
「自分で言うのも変だけど、病院に入ってると『病気のこと以外』考えることが少ないんだよね。
日常をすべて忘れないと、居られないんさ。少しの間、お許しくださいな」
「ふーん、そうなんだ。病気のことで頭いっぱいになるんだ。まあそうだよね。
別にいいよ。今に始まった事じゃないし。お母さんの身体が一番だから」
と、普通に会話して帰ってきました。
思い返せば「また再発か?」「化学療法だったら、持ちこたえられるか?」
‥等様々な頭をよぎることは、病気のことばかり2ヶ月以上考えて生活していました。
日常生活からは、ほど遠い思考回路です。
すぐに以前の自分に戻れないのは、充分に経験済みでした。
この現実に気が付いたので、ゆっくりとこの夏は過ごしてゆきたいと思いました。
→と、思うだけで、いつもそうならないですが…。これは、ねずみ年生まれの宿命でしょうか。
今回の入院では、私より半年前に最初の手術を受けた、という同じ卵巣がんの患者さんがいました。
「何回、治療はされたんですか?」と伺ったら
「今が7回目。去年からドキシルで治療するようになっって、少し楽になったわ。」
「えーー、すごいですね。大変でしょう?私なんか、4回手術で3回化学療法だから…。
化学療法をそんなに受けたら、きっと持たないと思います」
「手術4回もしたの?? 信じられない。私は無理だわ。化学療法だから続けられてるけど」
なるほど、やはり一人一人違うんですね。
「でもね、年と共に体力なくなっていくから、辛いわ。まあ、頑張るだけやるのみね」
と、淡々とお話していかれました。
がん同級生ですがお年は私より、四捨五入で10才くらい上と思われます。
自分も大変ですが、やはり病気と共に長く付き合っている方が少なくないんだなぁ、と希望が持てました。
レジメンもずいぶん多様化していました。
新しいものから、古典的なものまで…幅広く使われていました。
かなり、個別に考えて下さっていると感じました。
『何でも新しいモノが良いわけではない』頭では理解できていても、奇跡を求めてしまうのは、人間仕方ないですね。
もう一度、勉強していくつもりです。
ということで、私のブログも「リハビリ期間、お休み」をさせて頂く予定です。
あ、でもそんなに長くしない予定ですが…
(もしかしたら、2・3日後にUPしてたりして…)
一旦、気持ちを切り替えて続けていきたいと思います。
今後とも、宜しくお願いいたします。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
本日のオマケは、「Trooping the Colour(トゥルーピング・ザ・カラー)」
6月14日に行われたエリザベス女王の公式誕生祝賀式典の写真です。
※この行事では軍隊パレードが行われるので、このような名前で呼ばれているそうです。
女王の実際の誕生日は4月21日ですが、晴天となりやすい6月の休日を公式誕生日に設定されているとのこと。天気が優先なんですね、お誕生日より。
6月の第1~3土曜のいずれかに行わる事となっていて、今年は第2土曜日の14日が選ばれて行われました。
これは、たまたまロンドンに用事があって居合わせたウチの‘世界ほっつき歩き娘‘が撮った写真です。
もう文明社会に戻れないかと思いましたが、それほどでもないようです。
彼女は日本に帰って来てからの「リハビリ」に苦労するだろうな、と思っています。
’浦島花子‘の娘だから‘浦島梅子‘?でしょうかね。
おお、エリザベス女王! 昔の王太后様かと思っちゃいましたわ…
で、今の関心はこのお二人ですよね。
では、今日はこの辺で。