患者がわかりやすい「 卵巣がんの治療 について 2014 」  ~其の4~ | 卵巣がんになった`zaki‘の空間遊泳

卵巣がんになった`zaki‘の空間遊泳

2006年秋「悪性卵巣腫瘍の疑い」と告げられ、治療→再発転移を幾度も繰り返す。
◆受けた治療:手術4回・化学療法5ライン・放射線1回・がんカテーテル治療15回
◆現在: リムパーザ錠服用中
♫ 卵巣がんと長~くお付き合いしている、現役患者です。



患者さんにとって「医師との会話」は『緊張する事項』の上位を占めていることは、まず間違いないと思います。

 同じ地球の日本語の言葉だろうか? と疑いたくなるほどです。

「カガクリョウホウ」という言葉を聞いて「科学的な医薬品治療」だと思ったとか…


 そんな時は、アストラゼネカ社から出てい下記のサイトがお役に立つと思います。

   がんになってもーがん治療を、そのひと「らしい生活のなかで」
      ✿ http://www.az-oncology.jp/
 

   

   この頁の<がん医療用語検索>を使うと、簡単に調べることが出来ます。
   (リンクは貼れませんので、ご面倒でもこのURLからお入りください)

 それでは、本日のお題に入ります。

    ━─━─━─━─━─   ~ 其の4 ~   ━─━─━─━─━─

 早期がんでは、ステージングの正確さを期するためのみならず後治療を省略できる症例を抽出する観点からも、系統的な腹腔内および後腹膜腔の検索を行うことが推奨される(staging laparotomy)。

 進行がんにおいては、基本術式、staging laparotomyに加えて腹腔内播種や転移病巣の可及的摘出を行うが、できるだけ残存病巣が小さくなるよう努める(debulking surgery)。

 組織学的分化度(grade)は腺癌成分に占める充実性成分の割合によって定められ、

IA、IB期でかつgrade 1の症例に対しては後治療なしとして経過観察を推奨し

grade 2以上もしくは明細胞腺癌の早期がん、または進行期卵巣がんであれば、術後化学療法を行う。

         1)初回化学療法
































    卵巣がんに対する初回化学療法の標準治療はタキサン製剤とプラチナ製剤の併用療法で、代表的なものはパクリタキセルとカルボプラチンの併用療法(TC療法)である。

- 「がん診療UP TO DATE」より抜粋 -

       

              ^^^^^^^     ^^^^^^^^


 この上の文章をサッと読んでを見て、理解できる方はたぶん「がん医療関係者」以外におりません。

 町の薬局のオバサンである私も、病気になる前は‘さっぱりわかりません‘でした。


 では、これをどのように説明されたか思い出せる方がいらっしゃるでしょうか?

 『私はTC療法をしましょうって言われて、病院に行って‘されるがままに注射を受けて来たわ』

 という方が多いかと思います。


 お薬は何種類入れましたか?その前に飲まされたお薬などありませんでしたか?

 …ここまで質問されると、少しづつ病院によって微妙な違いが出てくると思います。


 実は簡単に四角の中に納まってはおりますが、深い深い内容が含まれております。

 本日は、この点について説明させていただく予定です。


  ✿第一に理解していただきたい事。

【化学療法は、1週間に1回、あるいは3週間に1回というように、決められたスケジュールで治療を行います

【化学療法の内容をレジメンといい、投与回数をサイクル(クール)と呼びます】


これを踏まえると、上の四角の中には下記の内容が書かれています・











(※1:についての説明
 
 「ケモ」とは、 化学療法を指す医療業界の用語。Chemotherapyに由来しています。


  「レジメン」とは ;本来は《養生法の意》

がん治療で、投与する薬剤の種類や量、期間、手順などを時系列で示した計画書のことです。

 ・治療の内容や手順が事細かに記載されているレジメンは、がん治療において不可欠なものです。

 ・抗がん剤治療レジメンには様々な種類があり、疾患に応じて薬を組み合わせています。

 ・これらは、それぞれの療法は使用する薬の頭文字をとって『TC療法・DC療法』などと呼ばれます。




(※2 ;投与量についての説明

少し専門的なお話になりますので、興味のない方はスルーしてください。

 ・どうしていつも「体重・身長」を測りなおすの?不満 ←体重計が嫌いなのは私だけ?

 ・初回には蓄尿をさせられるの?
 →これをせずに、血液検査のみの病院もありますし、薬によっては毎回必要であるものもあります。

 こんな疑問がある方などは、サラリと流してください。


 <抗がん剤には>

 ・抗腫瘍作用を期待できる用量
 ・臨床上問題となる有害作用(副作用)が現れる 用量

 の差(治療域)が一般薬と比べて非常に狭いという特徴があります


 そのため体内の薬物量のバラツキが原因となって、予測できない重篤な副作用(死に至るような)が現れることがあります。

 ★以上の理由から、

  抗がん剤の投与に際しては、その適応の有無・投与後の患者さんの注意深い経過観察とともに、

  それぞれの患者さん、に適切な投与量を決めることが求められます

 
 そのため『患者さんの身長と体重から体表面積を求め』それに合わせた抗がん剤の投与量を算出します。


 …私事ですが、3回目の化学療法を受ける時の体重測定には‘嫌~な体験‘をしました。

  実は2回目の化学療法後に、すごい耳鳴りに悩まされておりました汗

  耳鼻科に通い、まずくて有名な「イソバイド」という名の水薬を、身を震わせながら飲みましたが効果なし…

  耳鳴りは進み、左の耳はあまり聞こえなくなっていました。

 
  自身の経験でも、耳鳴りの患者様は‘大変苦労してお薬を飲まれますが、その割には効果なし‘と苦しんでいる方を幾人も見て来たので、このままではマズイ!!

  と、心療内科のDr.に相談しました。

  全員に当てはまるわけではないのですが、漢方薬で劇的に改善したり・うつ病の薬で改善したりすることがあります。→ 本当に一部の方ですが…

  「先生、何か耳鳴りが改善するようなお薬ってありませんか?」


  まあもちろん医師の実力が一番でしょうが、私の経験から言うと意外と心療内科の先生は‘薬に強い=それも適応外の症状に…‘という傾向があります。

  そして、薬を変更するアドバイスを受けました。

  Dr.「ダメもとで、一度試してみましょうか」

  「はい、ありがとうございまーす♥」

   
   が、いざ服用しようとして添付文書を読んでみたら、気になる副作用が書いてありました。

       「体重増加」  ギクッ衝撃

   正直悩みました。だって私、太りやすいんデス…。

      [耳鳴り] 天秤 [太る]

   
   結論は「気を付ければ、太らないかも。とりあえず、耳鳴りヤダ~!」でした。


   服用はじめて、症状はどんどん良くなりました音譜


   並行して、どんどん増えていきました。体重もダウン


   
   半年ほど服用し、耳鳴りは完治いたしましたので、薬も変更。しかし、体重は

   前回の化学療法開始時の時り、9㎏増えていました。とほほ…



   なので、体重測定後にのんびりベットでゴロゴロしていたら看護師さんに呼ばれました。

  「ざきさんすみません。薬剤部から『体重の再測定をして』って連絡来たんですよ」

  明らかに看護師さんは怒ってました。「私が間違えったっていうんかい!失礼な!」って。


  私は『あちゃ~、そりゃそうだ。自分だって問い合わせるさ、1年ちょいで9k変わってたら…』

  と凹みながらも看護師さんに「でもさっき、ちゃんと測りましたよね~」と、フォロー。

  看護師さんも「ホントですよ。ほら、ね。合ってますよね!」と大威張りで確認していかれました。



 こんな悲しい笑い話が起こるくらい、身長と体重から計算する体表面積は

  <化学療法の薬の用量を決めるのには重要>なのです。


  皆様には、この私の「ホントにあった笑い話」で十分すぎるほどわかっていただけたと思います。

  あ、でも今はね。この時よりはー5㎏しましたよ音譜 → 腸閉そくのおかげですが…


 あ、話を戻しますね。あと一つだけ説明させていただいて終わりにします。


 上から2番目、パクリタキセルはこの体表面積に基づいた用量です。

 でも3番目の、カルボプラチンは違います。これには理由があります。

 実は抗がん剤の中でも、カルボプラチンの投与量の決め方は特徴的なのです


 カルボプラチンの副作用である血小板減少は、体内の薬物量(AUC)と相関しています。

 さらにAUCは腎機能と相関しています。

 したがって、カルボプラチンの場合は 体表面積ではなく腎機能を指標として投与量を算出します。

 でないと、この副作用は命取りになることさえあるからです。


 以上で、今後も出てくるレジメンの見方をご理解いただけましたでしょうか?

 
 最後に卵巣がん患者にとって、とっても重要な役割をしてくれているカルボ君について紹介します。


  カルボプラチンの特徴

 カルボプラチンは第二世代のプラチナ系抗がん剤です。

 シスプラチンと比べると悪心・嘔吐や腎障害は軽くなったものの、血液毒性、特に血小板減少が強くなっています。

 一方、抗腫瘍活性はシスプラチンとほぼ同じであり、シスプラチンの代わりに使われることもあります。

 大量点滴が不要であり、投与時間が短く投与法も簡便なため、外来化学療法で好んで使用されます。



  花ありがとう、カルボ君。ドキドキ


        ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 本日もお付き合い有難うございます。


 私の放射線治療も、着々と進行中でもう折り返し地点を過ぎました。

 が、副作用の「白血球の減少」も地味に進んできています。

 月曜日で「2300」になっていました。黄色信号ですね。


 来週の採血時…2000は切るだろうな~、と思ってます。

 どうするのかしら?少々少なくても、勢いで進め!とするのかしら…


 私はいつも、この「白血球減少」で引っかかります。

 体質的に、下がりやすいんですねェ。仕方ないです。


 さあ、少しづつ身体は重く(体重ではなく)なって来ています。


 「頑張れ!私!。 東京オリンピックは、サッカーワールド大会よりずっと先だ!」

 
  と、さむらいジャパンを応援しています。