「認知症」の症状といっても色々な症状があります。しかしながらそれらの症状は、大きく「中核症状」と「周辺症状(行動・心理症状)(BPSD)」の二つに分類されます。それぞれの違いや特徴をきちんと理解し、対処することが大切です。

「中核症状」とは、脳が委縮し、認知機能が衰えることによってまず起こる認知症の本質的な症状を指します。記憶障害や見当識障害、抽象思考・判断の障害、実行機能障害、失認、失行、失語など、まさに「認知症」の人に現れる特徴的な症状です。

これに対して「周辺症状(行動・心理症状)(BPSD)」とは、中核症状が原因となって、副次的に起こる行動や心理の症状になります。

妄想、幻覚、不安、焦燥、せん妄、睡眠障害、多弁、多動、依存、異食、過食、徘徊、不潔、暴力、暴言などです。

「周辺症状(行動・心理症状)(BPSD)」には個人差があり、感染症や脱水などの身体的疾患や、薬物の副作用が引き金になる場合もあります。一方不適切な環境、不適切なケア、不適切な対応が原因で「周辺症状(行動・心理症状)(BPSD)」がより激しくなってしまうこともあります。

特に認知症介助士としては、認知症の方の言動が「中核症状」そのものなのか、それによる「周辺症状(行動・心理症状)(BPSD)」なのかをきちんと見極め、特に「周辺症状(行動・心理症状)(BPSD)」を極力少なくできるよう適切な対処を心掛けたいものです。

というのも「中核症状」は、初期の段階ならまだしも、ある程度進行してからは、残念ながらなかなか改善できるものではありません。しかしながら、「周辺症状(行動・心理症状)(BPSD)」についてはまわりの理解と適切な介助によって、かなり抑えることが可能です。とはいえ介助する側にとっても「周辺症状(行動・心理症状)(BPSD)」への対処はつらいものがあります。極力このような症状が出ないように適切な対応を心掛けたいものです。それでは次回以降それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。

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