先週から始まった「めざせ認知症介助士」のお話ですが、今週は「認知症介助士の使命」についてのお話です。

皆様は「認知症」にどんなイメージを持たれていますでしょうか?「新しいことを覚えることができない」「今起こったこともすぐに忘れてしまう」「自分の家もわからず徘徊してしまう」「一人ではなにもできない」「家族の顔すらわからなくなってしまう」…テレビ等で見聞きした情報からすぐに介護が必要な人をイメージしていませんか?もちろんやがてそのような状況に病気が進行することは事実です。

しかし、予備軍といわれる方を含め、ほとんどの方はストレスのない状況では誰の助けも必要とせず、普通に行動できるのです。むしろ、一緒に住んでいなくては気づきもしない軽度の状況の方がほとんどなのです。むしろ軽度の状況をできるだけ長く維持できるよう周りが上手にサポートすることが重要になります。

脳という身体の一部に不具合が生じ上手に機能できない状態が「認知症」であり、これは加齢により誰にでも起こりうる病気なのです。最も不安や恐怖を感じているのは認知症の本人にほかなりません。

「認知症介助士」の使命は、認知症の人たちの「できる部分」を理解しながら、「できない部分」や「できないとき」を知り、相手の不安な気持ちを受け止めながら、その行動をお手伝いすることです。認知症を正しく理解し、多様な症状に対し、人として敬意を持って接することが求められます。

たとえ「認知症」になったとしても、希望をもって生活していただける一助となるために、認知症の人の立場になって適切な情報提供と支援をしてゆけるよう「おもてなしの心と介助技術」を学んでゆく必要があります。そして、超高齢社会を支えていくにあたり、認知症である人々が安心して街中に出てきていただける環境、すなわち認知症の人を受け入れ、寄り添える環境を作ることをめざしています。

とはいえ、理想はわかっていても現実はきれいごとではすまされませんし大変な葛藤があることも事実です。ましてや家族・親子の関係ではますます激しい戦いの日々もあり得ます。だからこそ、事前に学ぶことが大切になります。あえて「認知症介助士」の立場に自分の身を置くことで、冷静に、心穏やかに対処できるのかもしれません。

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