こんにちは、佐藤真二です。



今日は、逆流性食道炎の仕組みについてご紹介したいと思います。



「そんな事言わずに、手っ取り早く効果のある方法を教えてよ!」



という事をお思いの方も、いらっしゃるかもしれませんが、
手っ取り早い方法(薬など)は、結構その場しのぎの対策というのが多いです。



ですので、あなたには根本的な改善方法を
ご理解いただきたいのでこういった内容からになります。



病気のメカニズム組みを知る事で、知らない事で色々膨れ上がりがちな
不安の塊が小さくなる場合もありますので、ぜひ最後までお読みください。



●逆流性食道炎が発症するための条件



逆流性食道炎は3つの条件が重なる事で引き起こされています。



まず、胃が元気で、胃液をたくさんつくれること。
胃が、強い酸性の胃液をつくれなければ、
逆流性食道炎になることはまずありません。



もうひとつは、胃液の逆流を防ぐはたらきに異常があること。



胃と食道のさかい目には、下部食道括約筋部
(かぶしょくどうかつやくきんぶ)と呼ばれる
ところがあり、胃液の逆流を防ぐはたらきをしています。



この部分は普段は強くしまっているのですが、
食べ物が通る時はゆるみ、つかえない仕組みになっています。



しかし下部食道括約筋部のしまりが弱くなり、
普段からゆるんでいると、胃の中のものが逆流
しやすくなってしまいます。



特に高齢の方は、下部食道括約筋部のしまりが
弱くなることがよくあります。



3つ目の条件は、食道から胃へ食べ物を運ぶ機能に障害があること。



食べ物が食道に入ると、食道の筋肉が動いて、
食べ物を胃へ運ぼうとします。
このはたらきを、ぜん動運動といいます。



ぜん動運動は、胃の中のものが逆流したときにもおこります。
逆流したものを胃に押し戻し、食道が胃液で傷つくことを防ぐのです。



また、だ液が出ることで、逆流した胃液を薄め、洗い流します。
ぜん動運動が弱まったり、だ液の分泌に異常があると、
逆流した胃液を押し戻したり、洗い流すことができなくなります。



すると、胃液は食道内に長くとどまり、食道を傷つけてしまうのです。



胃が胃液をたくさんつくれること、胃液の逆流を防ぐはたらきに
異常があること、食道から胃へ食べ物を運ぶ機能に障害があること、
この3つの条件がそろうと逆流性食道炎がおこるといえます。



このうち、胃液の逆流を防ぐはたらきの異常(下部食道括約筋部の障害)が、
逆流性食道炎をおこすいちばんの原因だと考えられています。



どうやら、単に胃酸を抑えたり中和するだけでは病状の
完治が難しいという事だけでもご理解いただけると嬉しいです。




次回は、『我慢すると大変です』をお送りします。