
グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 (幻冬舎新書)/夏野 剛

¥798
Amazon.co.jp
ぼくの評価




(タイトルの表現は過激ですが、ネットビジネスの注意点とポイントを的確に捉えていて発想も斬新)
本書はあまりにも過激なタイトルなので、
執筆者が夏野さんでなければおそらくスルーしていたと思います。
本のタイトルに攻撃的な表現やネガティブな表現を使っている本はぼくはあまり好まないので。
でも、その固定概念もどうやら覆りそうなほど充実した本でした。
素直に読んで良かったです。
では、本書の第1章で夏野さんが警鐘を唱える事柄を拾ってみたいと思います。
1.Webはあくまでツールであり、武器であり、手段である。
2.本業でダメな人はWebをやってもダメ。
3.Webでなにをしようか?ではなく、なにが必要とされるだろうか?に主眼を。
4.同じ商材でもWebビジネスとリアルビジネスは別物として考える。
5.企業のトップマネージメントによるネットへの無理解による格差。
6.ネットショップの商品は、必ずリアル店舗より安くする。(流通コストがかからないから)
7.リアルからWebへシフトすることへの危機感から生まれる組織的な弊害や懸念。
8.ネットリテラシーの高いユーザーに建前は通用しない。
特に5は影響力が大きく、理解のない経営者には退陣を迫ってもいいとまで言っています。
ネットの世界でなにが起こっていて、自社の経営にどこまで影響を及ぼしているか?
せめてその影響と対策くらいは把握しておくべきだとぼくも思います。
次に第3章「ウェブビジネスの未来」について要所を拾ってみます。
1.ネット広告がこれまで伸びなかった理由は、管理が大変だから。
2.ネット広告の革命は「広告効果がない」ということをクライアントが瞬時に細かく把握できるから。
3.商品を売りたいがためにマスとしての効果が高いTV・新聞だけに大金をはたいて出稿する効率の悪さ。
4.電子マネーがウェブビジネスを加速させる。
ここでは特に2に基づく3といったところでしょうか。
Webマーケティングという言葉が定着してかれこれ数年が経過します。
しかし、その有用性を深く理解して戦略的に使いこなしている企業がどれほど存在するのか。
確かにそこには疑問が残ります。
特に一番勘違いされているであろう事実に、WebマーケティングはWeb上のマーケティングを行うものだと思われている点です。
正しくはWebというツールを用いてあらゆる分野のマーケティングを行う、が正しいかと思います。
あらゆる媒体の広告効果を数値化することのできるWebマーケティングは媒体・メディアにとっては驚異でありますが、なによりそこに資金を投じるクライアントにとっては百人力のアイテムといえるでしょう。
いくつか夏野さんの本を読んできましたが、ここまで挑戦的な論調なのは初めてですね。
よほど物申したかったのでしょうか。
切り口は面白いのでさすが夏野さんだなって感じはしますが。
個人的に夏野さんのファンだという方は読んでみてください

きっと満足しますよ

