会社は2年で辞めていい | ビジネススキル向上のための書評ブログ

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日々の読書で感じたITやテクノロジー、経済などビジネスに関する様々なジャンルの書物を独自の観点で評価していく書評ブログです。

第6回となる今回は過去になんと12回もの転職を繰り返し、現在は「楽天証券経済研究所客員研究員」でテレビや雑誌などのメディアにも多数の露出をして活躍中の「山崎元」氏の著書です!!


会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書 (や-3-1))/山崎 元

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ぼくの評価☆☆☆
(若干上から目線でモノを言っている印象があり気になった。・・・が、転職を考えている人にはためになります)


ひとつ読む前に理解しておいて欲しいことは、山崎氏が東大出身でありさらに非常に優秀な方だということ。

確かこの著書ではなかったと思うが(記憶があいまいですいません苦笑
転職において「学歴」というモノサシはあまり効力を発揮しないらしい。
それよりもこれまでの仕事の働きぶりやどれだけの成果を出しているかのほうが数倍大事だとされているようです。

しかし東大出身者だけは扱いが別格らしいです。
理由はそれだけ東大は入学するのがずば抜けて難しい大学であり、相当な努力が必要となるからです。
つまり、東大出身者=常日頃努力することができる人材という評価になります。

(早稲田大学、慶応義塾大学、京都大学などある程度のブランド価値のある大学は、会社によっては優遇される場合があったりなどあくまでも会社によるので、その点も前提として理解して欲しいと思います)

というわけで12回の転職というのは常識的に考えて不可能もしくはいずれ失敗する可能性が高いのではないかとぼくは考えています。

著者です


本書のポイントは、簡単にいうと「自分会社の経営」です。

つまりどういうことかと言うと、今所属している会社を想像してみてください。
たいていの場合は○○会社○○部に所属している自分となりますよね?

ではなく。

たとえばあなたの名前が佐藤さんだったら、佐藤会社という仮想の会社を想像してください。その代表取締役はあなたです。
ちなみに従業員はいません。あなた一人の会社です。

その佐藤会社の最大の目的は「幸せな人生を送る」というビジョンがあります。
これは誰の場合でも変わりません。

そしてAという部署に最初所属していたとしましょう。
はたらいていくうちにBという部署にどうしても移りたくなりました。

これが「転職」です。

もしくはA部署に所属していたら、会社の都合によりA部署はなくなることになりました。

これが「リストラ」です。


そしてココが最大のポイント!!

A部署で誰よりも努力して成果をあげていたあなたはA部署が解散することになった途端、B部署とC部署から「うちの部署で働かないか?」と声をかけられます逃げ足

もちろん同じ会社ですから、そういう情報って自然と社内全体に広がりますよね。

この状態です。
この状態が大事だと筆者は強く主張しています。

佐藤さん(仮名)は仕方なくA部署からB部署に移ることにしましたが、もちろんC部署もあなたを待っていたわけですから、仮にB部署がなくなってもC部署に移動できる可能性は高いでしょう。

超高層ビル


自分会社を経営しているあなたは、常に世の中の動向や売上を上げる努力をしなければ自分会社を継続できません。


(ここからは本書を読んだぼくの主観です。ぼくも上から目線でモノを言っていたらすみません)


よく世間では35歳を超えると転職は厳しいといいます。
実際、転職した人はご存知だと思いますが募集年齢30歳までとか35歳までという求人が多数あります。

でもそれはなんの人脈もつてもなく真っ白な状態で転職をした場合です。
そして募集内容の大半は一番下っ端からの再出発という待遇の場合です。

35歳。
よく考えてみてください。

このくらいの年齢まで仕事をすれば、なにかしらの形で外部に仲のいい人や良好な信頼関係を築いているでしょう。

これを利用しない手はないし、仕事がデキる人や人脈形成のうまい人はこの35歳という世間一般的なボーダーラインなど関係ないのです。

そういう人脈をフルに活かして相談すればなにかしらのアクションが待っているのではないでしょうか。

その中でも本当に仕事のデキる人は、自分の会社を飛び越え、広く様々なところに噂が自然と広がるものです。
(現にこの筆者は最後の転職のとき、出版社から本を出したりもしていたことが大きな相乗効果を生んだと言っています。その本を関係者の方が読まれたのですね)

また取締役、部長などある一定の地位で実績を挙げられた方であれば勝手に声がかかるようになると思います。

現実に会社で新任の取締役などが選出された場合、年齢など関係ないように思えませんか?

つまり、ひとつの会社に所属しながらも常に自分目線で状況を観察し、関係先やあらゆるところに自然と自分を売り込んだり、また仲のいい人からその会社がどんな会社かを聞き出すなど情報を仕入れたりすることが大事だということだとぼくは思います。



以上、私の主観も交えてしまいましたが要するに、

仕事のデキる人はどんなに歳を重ねても転職市場に需要はあるし、逆にこれを若いうちに形成できないとある程度の年齢を重ねてからA部署が解散となった場合孤立してしまい自分会社が倒産に追いやられてしまう可能性があると本書では説いています。

ビジネスの世界を渡り歩く。会社を辞めるという行為にそんなに臆病にならなくてもいいのではないか?
なぜならこんなに転職が当たり前となった時代に優秀な人材はいくらでも会社は欲しがるのだから。

そんな風に本書では力説しています。