2010年05月16日 11:38 ンチャ ミクシイ健康情報から
■男性は女性のなんと4倍
49歳以下の100人に1人以上が「大人の引きこもり」になっているという調査が発表された。内閣府が今年2月に開いた「ひきこもりを考える」公開講座の中で20~49歳の成人1660人を対象に調査したところ、平均1・2%がこれまでに「引きこもり」を経験。さらに、男性の引きこもりは女性の4倍に上るという。いまや「引きこもり」は思春期特有の問題ではない。
このところ大人の引きこもりによる家族殺傷事件が相次いでいる。4月17日には、愛知県豊川市で、引きこもり状態の長男、岩瀬高之容疑者(30)が父親ら一家5人を殺傷。この5日前にも、北海道北見市で、引きこもり状態の23歳の長男が両親を殺傷した。
『はじめてのひきこもり外来』(ハート出版)の著者で、新潟県の「佐潟荘」で「ひきこもり外来」を開設する中垣内正和医師は、「暴力行為自体は、引きこもりの半数くらい。50~100万人といわれる引きこもりの中、年に5件から10件くらいが殺人事件として表面化しています」とし、今回のような殺傷事件に至るポイントとして「長期化」があるという。
「引きこもりが長期化するにつれ、体がガタガタになってくる。人柄も歪み、パーソナリティー障害も起きやすい。極端な運動不足と栄養の偏り。精神生活の刺激もなく、社会性がなくなる。中には、骨折しやすくなったり、声が出なくなったりする人もいます」(中垣内医師)
佐潟荘で10年間に、約190人の引きこもり当事者を診察、そのうち8~9%は、15年以上引きこもっていた。また、仕事を辞めた引きこもりは4分の1を占めるという。
大人の引きこもりが増える理由として中垣内医師は、「日本人の心の性質があるのではないか。まじめでデリケート。対人関係に敏感な人に多い。逆に、ドライな人は、引きこもりにはなりません。不安障害やうつ病、発達障害の人もなりやすいと最近、言われています」と説明する。
男性は、女性の4倍に上るとの報告もあるが中垣内医師は、「男のほうが感情を出しにくい。今回の容疑者も30歳で、男として最も性欲が強い時期で攻撃性が出てしまう。ネットの刺激にもさらされる。医療、保健、福祉が総動員体制で対処しないと、悲劇は繰り返されると思います」と話している。
2010/05/13 07:16更新 産経ニュース
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/health/390351/