2009年9月3日 日経
厚生労働省は2日、2007年度に病気やけがのために医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が前年度に比べて3%増の34兆1360億円と過去最高になったと発表した。高齢者の増加や医療技術の高度化で1人当たりにかかる医療費が増えたためで、08年度はさらに増加したとみられる。民主党は今後、医療体制を拡充する方針だが、財源確保の明確な道筋は現時点では示していない。
国民医療費は治療に充てた費用が対象で、健康診断や予防接種などは含まないが、1年間にかかった医療費全体の指標として使われることが多い。厚労省は「高齢化の影響だけで国民医療費は5000億円程度増えた」とみている。
1人当たりの国民医療費も3%増の26万7200円で過去最高となった。国民医療費に占める65歳以上の比率は52%と、前の年度を0.3ポイント上回った。国民所得に対する国民医療費の割合も9.11%と0.24ポイント上昇し、過去最高となった。(07:00)