JAコンクールで禁止している美濃紙って?? | 茨城県ひたちなか市市毛 書道教室緑風会 佐久間しょうげつ 水戸市 那珂市 

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夏休み宿題コースをしていて、毎年あるお話です。


JAコンクールの注意書きには、「美濃紙を使用しないこと」と書かれています。


美濃紙(みのがみ)→「みのうし」と読んでしまい、「美しく墨が濃くにじむ紙」と勘違いをし「練習用の白いツルツルの紙以外は使用してはいけない」と勘違いをされている小学校の先生も多いようです。


練習用の白いツルツルの紙というのは、よく文房具屋さんなどで売られている、100枚100円くらいのツルツルの紙のことです。


普段、教室では、学童用の半紙を使用しております。大人用の紙ほど茶色くはありませんが、一番安い100枚100円くらいの紙よりは少し黄ばんでおります。値段も100枚330円くらいで、100枚100円の紙に比べれば上質ですが、ごくごく普通の安い紙です。


その紙で書いた作品を去年提出した小学生が、「その紙は美濃紙だからコンクールの代表にはできない」と言われたそうです。


この話、毎年必ずあるよくある話です。


私も、そういうトラブルをできるだけ避けるため、できるだけ白い紙を苦労して探して夏休みは使うようにしていますが、それでも通用しないようで、練習用の一番安いツルツルの紙でないとだめだと言われてしまうそうです。


先生曰く、「普通の紙で書いてください」と言うそうです。


あの紙は普通の紙ではなく、書道の先生の多くが半紙とは認めていない、最低の紙なんですけれどね。


もちろん、すべての学校ではなく、ごくごく一部の学校の話です。


でも、毎年必ずある話です。


美濃紙というのは、美濃の紙で普通の半紙より少し大きめのサイズです。主に、サイズの問題を言っているのだと思います。普通の半紙のサイズであれば、どんな半紙でも良いという意味でJAは書かれているのだと思います。


(茶色などのせんが入った半紙もさけたほうが良いようです)



念のため、今年はJAに電話をして確認しました。すると、その見解で間違いないということでした。


「美濃紙を禁止しているだけで、半紙の質の上級、中級、は問いません。」

「白、クリームがかっている色、どちらでもかまいません。」

ということでした。


逆に、「学校がそのような勘違いをしていると、児童生徒がせっかくがんばって書いた作品が、そういった勘違いにより出品できずにいるという現状を知りませんでした。貴重なご意見ありがとうございました。」

とのことでした。


おそらく逆に、100枚100円のツルツルの紙で書いた作品は、学校の審査では通るかもしれませんが、県や全国の審査になったときには通らないかもしれません。


私も、高校生や小中学生のコンクールの審査に携わったことがありますが、あのツルツルの紙の作品は、「こんな紙で書いて出して・・・ぁ・・・。」と審査員の先生方ががっかりして、ボツにされてしまうのが現実です。


JAコンクールでは、入賞作品は、表装して展示されますから、ツルツルの紙では表装に適さないのも事実です。


ツルツルの紙は、墨もあまり吸収しませんから、墨色が悪く、良い作品にも見えません。


そして、安い紙ほど、数ヶ月という月日がたつと、

だんだん汚れたように黄ばんできたり、墨色が薄くなってしまうものです。


JAコンクールは、夏休みに書いた作品を審査して、展示するのは冬です。数ヶ月先なわけです。


そうなると、ある程度(100枚300円~)の紙のほうが良さそうです。


「どういった紙質の半紙に書かれたものが入賞しているかということにはお答えできませんが、美濃紙以外の半紙でしたらどんな紙質でもかまいまん。」

というJA側のお話でした。


「本来正しい紙で書いたものが選ばれず、間違った紙で書かれたものが学校代表になり、そして全国審査ではそれは逆に選ばれないというのは、小学生がかわいそうですね。」

というお話でした。


JAコンクールは、全国の小中学生から応募のある人気のあるコンクールですが、学校代表の数名しか応募できない決まりがあるため、学校の審査に通らないと、県や全国の審査を受けられません。そのため、まずは、学校の先生の審査に通らなければならないのです。


このような記事を書くことをちょっと迷いましたが、「毎年毎年、学校でも全国審査でも両方で通るような、白くてある程度の質の紙を苦労して探している自分って何なんだろう」と正直思ったり、毎年毎年説明しなければならないなんて・・・という思いもあります。


そして、何より、一生懸命書いた作品が、勘違いのためにボツにされてしまうというのはかわいそうです。


ネットでも辞書でも調べられますし、JAに問い合わせすることもできます。


きちんと調べてあげてください。


次に多いのが、「紙は折ってはいけない」という勘違い。紙は折ってはいけないと思っている方も多いようで、折ってしまったからコンクールや芸術祭に出品できないと言われることもあるそうです。


こちらの内容は、別記事 にも書いています。


JAのよくある質問にも「紙は折って良い」ときちんと書いてあります。確認してください。


こちらもあまりにも多い勘違いなので、今年から線入りの下敷き4種類×8枚を用意し、紙を折らないで書くようにしました。


できるだけ白い紙を探すのに苦労したり、線入りの下敷きを何種類も何枚も用意したり、すべては、一生懸命書いた作品が、勘違いで選ばれないということをなくすためですが、勘違いさえなければこのような苦労をしなくても済むのでは?と思ってしまいます。


「美濃紙事件」や「半紙折らない事件」が起きたら、こちらの記事を見せてくださいね。


令和5年追記‥

今年度より、JAコンクールの募集要項から「美濃紙」の文字が消えました。

実は、こちらの問題、私が小学生のときにも話題になり、私は40年近く前から気になっていた問題です。(私が小学生のときの担任の先生は、「美濃紙」について広辞苑で調べてくれました。)

JAに問い合わせもしたので、検討していただけたのかもしれません。




ですが‥

とある市の市の芸術祭、県の芸術祭の募集要項からはまだ「美濃紙(みのうし 黄色く黄ばんだ紙)は使用しないこと」という文章が消えていません。現在ではこちらの市のみこの文章が消えていないように思えます。こちらの市の小学校の先生にも何人か伝えましたがまだ消えていません。早急な見直しをお願いしたいです。


「100円ショップの半紙は使用しない」

とも書かれています。

最近は、練習用のツルツルの紙よりも、100円ショップの半紙の方が上質ですから、あくまでも一番最低な練習用の半紙しか認めないという学校側の姿勢には疑問です。