こんにちは。美文字をできるだけシンプルな理論にしたいと考えている、筆耕士で書道家の清水克信です。

 

毛筆の場合は、毛筆という道具にも慣れる必要がありますが、ペン字はひたすらに字形を整えるだけです。

 

そんな字形をかっこよく綺麗に見せるための方法をできるだけ簡単に、そして再現性を高くしたいと考えています。

 

 

美文字の3原則

 

書道家さんや美文字の本によっても異なりますが、美文字には3原則があると僕は考えています。

 

・隙間の均等

・やや右上がり

・右下重心

 

この3つさえ意識すれば、字形は整いますし、少なくても汚文字にはなりません。

 

まず、これを前提として、話を進めます。

 

 

注意すべき方法

 

色々な人が提唱している美文字の理論ですが、ちょっと注意した方がいい方法があります。

 

それが「打ち込み」です。

 

※美文字に打ち込みは危険

 

打ち込みとは上の画像のような書き方ですね。結構、美文字にするには打ち込みが必要と考えている人が多いようです。

 

確かに、打ち込みすると書道っぽく見えます。一見、上手そうに見えます。

 

しかし、僕はペン字や硬筆に打ち込みは必要ないと思っています。というか、意識的にはやらない方がいいです。

 

 

打ち込みの危険性

 

※打ち込みの危険性

 

打ち込みは本当に危険です。

 

単純に打ち込みをすると、線がズレるのです。上の画像で言うと、ピンクの線が本来の画なのに、打ち込みするとことで、線の場所がズレます。

 

これを理解していればいいのですが、理解していなくて「美文字には打ち込みが必要」と考えているのなら、かなりまずいです。

 

 

美文字の超基本

 

冒頭に「美文字の3原則」を紹介しましたが、それ以前に美文字には超基本があります。

 

※縦画はまっすぐ

 

※横画はまっすぐ

 

それは、縦画はまっすぐ真下に、横画はまっすぐ真横に書くことです。当たり前ですね。

 

ところが、これが意外に難しくて、自分は真っ直ぐに書きたいのに斜めに曲がったり、カーブしてしまったり、自分の思うように引くことができません。※画像の線も曲がっています( ̄∇ ̄)

 

だから、美文字の練習には枠付きのノートや用紙が効果的なのです。枠をガイドとして、真っ直ぐ線を引くのです。

 

 

わかった上での美文字

 

真っ直ぐの線が前提で、それをわかった上で、美文字の3原則を実行します。

 

隙間の均等

 

※隙間の均等

 

やや右上がり

 

※やや右上がり

※このままでは右上に吹っ飛ぶのでダメだけど、右上がりの功罪はまた後日記事にします。

 

右下重心

 

※右下重心

 

あとは、枠の中心に書くとか、文字のセンターを合わせることを意識していきます。

 

 

打ち込みの功罪

 

打ち込み自体は悪いことではありません。ただ、美文字は打ち込みありきと考えるのが危険ということです。

 

特に書道経験者の場合、打ち込みが入ることはよくあります。それは全く問題ありません。考え方として、打ち込みは「入っちゃった」くらいがちょうどいいのです。

 

ほんと、美文字なんて上手く書こうと思わない方がいいです。

 

例えば歌だと、ビブラート・シャクリ・コブシ・・・、これらのテクニックの前に、ピッチとリズムを磨いた方が良いのと同じです。音程が悪いのにビブラートがワンワンしていると騒音にしかなりませんので。

 

ひたすら真摯に字形を整えることだけ考えましょう。それの方が簡単ですしね。

 

おわり

 

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