こんにちは。田中孝一です。



3月末で転職することになりました。


4年間、塾の経営に携わり、非常に濃い経験ができたことに感謝しています。


今度は、塾とは異なる業界ですが、塾で生徒・保護者の方と接して学んだことを活かせる仕事です。



実は、大学生の頃からとてもお世話になっている方が、スゴイ方で、とても尊敬のできる方です。


その方は、親の七光りなどではなく、自分の実力で努力している方で、結果を出しています。


その方のご家族にも一生感謝して生きていくつもりです。



ということで、


また一から勉強しなくてはいけない面もあり、いそがしくなるので、ブログの更新は月に1回かそれ以下かどうかも未定です。


こんにちは。田中孝一です。


少し前のものですが、こんな記事がありました。

塾の現場にも当てはまる記事です。




大学生の主体性と創造力に不満
経団連の調査に 600企業が回答
朝日小学生新聞 2011年2月12日付


最近の大学生には、自ら進んで物事に挑戦する主体性や新しい発想で取り組む創造力が足りない――。産業界にこんな不満があることが日本経済団体連合会(経団連)のアンケートでわかりました。去年9~11月に経団連の会員企業など約600社が回答しました。

 大学生に不足している素質をたずねたところ、「主体性」が約88%(複数回答)で最多。能力・知識面でもっとも足りないのは「創造力」で約68%(同)でした。また、会社が採用するときに重視しているのは「主体性」「コミュニケーション能力」「実行力」でした。

--抜粋終了--


日本人の国民性もあるかもしれません。


楽器でもそうですが、ドイツやオーストリアに留学に行くと、自分で学ぼうとする主体性のある人が多く、そういう方たちは上達のスピードも違います。


日本人は、あらゆる分野で、先生に習う際、何もかも教えてもらおうとする傾向があるのかもしれません。


バイトでもそうです。


・言われた事しかやらない。

・マニュアルで習った事以外はやらない。


やらなくていいための理由、怒られたときに自分を守る言い訳として、「習っていない」とよく言います。


やり方がわからなければ、「このやり方教えてください!」とでも言ってくるのであれば良いのですが。


習った公式、マニュアル、説明書をそのままスライドさせる事しかできなければ、応用力がないという事になってしまいます。

(昨日の記事の「抽象度をスライドさせるだけではいけない」というものに通じます。)



塾でも、「習ってないから。」という生徒のセリフをよく聞きます。


かと言って、習った事、言われた事がきちんとできているかというと、そうでもありません。


もちろん、習っていないのに「酸素分子はO2って書くんだぞ。小学生でそんな事も知らないのか。」なんて言われたら、知らないに決まってます(笑


しかし、ここでしているのは、そういう次元の話ではありません。


習っていない事、知らない事に出くわしたとき、


「またひとつ勉強になるぞ」と考える人と、


「習ってないから、できないよ。」とあきらめる理由にする人がいます。



後者は、言い訳として習ったか習ってないかの話に持ち込むのです。



仕事、勉強、掃除などの、

面倒くさい事・やりたくない事を一緒にやると、特にこういった側面が表に出やすいので、その人の心の強さがわかります。


やる気がそれほどなくても、憎めない良い奴!?もたくさんいます。

向上心がないから人間性を否定するわけではないのですが、それが迷惑をかける場合は、やはり改善しなくてはいけません。


それを伝えるこちら側にも、主体性をもって伝わるような言い方を考える実行力・コミュニケーション能力が試されているのかもしれませんね。


こんにちは。田中孝一です。


今回はあえて難しい内容を書きます。


東大やその他ハイレベルな学校の入試問題を見たことはありますか?


とても抽象度が高いです。


抽象度って何?という過去の記事はこちら。


上位校は「このレベルの文章が理解できないと、入学してからついていけなくなるよ」と生徒を試しています。


入試を見れば、学校側がどういう生徒を欲しがっているかわかるのです。



◆抽象語で差がつく


上位校を目指す生徒にこのように話します。


「抽象的な文章は難しい。どこを読んでも抽象的なことしか書いていないこともある。文章を理解できていないのに、ごまかそうとして本文を切り貼りするだけでは、抽象度がスライドして終わってしまう。そういう解答は入試では×になります。」


そのあと、問題にします。


【問い】 「抽象度がスライドして終わってしまう」とはどういうことか?具体的に説明せよ。


最初はほとんどの人が答えられません。



「たとえば、のあとは具体例が書いてあるよ」

「結論は最初か最後だよ。」

「なぜ?と聞かれたら、~だから。と書くんだよ」


という取扱説明書のような最低限の解法を説明して終わらないように気をつけています。


また、「セミの一生」という説明文を授業で取り扱ったときも、セミに関する雑学が手に入るのですが、それで満足して終わってしまってもいけません。


もちろん、これはこれでマイナスにはならないので、充分ためになると思います。


しかし、上位校を受ける場合は、それだけでは厳しいです。



練習を重ねると、高校受験、大学受験の生徒でも、抽象度の高い会話・文章を理解できるように成長していきます。


講師

「人間性を尊重しよう、でも、やる気も尊重しようって言う場合、あたかも人間性・やる気を前提として話を進めている。いつから人間性・やる気っていう言葉が出てきたのだろうか?考古学的視点をふまえないと、解釈学的になってしまう。視野も狭くなる。」


生徒

「具体性があまりないと、やっぱ難しいですね(笑)それって、こういう事ですか?例えば僕だと、過去の記憶が正しいと思ってたら違っていて、でも自分はそれを気にせず現在を生きているって思ったことがある。前提の部分を疑わないんですよね。」


生徒は、「解釈学的」などの用語が分からなくても、実体験に結び付けて、具体的な話として理解しようとしています。


この内容は、フランスの哲学者の考えをふまえてあえて難解なままの状態で話したのですが、本人たちは哲学者のことは知りません。


でも理解しようとしているのです。


国語の文章題では、「次の文章を読んで答えなさい。」と書いてあります。

前もって作者について知識を頭に入れておく必要はなく、書いてある文章だけで解けるようになっています。


練習をすると、生徒は、以前よりも吸収する力が上がっているのを感じるようです。


同じ授業、同じマンガ、同じドラマ、同じ雑談を体験しても、得るものが人それぞれ全く違うのです。


それが小学校から大学生、社会人にでなったあとも一生続くので、差がつくのは当たり前かもしれません。



わざと話を小難しくする人は、具体例を出しません。

個別指導では、相手によってわかりやすさを調整しなければいけません。

具体例を出しすぎると、分かる人にはクドい説明になってしまいますから。


抽象語で差がつく話でした。