「この愛のために撃て」感想 | 新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~

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 ハリウッドリメイクでも話題となった「すべて彼女のために」フレッド・カヴァイエ監督最新作。誘拐された愛する妻を取り戻すため、最悪の状況で孤軍奮闘する中年准看護士の姿を描、くアクションサスペンスムービー。


 正直、ここ最近の単館系とフランス映画にはピンとくる作品がほとんどなかったが、これは久々の大ヒット。今のところ、今年観た映画ベスト3に入る出来。文句ナシの傑作!!

 元特殊部隊でも国際情報局のエージェントでもない、ごく普通の冴えない男が主人公なだけに、降り掛かる災難の数々や、待ち受ける困難に対して「これにどう対処するのか、どうやって切り抜けるのか」というハラハラドキドキ感が素晴らしく、同時に、普通人らしい小市民的行動と、それゆえに時折見せる大胆不敵な言動に、終始手に汗握りっぱなし。
 また、1時間半弱という短い尺の中に、二転三転の逆転劇をこれでもか!と畳みかけ、こちらがあっけに取られているうちに次へ次へと展開していくスピーディーさ、それでいながら、各エピソードをちょうど良いさじ加減で構成させる手腕は見事。
 特に、誘拐された主人公の妻がいつ陣痛が始まってもおかしくない臨月の状態にあるというアイディアは特筆モノで、不謹慎ながら、物語に格段の緊張感を与えるスパイスとして、最高の効用を発揮している。
 

 小生が個人的に絶賛したいのは、キャラクターポジショニングの絶妙さ。主人公をはじめ、彼と行動をともにする殺し屋や、彼を追う警官達、さらに事件の黒幕と、それぞれの背景描写を最低限最小限、しかし丁寧に汲み取りつつ、機能的に動けるよう計算し尽くし配置されている。
 あんまり書くとネタバレになってしまうのだが、善玉(?)と悪玉の主要人物が、シンメトリーのように比較対象的に置かれている点も注目したい。
 分かりやすく、それでいて良質な人間ドラマを生み出すと同時に、その中心部にいる善良な一般市民代表である主人公が、愛する妻のために悪と手を組み、悪党の最たる存在である殺し屋が、結果的に善良な人間に手を貸すというこの相関構図が、暴力と悪意に待ち溢れているはずの本作を、まるで上質な純文学であるかのように錯覚させてしまう薫りを生み出す素になっていると、勝手に推測してみる。

 
 様々な思惑と、複雑に絡み合った事件・陰謀のごった煮カオス状態の中にあって、主人公の妻に対する無償にして無尽蔵の愛情が、この物語を支える一本の強固な柱として、ズシンとど真ん中に聳え立っている辺り、いかにも恋愛大好き・フランス人らしい。
 もし、本作を日本でリメイクするなら、主役には大森南朋さん、殺し屋には宇梶剛士さんか石橋凌さんをお願いしたい。カミさん役には…、壇れいさん?悪の親玉には、どちらでも演じ分けられる堤真一さんが適任だろう、ウン。


 唯一不満点があるとするなら、「この愛のために撃て」というこの邦題(ちなみに原題は「A bout portant」。直訳すると「至近距離から」) 。
 別にストーリー上ネタバレにならないと思うので書いてしまうが、タイトルになるほど主人公はピストル使ってないし、どちらかというと走ったり逃げたりの方が多かったはず。
 しかし「この愛のために走れ」では語呂が悪いし、「愛のために走れ」ではマラソン映画みたいになっちゃうし、かと言って「この愛のために逃げろ」ではあまりにカッコ悪い。
 いっその事、ひっくり返して「走れ、この愛のために」では…いや、やっぱりしっくり来ない。最近では、邦題で客の獲得に失敗する作品も多いので、もう少し捻りの効いたタイトルにしていただきたかったが、まあ、これが妥当といえば妥当なのかなぁ…。


 さておき。ムダを極力省き、必要最低限の取捨をしながら、一級のエンターテイメントとして仕上がった、至上の一本。まさしく、味わう人のために計算され尽くされた最高級フランス料理のフルコース、あるいは、良質なブドウのうまみを凝縮したボルドー・ワインのような映画だと評したい。
 …まあ、両方とも食った事も飲んだ事もないけど。

 とにかく、劇場鑑賞の機会がある方は、迷わず足を運んでいただきたい。もう一度書く。文句ナシの傑作!


 そんなわけで、小生のこの映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★++

 星4つプラスプラス!!



 しかし余談だが、あの主人公のカミさんのキッスの求め方はドエライ可愛かった(笑)。あんな誘い方をされれば、世の男性諸君はイチコロに違いあるまい。もちろん、相手にもよるけゲフンゲフン。ああいうところが、島国日本と広大なユーラシア大陸との差なのだろうか。
 う~む、侮れん。(何が?)




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 つーか小生、ボジョレー・ヌーヴォーなんて生まれてこの方一度も飲んだことないなぁ。
 まあ、買ってまで飲むほどのモンとも思えんし、どっちかってーとワインより焼酎の方が好きだし、それ以前に今禁酒中で飲めないし、別にいいや(涙がキラリ☆)。


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