「DOG×POLICE 純白の絆」感想 | 新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~

新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~

 映画レビューだったり、ヲタ話しだったリをゆるく更新。
(ウェブリブログに引っ越しました。こちらはリンク置き場となっております)

$新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~

 「海猿」小森陽一原作。辞令により警視庁警備部警備二課装備第四係に配属された若き警官と、彼のパートナーとなる警備犬との絆と成長を描く。

 恥ずかしながら、本作を観るまで警備犬なるモノの存在をまったく存じ上げなかったが、何でも犯人制圧から災害救助まで幅広く活動できるよう訓練された犬で、新潟中越地震四川大地震でも活躍したそうな。
 ちなみに、wikiによると本来の所属先は第四係ではなく第三係がそれに相当するとの事。
詳しくはコチラ

 それはさておき。
 冒頭の爆破シーンと逮捕劇はなかなか良く、これは本編も期待できるかと思いきや、全編通してまともなのはそこだけ。あとは今日日広島パセーラでもそんなバーゲンセールやってねぇよってくらいの、お約束とテンプレートと御涙頂戴劇の詰め合わせで、特に目新しさはなし。替わりに残念さばかりが目につく、非常にやるせない内容だった。

 協調性に欠けるが正義感が人一倍強い熱血警官、とまあ、よく言えば市原くんの十八番的役どころ、悪く言えばお決まりパターンのキャラクターはこの際置いといて、せっかく警備犬という珍しい題材を扱っておきながら、それを生かしたストーリー構成がほとんどなされておらず、終始どっかで見聞きした展開をつなぎ合わせたような印象を受ける。
 あまり知られていないからこそ、警備犬がどのような仕事をするのかを重点に置き、ならではの活躍を見せればよいものを、アレでは普通のバディものを犬に置き換えたのと何ら変わらない。別に犬の臭覚でなくても、コンピューター解析やプロファイリングで充分に代用できそうである。
 
 また、市原くん演じる若手警官の成長物語と、そのパートナーである警備犬・シロの先天的欠陥を乗り越えて~という側面が途中から完全に破綻し、うやむやになっている点もいただけない。
 普通、命令無視で単独行動を取った挙句、備品を損傷させ、あまつさえ犯人を取り逃がそうものなら、その場で鉄拳制裁&懲戒免職確定コースが妥当のはず。にもかかわらず、最後はなぜかみんな笑顔で「お前、やったな」みたいな雰囲気で誤魔化そうとしちゃってるのは、明らかに何かがおかしい。
 シロにしても、生まれつき体力がないだの、長生きできないだのの初期設定はどこへやら、まして途中から「母親譲りの優れた臭覚が」など、いきなりにもほどがある。せめて、訓練を始めたときは何度やってもできなかった事が、最後の最後の土壇場でできるようになったとか、そのくらい演出があって然るべきではないのか。

 それに関与して、登場人物のディフォルメが効きすぎているせいか、全体的にひどく雑で不自然なのも大きなマイナスポイント。俗な例えだが、ジャンプの新人賞に投稿されてくる、しかし間違いなく入選しないと言い切れてしまうような、個性的というより「こんな奇特なヤツいねぇよ」と鼻で笑いたくなる、一点特化型のキャラクター付けの仕方。
 おそらく、このままの状態で編集部に持ち込もうものなら「キミ、田舎どこ?(訳:お前は箸にも棒にも引っかかんから帰れ)」と一蹴される事ウケアイ。それを映画化できたって事は、どれだけ日テレはオヤサシいのか。やはり資金のあるとこは違うなー(THE・スティックリーディング)。


 何より、本作を噴飯モノと言わしめる一番の要因は、設定とメチャクチャさとディテールのハチャメサさ加減。
 ついさっきまで刺激しないよう慎重に処理していた爆弾を、それも爆発寸前を小脇に抱えて走るなど、「ハート・ロッカー」ウィリアム・ジェームズ二等軍曹が見ればその場で笑い転げるか、あるいは全力でぶん殴られるかの二つに一つに違いあるまい。
 緊急手段?バカ言っちゃいけない。周囲に一般市民がいる状況で、あんなスタンドプレイが許されるもんか。ああいう場合こそ、処理班に指示を仰ぎ、冷静に対処すべきだろうが。
 だいたい、爆発の危険があるからと客を全員非難させておきながら、念のため周囲の駐車場を封鎖、及び半径数kmに渡って検問を敷くぐらいの対応をしていなかったのは、現場指揮官の怠慢だろう。犬っコロのせいにすんなや。
 ついでに言うなら、服買う金もなくて一日中パンツ一丁で歩き回ってるようなヤツ(多分違)が、どうやって爆弾を材料をかき集めたのかも謎なら、その入手経路から足がつかないのも、またおかしな話し。同時に、単独犯であれだけの爆破事件起こして、まして常に現場でその状況を見物していたのなら、速攻で人相を特定されるはず。警察の捜査力をナメチゃいけない。

 さらに言うに事欠いて、ネットユーザーが爆弾魔を神格化だの、はっきり断言するがありえない。もし万が一、そんなガイキッチな輩がその手の書き込みをしてみろ。一瞬で他のユーザーさんから袋叩きにされた挙句、某ニコ動や掲示板ならアカウント停止、場合によってはIPアドレスさらしの刑で、リアルからもネットからも追放されるのが関の山。

 本作のために、スタッフは警備犬を徹底的に取材し、細部にまで細かくこだわって製作したそうだが、それでこれなら目も開けてられない。警備犬の取材の前に、普通にネットニュースでもチェックする方が先ちゃうか?と、苦言を呈さざるを得ない。
 まさか今時「ネットは犯罪予備軍の温床」とか、「情報化社会が生んだ若者達の心のひずみ」とかのたまい、世の中に警鐘を鳴らしているつもりではあるまいな。ちゃんちゃらおかしいにもほどがある。


 とまあ、ここまでボロクソ書いておきながら何だが、題材としては決して悪いわけではない。あくまで素人考えだが、たとえば時任三郎氏演じる係長、またはチームリーダー的なポジションの人物を主人公に据え、市原くんをはじめ第4係メンバーを時に励まし、時に叱咤する姿を描けば、他のメンバーや犬達にも視野が広がり、より深いドラマが生み出せたはず。
 スポンサーとしてはどうしても市原くんを主人公にした熱血アクション感動巨編がやりたかったと察するが、彼もいつまでも安仁屋ばかり演じ続けるわけにもいくまい。非常にいいものを持っている俳優として注目しているだけに、今後はこれまでのイメージを覆すような、意外な役どころに挑戦していただけるよう、お願い申し上げたい。


 年に数回しか映画館に行かない、それでいてアクションが観たいし感動もしたい、なんてお手軽思考の方には、まさにうってつけ。しかしながら、ちょっとでも目の肥えた映画ファンには涙より笑いを堪える方が必死になってしまう、そんな作品。
 約1ヶ月ぶりの映画レビューがこんな感じでいいのかなーと思いつつ、小生の、この映画に対する評価は…

 ☆☆★★★++

 オマケの星2つプラスプラス!!


 ところで、カンニング竹山のデスクの上にイングラムが飾ってたのは、なんのため?まさか、「劇場版パトレイバー」に対するオマージュとか言うなよ、マジで。世界中のファン敵に回すぞ(笑)。









 
DOG×POLICE 警視庁警備部警備第二課装備第四係 (集英社文庫)/小森 陽一

¥650
Amazon.co.jp

映画 DOG×POLICE 純白の絆 オリジナル・サウンドトラック/佐藤直紀

¥2,500
Amazon.co.jp

僕の宝物/シクラメン

¥1,000
Amazon.co.jp



ROOKIES -卒業- [Blu-ray]/佐藤隆太,市原隼人,小出恵介

¥5,565
Amazon.co.jp

ROOKIES Blu-ray BOX/佐藤隆太,市原隼人,小出恵介

¥30,240
Amazon.co.jp

ハート・ロッカー [Blu-ray]/ジェレミー・レナー,アンソニー・マッキー,ブライアン・ジェラティ

¥4,935
Amazon.co.jp



機動警察パトレイバー 劇場版 [Blu-ray]/冨永みーな,古川登志夫,池水通洋

¥8,190
Amazon.co.jp

機動警察パトレイバー2 the Movie [Blu-ray]/冨永みーな,古川登志夫,大林隆介

¥8,190
Amazon.co.jp



 よろしければ、ポチッとお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村