思いを伝えることは難しいと以前書きました。
経営者のCさんは、
「幸せ」ということを経営の理念に掲げています。
お客様の幸せ、そして何よりも社員の幸せを
願ってのことでした。
Cさんは幸せとは何かを考え続け、
給料や福利厚生の充実だけでなく
勉強会や成長のための挑戦の機会を作ったり
自分自身もさまざまなチャレンジをされています。
しかし、あるとき社員が辞めはじめました。
そして退職は続きました。
これはCさんにとってもっともつらいことでした。
なぜなのか？
そんなとき、経営パートナーの奥様から
衝撃的な一言を言われます。
「あなたは重い」
Cさんは社員に「幸せ」の意味を共有してもらおうと、
事あるごとに思いを伝えてきました。
思いに共感する社員が集まり、
会社は成長を続けてきたのです。
ただ、あるときからそれが「重さ」に
変わっていたのです。
では何が変わったのでしょうか？
最初Cさんにはまったく分かりませんでした。
もっといい会社にしたい、
そのためにはもっといい経営者になりたい、
理想と現実のギャップにあせっていたのです。
なぜできないのか？
なぜ分かってくれないのか？
焦りは社員にぶつけられました。
思いはいつしか重さとなり、
社員の心は離れていったのです。
Cさんは、社員に思いを
強要していたことに気づきました。
それは本来社員の幸せを考えてのことでしたが、
いつしか自分の焦りを何とかするために
変わっていたのです。
それはCさんが描いていた
「幸せ」とはほど遠いものでした。
ただ、そこに気づいたCさんは笑顔でした。
本来持っている明るさと楽しさが戻った瞬間でした。
Cさんは「幸せ」を考えるときに、
社員そして自分自身が
楽しいかどうかを基準に加えたのです。
元来、社員思いのCさんに
楽しさが加わりパワーは倍増、
社員のやる気はさらに高まり
業績も快進撃を続けています。
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