仮面の村に到着したシクシクたち。

「すごい……!」

 

ピクピクが目を輝かせ、ぴょんぴょん飛び跳ねた。

 

「見てよ、シクシク!こんな綺麗な村、見たことないよ!」

 

ノワノワも静かに頷いた。

 

「たしかに。秩序があって、穏やかだな。」

 

シクシクは村の美しい光景を前にして、小さく息を呑んだ。

パステルカラーの家々、鮮やかな花壇、どこからか穏やかな音楽が響いている。

そして村人たちはみな穏やかで、口元には笑顔の形をした仮面をつけていた。

 

「ようこそ!」

 

明るい声と共に、仮面をつけた少女が走り寄ってきた。

 

「私はシュシュ。あなたたちも村の新しい仲間かな?」

 

シクシクは仮面をじっと見つめた。

 

「あの……どうしてみんな仮面をつけているの?」

 

シュシュは嬉しそうに答えた。

 

「これは村長が教えてくれた大事な仮面なの。

ネガティブな感情を消して、いつでも幸せな気持ちでいられるんだよ。」

 

ピクピクはすぐに興味津々だ。

 

「へえー、そんな便利なものがあるの?」

 

「試してみて!」

 

シュシュはピクピクに仮面を手渡した。

 

仮面をつけた瞬間、ピクピクの声が一気に明るくなった。

 

「わあ、ほんとだ!これすごいよ!」

 

ノワノワも仮面をつけると、

 

「なるほどな、悪くない」

 

と静かに言った。

 

シクシクも仮面を渡され、一瞬だけためらったが、

仮面をつけた途端、心がふわっと軽くなった。

 

「あ、本当だ……。気持ちいいかも。」

 

「でしょ?」

 

シュシュは楽しそうに微笑んだ。

 

「じゃあ村を案内するね!」

 

村の中心に広場があり、そこに村人たちが集まっていた。

一人の背の高い男性が、村人たちに向かって穏やかな声で語りかけている。

 

「あれが村長のエガオンだよ」とシュシュが教えてくれた。

 

エガオンは穏やかに言った。

 

「みなさん、今日も笑顔でいきましょう。忘れないでください。

ネガティブな感情こそがかつてこの村に

大きな災いをもたらした『マモノ』を生み出したのです。

あの悲劇を二度と繰り返さないためにも、しっかり仮面をつけましょう!」

 

村人たちは笑顔で拍手を送った。

 

シクシクは少し驚いてシュシュに尋ねた。

 

「マモノって?」

 

「昔、私たちの村で、ネガティブな感情が暴走して生まれた災いの化身よ。

そのせいで村はひどい災害を受けたんだって。

でも村長が仮面を導入して以来、マモノは二度と現れなくなったの。」

 

シクシクは静かに頷いた。

 

「そうなんだ……。」

 

その日は村の人々と楽しく過ごし、シクシクは幸せな気持ちでいっぱいだった。

 

夜になり宿に戻ったシクシクはベッドに横になり、穏やかに語りかける。

 

「ゼンシーナ、今日は本当に楽しかったよ。」

 

ゼンシーナは優しく微笑んだ。

 

「よかったね、シクシク✨」

 

「うん。なんだかこの村に来て本当に良かった。」

 

ゼンシーナは小さく空を見上げて呟いた。

 

「ずっとこのままだと……いいんだけどね💫」

 

シクシクはその言葉を深く気にすることもなく、優しくて温かな眠りに包まれていった。

村の夜は穏やかで美しく、すべてが完璧に思えた一日だった。

 

🌟 つづく!

 


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