「……!?」

シクシクが振り向くと、そこには 今まで見たことのないシクシク が立っていた。
 

鋭い目つきと冷たい笑み――
他のシクシクとは決定的に違う、異質な存在。

まるで、シクシクの影が具現化したかのような存在だった。

シクシクは、ゴクリと息をのむ。

 

「……君は、誰?」

 

その存在は、ゆっくりと一歩前に出た。
ニヤリと笑いながら、低い声で言う。

 

「お前、ワクワクとか言って浮かれてるやつだな。」

 

「……?」

 

「ハハ、いいだろう。俺の名前を教えてやる。」

 

「俺の名前は――ノワノワだ。」

 


ノワノワは、シクシクをじっと見つめたまま、静かに言い放つ。

「ワクワクなんて、一瞬の幻想だ。」
「そんなものにしがみついても、どうせすぐに消える。」

 

シクシクは、ぎゅっと手を握りしめた。

 

「そんなことない。」
「ワクワクすると、シンクロが起こるんだ。
それは、たまたまじゃない。ぼくは、それを何度も見てきた!」

 

「フン……。」

 

ノワノワは鼻で笑う。

 

「 ‘見た’ からなんだ? そんなの、ただの偶然の重なりだ。」

 

「違う! ぼくがワクワクすると、星が光るんだ!」

 

「だから?」

 

ノワノワの声は、ひどく冷たかった。

 

「お前のワクワクとやらで、何が変わった?」

 

「え……?」

 

「星が光った? だからなんだ?」

 

ノワノワは冷たく笑う。

 

「この世界は、ずっと暗いままだ。
お前がどれだけワクワクしたところで、現実は何も変わらない。」

 

シクシクの胸の奥が、ズキリと痛む。

 

「……そんなこと……!」

 

「結局、ワクワクしたところで自己満足だ。」
「この世界の何が良くなった? 何も変わらないじゃないか。」

 

シクシクの心が、ざわついた。


ノワノワは、さらに続ける。

「お前がワクワクして、星が光った。それで?」
「誰かの悩みが消えたか? この世界が良くなったか?」

 

シクシクの胸の奥が、ズキンと痛んだ。

 

――ワクワクは、一時的なものなのか?
――結局、何も変えられないのか?

 

「……。」

 

ノワノワは、冷たく微笑む。

 

「いいか? どれだけワクワクしようと、
この世界は何も変わらない。」

「お前がワクワクを信じているうちはいいさ。
でもな、いずれ気づくんだよ。」

「期待した分だけ、絶望するんだってな。」

 

ズキッ――!!

 

胸の奥に、冷たい棘が刺さる。

 

(……本当に、そうなのか?)

 

シクシクの手の中で、光っていたワクワクの種が、かすかに揺らいだ。

 

「……。」

 

「お前も、そのうち分かるさ。」

 

ノワノワが、冷たく笑った。

 

「 ‘どうせ無駄だ’ ってな。」

 

ズキン――!!

 

シクシクの胸の奥が、冷たい何かに覆われる。
まるで、ワクワクが吸い取られるような感覚。

 

ワクワクは、本当に意味があるのか?
それとも……ノワノワの言う通り、何も変わらないのか?


🔥 次回、第12話「ノワノワの闇!?揺らぐワクワク…!」!

ノワノワの言葉がシクシクの心を揺さぶる――!
ワクワクは、本当に無意味なのか!? シクシクの選択とは!?