あけましておめでとうございます。

皆様の新年のご多幸をお祈り申し上げると共に、被災されている方々、苦しみの中におられる方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。記事を読むと涙がポロポロ出てきます。


2023年は私にとって、海外での演奏会がもっとも多い一年でした。ドイツとノルウェーを主に行き来をして、普段はバーゼルの州立学校やプライベートで教えている30名の生徒の皆様のレッスンをして、それに関わる学校の行事があったり(試験だったり特別授業だったりクラスコンサートだったり)、バーゼルでは教職の授業も取り、レッスンについて勉強をしたり。その間に日本でもコンサートをさせていただいたり。


せっかくなのだから、とお休みの日にはオペラを見に遠出したり、張り切って近隣諸国に旅行に出かけてみたり。


こんなに幸せな生活をさせていただいて、と感謝するとともにキャパシティオーバーを起こしたり、ヨーロッパでの人種差別的扱いに未だにショックを受けたり、海外で未知の場所へリサイタルやコンチェルトなどの演奏会に1人で行くことに精神的負担を感じたり。(ロストバゲージやフライトキャンセルは日常茶飯事..)


考えられないくらいたくさんの経験をさせていただいているのに、自分の中の消化で精一杯で全然投稿はできていませんでした。


少しは親しんでいるドイツに比べ、ほとんど経験がなかったポーランドやノルウェー、ギリシャでは、新しいことばかりで、人々の雰囲気や食事、自然や建物の美しさに圧倒されました。


これから先何十年とだいたい同じ生活を予測できるならまだしも、次の一年は、まったく違うものになる可能性があるという緊張感が、独特の今の私を作り上げている気がします。比較的”言われたことをする”ことに居心地の良さを感じる私が、ヨーロッパで道を切り開いていかなければならない状況にあるのは、すこし無理をしている感覚もあります。人生は根本的につらいものなのだという真理を深く感じてしまっています(苦笑) 言葉もいつになっても上達しませんし!


ただし、ピアニストとして、いままで経験したことのなかった充実感を得られたことも事実です。大変なこともあるけども、あのような体験ができたなら、なににも代えられない、というような本番がいくつもありました。


今年もこの緊張感を大切に、演奏に精進していければと思っています。


年末年始は日本に帰国し、国民の一員としてつつがなく過ごせる平和を認識しました。スイスにいると常に外国人としての意識があり、決して国民の1人とは感じられないのです。(感じたくもない?)


昨年はブラームスのヘンデルバリエーションとソナタの1番をメインに勉強しました。今年も、そしてこれからも毎年、新しいシューマンとブラームスのレパートリーに取り組んでいき、40歳になる頃には全曲一周網羅できたらいいなと思っています✨グリーグも毎年新しいプログラムに挑戦します✨


ヨーロッパで奮闘とはいえ、多くの方々に見守られ、支えていただいていることは紛れもない事実です。練習している時間そのものは1人ですが、昨年京都や広島や愛知ではじめて演奏を聴いてくださった方にも、ずっと応援してくださっている方にも、いつも心から感謝しながら今年も私はピアノに向かっていきたいと思います。


今いるドイツは雪の積もる氷点下、建物や木々にも雪が積もり、ぼけっとしていたらあっという間に野垂れ死にしてしまいそうです(笑)。 最近は18世紀19世紀はどんな感じで暖をとっていたのだろうと真剣に考えています(笑)


今年は昨年の反省をふまえて、なるべくたくさん投稿したいと思っています。4月と6月に日本での演奏会たくさん予定していますので随時更新します♪


大変長くなりましたが、今年もどうぞよろしくお願い致します!




こちら、12月24日のリサイタルで描いていただいた似顔絵!!! 後にいるのはゲスト出演だった原田怜くんです。似てるの、かな?笑