読書録:「樹林の罠/道警・大通警察署」佐々木譲 | 隠居ジイサンのへろへろ日誌

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九州北部の街で、愛するカミさんとふたり、ひっそりと暮らしているジイさんの記録

佐々木譲の警察小説「道警シリーズ」の10巻目。

「道警シリーズ」というのは、北海道警察の組織的不正事件を暴き、その結果、遊軍に異動させられた佐伯警部補たちの仲間が、複雑にからみあった凶悪事件を解決していく長編ミステリー。

 

内部の不正事件を暴いたことから、上からは煙たがられ、一部の同僚からは恨まれますが、一方で、彼らの勇気ある行動を密かに応援してくれる人もいるのが救いですね。

 

今回は、トラックと高級車の交通事故を発端に、事故の被害者が過去に巻き込まれた山林売買を巡るトラブル、伐採業者による木材の盗木事件、半グレの拉致・暴行・殺人事件を追う佐伯らの活躍を描く物語です。

仲間を信じて、凶悪犯をじわじわと追い込んでいく佐伯チームの捜査に最後までハラハラさせられます。

 

しかし、組織の闇を暴く行為は、よほど覚悟がないとできないですね。よく新聞報道される内部通報(公益通報)も相当勇気がいるやろな。

そういえば、つい最近の鹿児島県警の事案は、いったい何だったんだろう?

 

「道警シリーズ」は11作まで出ています。

①笑う警官
②警察庁から来た男
③警官の紋章
④巡査の休日
⑤密売人
⑥人質
⑦憂いなき街
⑧真夏の雷管
⑨雪に撃つ
⑩樹林の罠

⑪警官の酒場・・・現在、図書館で32人待ち。借りられるのは1年くらい先かな。