寒くもなく暑くもない季節。
文庫本か新書を1冊持って、ウォーキングついでに公園のベンチに腰掛けて本を読むのが楽しみです。ウォーキング途中に、読書に適したベンチが数カ所あり、リタイア後は、そんな場所に順繰りに足を運んでいます。
読書に適したベンチって、あるようでないんですよね。
・疲れないように、背もたれのあるベンチ。背もたれのないベンチはたくさんありますけど、小さな公園には、背もたれがあるベンチはほとんどない。
・日陰の場所にあるベンチ。これも少ない。
・適当に静かなこと。マダムたちが井戸端会議をしている場所や、子どもが遊びまわるような児童公園はバツ。
そんなわたしのお好みベンチは、
・舞鶴公園・・・大きな木が多いため日陰になる場所に、背もたれ付きベンチがたくさんある。
・西公園・・・平野國臣の銅像がある場所のベンチ。
・ももち海浜公園
・福岡市総合図書館の裏道
・マリナタウン海浜公園
・小戸公園
・室見川河川敷
きのうは、福岡市の西部を流れる室見川沿いベンチで1時間ほど楽しんできました。
ここは、大通りから適当に離れていて車の騒音もなし。河川敷の歩行者専用道路で、ウォーキングやランニングをする人が前を通りますが、本を読みだすと気にならなくなります。
先日読んだ「作家が選ぶ名著名作 わたしのベスト3」(毎日新聞社編)で、外山滋比古が推薦していた内田百閒の随筆「百鬼園随筆」。
内田百閒(うちだ ひゃっけん)は夏目漱石門下の小説家・ドイツ語学者。「百鬼園」は号。
岡山の酒蔵の子どもだった頃のいたずらや、東大時代の遊び、日ごろのなんちゃない出来事を独特な視線で淡々と書き連ねた1、2分で読める随筆集です。最初の2、3編を読んで「どうして、こんなのがおもしろいんやろか?」と退屈でした。要するに、今の時代のエッセイに比べてゆったりとしすぎて、刺激的ではないのです。表現も回りくどく古くさい感じがします。本の世界観になかなか入りこめないような感じがしました。しかし、せっかく読み始めたのだからと、がまんして読んでいくと、「ほう、これはこれは、そこはかとなく可笑しみのある、なかなかの名文やな」と感じだしました。こういう文章や思考の流れに慣れると、徐々にその世界に入り込み、読むのが快感になるんですよね。
50ページほど楽しませてもらい、ウォーキングのつづきです。
読書のおかげで? きのうは1万歩超えでした(^^♪