平野國臣の足跡を訪ねて 天草・牛深(その1)観光・買い食い・温泉編 | 隠居ジイサンのへろへろ日誌

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九州北部の街で、愛するカミさんとふたり、ひっそりと暮らしているジイさんの記録

引き続き、福岡の勤皇の志士・平野國臣の事績を調べています。

きのうは、脱藩して藩吏に追われる國臣が潜伏した牛深(熊本県天草市牛深)へ行ってきました。

福岡のわが家から250キロ超え、4時間半、はるばると遠い場所です。列車も車もない時代、昔の人はよくそんな場所まで行くものだと思います。よほどの志がなければできませんよね。

國臣のたどった歴史的背景などの記事は次回に回して・・・調べて書くのがちょっとめんどくさい(苦笑)・・・今回は、観光&買い食い&温泉の紹介など。

↑地図はマピオンさんにお借りしましたm(_ _)m

カミさんが、仕事仲間のマダ~ムたちと新年会をするけん、といいます。マダ~ムたちの飲み会はおしゃべりが半端なく、その日は夜遅くまで帰ってきません。

前々から、國臣が潜伏した牛深へは行きたかったのですが、日帰りするとなると帰りが遅くなります。カミさんの飲み会がある日ならと、ようやくきのう思い立ちました。

しかし、天候は味方してくれません。残念ながら、曇&小雨、復路は本降りに(-_-;)

 

九州道・松橋インターを降り左折、天草方面へ向かいます。このへんはまだ町の中で、車が混んでいます。

これから向かう牛深の町は天草の先っぽです。九州道・松橋インターから約110キロ、一部に自動車専用道路はあるものの、ほぼ一般道の下の道です。

 

↓ インターを降りて、口寂しいジジは、道の駅でさっそく買い食いです(笑)。

天草半島の付け根にある「道の駅うき」(熊本県宇城市)です。お初です。

道の駅大好き人間としては、各地の名産品が並ぶ道の駅に立ち寄るのも、ドライブの楽しみのひとつ。この駅も含めて、天草半島と天草島には8か所の道の駅があるようです。

ここは、JAが経営しているようですね。果物、野菜、農産加工品、総菜などの種類も多く、充実した品ぞろえでした。

↓ 買い食い第1弾はコノシロのにぎり寿司です。小さいうちはコハダと呼ばれる出世魚。3枚におろして酢で締めています。

味はイワシ系。厚みのある身を酢で締めて、にぎり寿司にしています。ご飯が大きすぎて、口の中がモグモグといっぱいになりました。もう少しご飯が小さければ、もっと食べやすいんですがね。あぶりのほうがうまかったですね。

貼ってあるラベルの「獲れたて」と「熟成加工」って、なんか矛盾してない? というツッコミをいれながら、おいしくいただきいました。

ごちそうさまでした。

 

↓ 静かな八代海の海岸線が続きます。晴れていればもっときれいなんでしょうね。

浦々に、家がかたまった小さな漁港があり、山の手はみかん畑です。

暖流・黒潮から分かれた対馬海流が流れていますから、天草は暖かいのです。この日も、車のエアコンはずっと切ったまま。

 

↓ インターから車で40分ほど走りました。

天草半島の先っぽにある世界遺産「三角西港」(熊本県宇城市三角町)です。

数年前に行ったことがあります。

 

 

 

さっき、ネットで調べたら、三角西港は、明治10年代、三池炭鉱の石炭の積み出し港として、オランダ人技師が設計し建設されたとあり、その建設を指示したのが、当時、熊本県令(県知事)であった富岡敬明(トミオカ ケイメイ)だったとありました。

富岡敬明???・・・どこかで見た字面です。

そうだ! 

ちょっと前、佐賀藩出身の初代司法卿・江藤新平の記事を書いたときに出てきた新平の友人です。同じ道場で稽古した剣友でした。

九州諸国の尊皇派同志を糾合していた平野國臣にそそのかされた新平が、佐賀藩を脱藩し、京都で長州藩の桂小五郎らの知遇を得、情報収集したのち佐賀藩に帰って、脱藩の罪で永蟄居になったときに、城下から遠く離れた山内郷にある金福寺という移住先を手配してくれた人です。富岡はその時、藩内でトラブルを起こし、金福寺のすぐ近所の大野代官所に左遷させられ代官をしていました。大酒呑みの正義漢、いろいろと問題を起こした人でしたが、維新後は、西南戦争などにも従事し、山梨県知事や熊本県知事、貴族院議員などを務めます。その熊本県知事時代にかかわったのが三角西港の築港です。

明治維新を成し遂げるまでは、各地で多くの人材が失われました。富岡のように生き延びて立派に活躍する人も大勢いるんですよね。

思わぬところで思わぬ名前がでてきてちょっとびっくりです。

・江藤新平、脱藩の道(4)https://ameblo.jp/sykrg526/entry-12542593542.html?frm=theme

・江藤新平、脱藩の道(5) https://ameblo.jp/sykrg526/entry-12545673664.html?frm=theme

・・・数年前、この三角西港を見に行った時の記事をアップしたと思って探しましたが、見つかりません(-_-;)

 

↓ 「道の駅・上天草サンパール」。数年前、ここまでは来たことがあります。

大矢野町というちょっとにぎやかな町の中心部にあります。さすがに天草です。お魚の売り場がすごい。敷地内には温泉館もあります。広い駐車場はいっぱいです。建物のすぐ裏は素晴らしくきれいな海です。

・・・買い食い第2弾は、天草てんぷらというのと、ちくわ(笑)。練り物好きなんですが、カミさんといっしょの時は、「またぁ、そんな油っこいもん食べよる」と白い目で見られるので買いません(苦笑)。今回はおひとり様ですから、おおっぴらに食べられます。

 

↓ 道の駅の筋向いにある「天草四郎メモリアルホール」。

ここも、時間があれば寄ってみたかった。

 

↓ さて、先は長いぞ。急ぎましょう。

天草五橋を渡り、山の中腹を走る松島自動車道路を10キロほど走った終点に、「道の駅・有明」があります。ここも温泉館併設。

 

↓ 道の駅の真ん前はきれいな浜です。ほんときれい。

左手に見えるのは島原半島の雲仙(長崎県)です。

ここではトイレ休憩のみ。物産館をざっと見ましたが、品揃えはあまりよくありません。さすがにこの辺までくると、観光客も少ないようです。いいところなのに、もったいないような気になります。

 

天草市の本渡(ほんど)というけっこう大きな町を通りすぎ、天草下島の山の中を走り・・・ずーーーーーーーと信号がない!・・・九州道の松橋インターから3時間近くかかりました。

牛深町に到着です。

ひとことでいうと「静かな港町」。旧市街もけっこう広く、郊外には大きなスーパーもあります。

↓ 旧市街の海の上にでっかい橋がかかっています。

「牛深ハイヤ大橋」。

町のシンボルのようですね。

景観として、ないほうがいいのか、あったほうがいいのか・・・コメントは差し控えさせていただきます。

橋を車で通りましたが、海の上を走っているようで、確かに気持ちはいい。

橋の先には大きな漁港があります。そのための橋でしょうが、土曜日ですから、ほとんど車は走っていませんでした。

 

↓ 橋のたもとにある「道の駅・うしぶか海彩館」という場所からの風景。

フェリーの発着場も兼ねています。

フェリーの窓口にいたおじさんに聞くと、対岸は鹿児島県で、フェリーは長島・蔵之元港まで30分だそうです。愛想のないおじさんでした。

 

↓ 岸壁の母、じゃなかった岸壁の海です。

下を覗くと、青く濃く、透きとおっています。驚いたことに、ふつうに見かけるような海岸に打ち寄せられている浮遊ゴミや漂着ゴミがないのです。

 

↓ 平野國臣が寺子屋の先生をしながら潜伏していたお寺がある集落。昔の市街地の雰囲気が残っています。詳細は後日・・・いつになるやら(笑)。

 

↓ 牛深の町が見える高台に登ってみました。遠見の番所があった山の上です。もちろん車で上ったのですがね(笑)。

晴れていれば、むこうに対岸の長島(鹿児島県)が見えるはずです。

残念でした。

 

↓ さて、午後も遅くなりました。250キロ先の福岡へ帰りましょう。

と、その前に、温泉に入らなくちゃ。

山の中にある「牛深温泉センターやすらぎの湯」。

・・・なんということでしょう! 昨年10月にコスモス見物の際に立ち寄った「山香温泉・風の郷」(大分県杵築市山香町)に雰囲気がそっくりです。

道路から脇に入った立地といい、宿泊棟と温泉棟が別になっているところといい、風呂の配置などもよく似ています。

大分の山香温泉は塩化物泉で塩辛かったのですが、ここは無色無臭透明のアルカリ泉。肌ざわりがすこしだけヌルっとします。入浴料500円。

 

↓ 駐車場の脇にピンクの花。 

梅? 桜?

 

↓ 温泉に入って、さっさと帰ろうと思ったら、道端に「道の駅・崎津まで8キロ」の看板あり。

メイン道路から10分ほど西に入った海辺の小さな漁港です。

これまた、こじんまりした道の駅がありました。お初です。

 

ここは、2018年7月に世界文化遺産に登録された崎津集落です。

 

↓ 魚釣り命! の友人に見せたら、泣いて喜ぶような家です。

ベランダから釣り糸を垂らせる(笑)。

 

しっとりといい雰囲気の場所でした。

もっとゆっくりしたかったのですが、暗くなり始めました。

機会があったら、カメラの稽古をしに来たいなぁ。

 

さて、帰り道、本格的に雨が降り出しました。

年取って、暗くなると、ものすごく視力が落ちます。それに、久しぶりの夜の運転。しかも雨。加えて田舎道で街灯もまばら。慣れない道。

対向車のライトがまぶしく、前の車のテールランプを必死で睨みながらハンドルにしがみついて運転していました。これだけ怖かった運転は初めての経験です。

年取ってから夜間に車の運転なんかするもんじゃないですね。

「無事にわが家に帰れるんやろか?」と本気で心配しました。

 

暗くて怖かった一般道を脱出。松橋インターから九州道に入って、やっと人心地つきました。高速道は照明があって対向車のライトも遮られていますから、安心して運転できます。

帰宅したら夜の10時。往復約500キロ、無事生きて帰れました。

カミさんは、マダ~ムたちと、まだおしゃべりに興じているようで、わが家は無人。

30分後の御帰還でした(苦笑)。