オリジナルメニュー声診断&セッション
今のあなたの心のメッセージお伝えしています。
愛の魔法使い美丘です。
1994年8月
私達の結婚式当日は
台風直撃だった。
前夜から荒れ狂う天気。
暴風雨。
周りの大人たちは
その状況を一生懸命
良いものに変換してくれようとしていた
「雨降って地固まる」
と誰もが言った。
でもそれが
私には全く理解できなかった。
というより理解したくなかった。
ただただ
綺麗なウエディングドレスを
着ることができることにワクワクしていた。
当日の朝
美容院でメイク&ヘアーをしに
行く前に
私は
母でもなく父でもなく
祖父と祖母に
挨拶をした。
なんとあいさつをしたのかは
覚えていないが
19歳の私が大人になろうとしていた。
きっと今までお世話になりました
と必死で伝えたと思う。
その時祖父が言ったことは
覚えている。
「今まではお父さんやお母さんが
世話してくれて
助けてくれて守ってきてくれたけど
ここからは色々あるけど自分で生きていけ」
と。
涙が溢れた
あの時なぜ 今自分が
涙を流しているのかは分かっていなかった
と思う。
でも今なら
分かる。
恐怖と母と父からの愛を感じていたから。
ほんとに
私は何もわかっていなかった。
父に行くぞ
と言われ
慌てて涙をぬぐい
美容院に車で送ってもらった。
母に美容院の方に
これを渡しなさいと
お金が入った小さな封筒を渡された。
それが世の中のしきたりなんだと。
これもまたちんぷんかんぷんだった。
ただ 母に言われたセリフを
必死に覚えた。
初めて人にメイクをしてもらい
髪の毛をアップにしてもらい
なんだか別人になってしまったようで
鏡に映る自分に戸惑った。
そしていよいよ
結婚式場へ親せき一同
車にそれぞれ乗り
向かった。
海沿いを走ると
海が大荒れになっている。
高い高い波が
防波堤を声て 道路に襲ってきた。
車の中でキャーキャーいいながら
わたしは従妹たちと
楽しんでいた。
これから先
どんなことが待ち受けているかなんて
全く考えてなかった。
小さな小さな
協会に着き ウエディングドレスに
着替え
父と親せきの新譜様と
パイプオルガン演奏者の方と
ウエディングロードを歩く練習をした。
この辺から段々と
実感が沸いてきた。
がしかし
肝心の新郎が来ない！
不安で不安でしかたなかった。
どうしたんだろう
早く会って安心したい
ウエディングドレスを褒めて欲しい。
彼は、前日の台風で
屋根が飛び
その修理に追われて遅刻ギリギリで
現れた！
もうすったもんだの結婚式！
それでも
式はとても静かにゆっくりと
優しさの中で行うことができた。
神様が創ってくれた
世界だった。
式に参道してくださった方達は
親せきのみにしていた。
決して華やかではなかったが
暖かい式だった。
この式ができるまでに実は
色々あった。
やっぱり結婚しないと
言われたこともあった。
予約していた
結婚式後のお食事会の会場が
食中毒を起こし
利用停止になってしまったり
つわりでしんどかったり
母はわたしに
結婚する前に妊娠することを
とても責めた。
みっともないと。
それでも
ウエディングドレスを選ぶとき
高いヒールは危ないから
とか
ゆったりしたデザインにしなさい
とか
母は母なりに受け入れてくれていた
徐々にだけど
受け入れようとしてくれていた。
心のどこかで
わたしは
やっぱり私がやりたいと思うことを
やるのは
人を苦しめることになるんじゃないかとも
思った。
間違ってるんじゃないかとも
思った。
こんな私が
こどものまんまのわたしが
お母さんになんてなる資格は
ないんじゃないかと思った。
そのたびに
あの日エコーに映った胎児の
写真を見て
どうしていいかわからず
泣いて泣いて泣いて泣いた
それでも
産むんだと決めて
この子は私が守るんだと
その気持ちは薄れるどころか
強くなっていった。
そんなことが
式が終わり
参列者の方達に
ただ
ありがとうございましたと
二人で感謝を述べ
何もできない そのまんまの二人に
みんな
「おめでとう」って言ってくださった。
この子を産むんだと決めて
この人と結婚するんだと決めて
親から離れるんだと決めて
自分の世界を創るんだと
決めて
それでも
それでも
それでも
迷って
迷って迷って
責めて
何度も何度も間違ってるんじゃないかと
自分になんて全く自信持てず
そしてまた
やるんだと決めて
迎えた結婚式
おめでとう
とみんなに言われ
それをどう
していいのかわからずにいた。
ただ泣くしかなくて
ほんとの意味で
受け取ることができなかった。
あれから
26年以上たった今になって
思う。
幸せになることが
怖いんだなと
人に愛されること
喜ばれること
受け入れられること
応援してもらうこと
が怖いんだ
常にいつも
両親に否定されて育ってきたと
思い込んでいたから
幸せになんてなれるはずが
ないと思っていたから。
そんな権利ないって
ずっと思い込んで生きてたから。
でもね
見ていなかっただけなんだね。
いつだって
わたしは
ずっと
ずっと
ずっと
愛されていたんだと
あの頃のわたしも
今のわたしも
父は多くを語らなかったかもしれない
怒鳴ること
尋問すること
しかできなかったかもしれない
でも
その奥には
幸せになれ！と
言い続けてくれていたんだ。
母は私を責めたかもしれない
否定したかもしれない
それでも
それでも
結局いつも
母は私を受け入れてくれていた。
応援してくれていた
守ってくれていた。
よく頑張ったね
わたし
あなたの
やるんだ！ここから出るんだ！
はいつだって
愛を知るための一歩なんだよ。
あれやりたい
これやりたい
は あなたの中で
反抗のように思っていたかもしれない
親からの圧力から
逃れる為のように思っていたかもしれない。
あなたはいつだって
自分の人生を歩んでいい。
あれやりたい
これやりたいも
多いにやっていい。
でもね
それは、自立をすることで
本質的な愛を知ることなんだよ。
両親を傷つけるためじゃない。
あなたの力を見せつけるため
だけに やらなくていいんだ。
あなたが
いま やりたいことが
できるのは
とてつもなく
多くの人の愛があってこそだったんだ。
それをいまこうやって
あなたと繋がることで受け取れたよ。
19歳のわたし
ありがとう。
45歳のわたし
ありがとう
やっと
繋がれたね。
あぁ わたしは
いつだってずっと愛されていた。
そしてこれからも
ずっと愛され続ける。
おもしろいね。
過去を振り返ることは
悲しみや傷を思い出すことになる
ってずっと思っていたけど。
そうじゃなかった。
悲しみ
傷
が愛に変わるんだね。
愛を思い出すんだね。
なんだかどんどん
光の中に自分が進んでいるのを
感じてます。
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