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映画「日本沈没2006」
小松左京原作のSF小説「日本沈没」は過去映画で2回、連続ドラマで2回映像化されているが、唯一見ていなかった2006年の映画版がケーブルTVで放送されたので見た
あらすじは
潜水艇「わだつみ6500」のパイロット・小野寺(草彅剛)は地球科学博士の田所(豊川悦司)らと共に深海調査に参加していた。海底プレートの急速な沈降を確認した彼らはわずか1年後に日本列島が沈没するという驚愕の事実を突き止める
日本沈没はオッサンが小学生だった1973年に初めて映画化され、その直後に連続ドラマ化、そして長い年月を経て2006年に再び映画化され2022年に連続ドラマ化されている。ストーリーは一番最初の映画化が当然と言えばそうだが最も原作に忠実で、その次のドラマも半年間放送したため無理やり余計なエピソードを入れ込んで尺を伸ばしたが概ね原作通りだった
そして2022年の連続ドラマは大胆に「海外に移民中に謎の感染症発生」というコロナを意識した掟破りのサイドストーリーをぶち込んだ上、結末も「東北の一部と北海道はなぜか沈没しない」という全く別モノになっていた。そして今回見た2006年の映画版もかなり大胆に原作を変えている。でも個人的には下手したら原作より良くなっているかも知れない。マジで感動した。こういう変更ならOKか?原作ファンがどう思うかわからないけど
2006年映画版は冒頭から既に大地震が起きている。1973年版が潜水艦で潜り博士が異常を発見し、そこから最初の地震が起こるまで博士を変人扱いする政府と散々すったもんだがあるが、意外とここのバトルはさらっと描いている。開始40分ぐらいから沈没するスピードが加速し、あっという間に北海道や九州は半分ぐらいになり、1973年版、2022年版とも最後まで国民に寄り添い存在感を示した総理が阿蘇山噴火に巻き込まれ早々に亡くなってしまう。替わりに指揮を執ったのが危機管理担当の女性大臣で司令塔が男→女になった
小野寺と玲子の出会いも1973年ではお見合いみたいな形で出会い、初めてHしていた最中に伊豆の大地震が起こるのだが、2006年版はその地震現場で少女を救おうとしていた小野寺とレスキュー隊員であった玲子が運命の出会いをする。ドラマ的要素入れ過ぎやん。ただ一部に原作にあった印象的なフレーズが忠実に出てくる。「何もせん方がいい」、「今年はツバメが来ない」とか
原作との違いの極めつけは結末。原作では当然日本列島は沈没してしまうが2022年版同様、途中で沈没は止まる。ただその止め方が画期的。田所博士がイチかバチかの作戦として「日本列島を海底に引き込もうとしているプレートを超強力な爆薬で爆破し、プレートを分断してしまえ」と提案。ただこれは未承認の爆薬使用と世界中の掘削船をかき集めることが必要とのことだがあっさり最終段階までいってしまう。後は爆発させるだけ。ただそれには人間が潜水艦で潜って起爆させるしかない
ここまで見てすぐ「これ、アルマゲドンじゃん」と思った。あれも地球に衝突する隕石に穴を掘り内部に爆弾を仕掛け、隕石を爆発させ衝突を回避さるが、爆発は人間が隕石に降り起爆させる。あの映画はリモコンが壊れたので仕方なくこの方式になったが、2006年版はリモコンでの起爆は無理だったのか?何も触れられてないが
潜水艦による起爆は1回目が失敗する。そして小野寺が旧式のわだつみに乗り2回目のチャレンジ。ポンコツの潜水艦なのでそもそも爆弾が設置されている深さまで潜れる保障がなく、潜れても戻ってくることは出来ない。つまり起爆に成功しても小野寺は生きて帰れない。まさに命と引き換えに日本を救おうとする行為でまんまアルマゲドンのクライマックスだ。でも「どうなるのよ」とめちゃめちゃハラハラして惹き込まれた。そして感動の結末。もう原作とは大きく乖離した完全な別作品になっているが完成度高いなあ
役者陣は豪華。小野寺役の草彅剛は過去の作品とは違い唯一亡くなる設定だが、そこまで感情をオーバーにすることなく淡々して、かつ、熱く演じている。田所博士役の豊川悦司は歴代の小林桂樹、香川照之と比べ変人ぶりが抑えられ一番まともな感じ。玲子役の柴咲コウはそもそもレスキュー隊という別作品とは全く違う設定なので新しい。新司令塔役の大地真央は、保守的で国民に平気で嘘をつき、冷徹な切り捨てを目論む首相代理役の國村隼との比較が面白い。しかし國村さんって「いや~~~な感じの役」やらせたら天下一品だ。石坂浩二、柄本明、遠藤憲一をあまり出番の無い役で使い、長山藍子や和久井映見の出番は一瞬。贅沢な布陣だ
すごくいい作品なのに地上波テレビでは放送されない。やはり地震大国・日本では映画化は良いけどテレビで流すのは刺激が強過ぎるのか?街崩壊のシーンはリアルだし