映画「異動辞令は音楽隊!」 | うさぎ年牡牛座さとのブログ

映画「異動辞令は音楽隊!」

予告を見て関心を持っていた映画がケーブルTVでやてくれた

 

あらすじは

部下に厳しく、犯人逮捕のためなら手段を問わない捜査一課のベテラン刑事・成瀬(阿部寛)。高齢者を狙ったアポ電強盗事件を捜査する中、上司に反抗し令状も取らず強引な捜査を繰り返した結果、広報課内の音楽隊への異動を言い渡されてしまう。不本意ながらも音楽隊を訪れる成瀬だったが、そこにいたのは覇気のない隊員ばかりで……。

 

面白かったです。設定は月9「ラブジェネレーション」を思い出した。あれは広告代理店のやり手クリエイターとして好き勝手仕事していたキムタクが上司や同僚から疎まれ、「人生ままならないこともあるんだ」と全く畑違いの営業部に異動させられ「何で俺が?」となる話だった。渋々異動を受け入れ、異動先の部署に人達とも徐々に打ち解け、最終的には新しい仕事でのやりがいを見つけるという展開も同じだ。

 

基本、成瀬のヒューマンストーリーだが、タンス預金を貯めこむ高齢者を狙ったアポ電強盗、認知症になってる母親の介護、後輩を激しく叱責する先輩によるパワハラ、警察内部のタテ組織など現代社会の問題点も盛り込んでいる。最近この手のベースとなるストーリーに複数のテーマを肉付けした贅沢な作品が多い。これだと途中で飽きないんだよな。

 

成瀬のドラムがどんどん上手くなり、音楽隊としても演奏の精度が高くなると同時にアポ電強盗も検挙するという後半の盛り上がりは良く出来ている。ただちょっと出来すぎ?強盗団の一員であるニシダという男がなぜあっさり親玉逮捕のおとり捜査に協力したのか、そのおとり捜査を提案した若手刑事の意見を上司があっさり「やろう」と同調したことは余りにも不自然。上司が忌み嫌っていた音楽隊を逮捕のために加担させたのもおかしいよな。

 

役者陣は主演の阿部寛はさすがの存在感。暴力的で独善的な鬼刑事からチームワークを重要視する音楽隊の一員に変貌する。トランペッターの清野菜名は気が強い若い子持ちを好演、イケメンの元部下・磯村勇斗は心情の変化をよく表現している。音楽隊はキャラが濃い人だらけでマッチョの板橋駿谷が面白い。指揮者の酒向芳って前見た映画だともの凄く気持ち悪い役やってたが全然イメージが違う。阿部の娘役である見上愛ってJRAのCMに出てた人か。認知症役の倍賞美津子はさすがとしか言いようがない。

 

ラストの定期公演シーンは圧巻。ほぼ実演らしい。なかなか良い映画です