さてさて次のDP-3000

表も裏も中も、見た目はとっても綺麗です!

ほとんど汚れやホコリすら無い状態

あまり使われないで長期間しまわれていたものではないでしょうか?

 

シリアルナンバーは 11661

まあまあ初期ロットのようです。

番号としてはDENON DP-3000 レコードプレーヤーの修理 8台目より若いのですが

作りはこちらの方が多少新し目な感じがします。

 

問題点

ターンテーブルが回りません。

というか手で回してみてもかなり固くて回転しずらいです。

症状からしてモーターの内部のどこかが固着しているようです。

 

まずは、なにはともあれ治るものなのかどうかを見極めるためモーターを分解してみました。

 

軸を引き抜くのにかなり苦労しました・・・

素手では無理なので金属部分を傷つけないようにプライヤーで緩衝材を挟みこんでグリグリ回してなんとか抜けました。

ベアリングが無くならないように気を付けて抜いたけど

スポン!と抜けた際にどっかに飛んでいきました!!

運よく見つかりましたけど(^^;

 

見る限りモーター内部も軸もとっても綺麗なんですよ~

ただ・・・写真の黄色の部分

軸受けと軸の間にゴミ?腐植?が溜まり固着していたようです。

マジックリンでごしごししたら結構簡単に固着は無くなりました。

念のためもう一度無水アルコールで綺麗にしてからシリコンオイルを注入

これで指で簡単にギュインギュインまわるようになりました。

 

軸受けと軸の隙間なんてほんの数ミクロンでしょうから

ほんのわずかな何かでスムーズに回らなくなったりするのでしょうね。

 

パーツの交換

上の対処でターンテーブルとしての動作は問題なくなりました。

ということでいつものパーツのリニューアルです。

 

基板上のパーツは及び基板自体も初期ロットらしい感じです。

パーツが交換された形跡は無いです。

 

初期ロットのコンデンサC1は0.22uFのセラミックコンデンサで基板も

そのような作りになってるのに対して、その後のロットのC1は0.47uFの

電解コンデンサで基板の作りも電解コンデンサ用になっています。

 

また、ケーブルを束ねるのが結束バンドでないところも初期ロット特有です。

 

Q4,6,7のトランジスタがメタル缶の2SC538Aというのも初期ロットの特徴

ちなみにQ2,3,5,13,14はいつものDクラスではなくBクラスの2SC458が使われていました。

 

もうひとつ

33/45回転のランプが大きな豆電球であること

真ん中の切り替えスイッチが大き目のV-1A44というものが使われていることも初期ロットの特徴です。

ちなみにV-1A44も現行品で代替できるものはあります。

 

上が取外したパーツ

下が交換したパーツ

 →すべてのトランジスタを新品の同品または代替品に交換(16個)

 

今回のトランジスタ↓

  13台目元 13台目修理
Q1,Q8,Q9,Q10 2SA562Y 2SA562Y
Q2,Q3,Q5,Q13,Q14 2SC458B 2SC1815GR
Q15 2SC458D 2SC1213D
Q16 2SC458D 2SC1815GR
Q17 2SC458D 2SC373
Q4,Q6,Q7 2SC538A(メタル) 2SC828A
Q11 2SC1213 2SC1213D

 

→すべての電解コンデンサを新品に交換(9個)

 →ICを新品に交換(1個)

 →一部フィルムコンデンサを新品に交換(1個)

 →回転速度調整用半固定抵抗を新品に交換(2個)

 →リレー、マイクロスイッチを新品に交換


 

もひとつ問題点

60Hz/50Hzの切り替えをするのに当機はスイッチと回転数を見る窓の位置の変更

2つを切り替えるのですが、

上から3枚目のターンテーブルを外した写真でわかると思いますが

なぜか窓の位置は60Hzでスイッチは50Hzになっていました。

前所有者、面白い設定で使っていたんだなぁと思ってたのですが

わかりました

切り替えスイッチ裏の配線です

50Hzと60Hzでトランスから出てる線を切り換えて速度調整するのですが

緑のケーブルの半田付け部が外れていました!

つまり、スイッチを切り換えても切り替わらない?もしくは60Hzにすると回転が止まる?

そんな感じだったのでしょうか

所定の端子に半田付けして完了です。

 

お掃除

今回きれいな個体だったので掃除は最後

かんたんマイペットや直洗い出来るところは洗剤&水洗い

 

最後に磁気ヘッドの隙間調整して完了です(^^)v