銘玉、伝説などと呼ばれるオリンパスレンズである。
G.ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5。
オリンパスフィルム一眼レフシステムの早期からラインアップされていた。
オリンパスのみならず、昔は一つの焦点距離にF3.5、F2.8、F2あるいはF1.8 、F1.4、F1.2と開放F値を3段階揃えたメーカーは多かった。中高生もお小遣いを貯めれば手が届くラインアップだった。
昭和56年5月のオリンパスOMシステム価格一覧表では、28㎜ F3.5は27000円、F2.8は26200円、F2は63000円の値段が付いていた。28㎜に関しては、F2.8がF3.5よりも安いという逆転現象が起きているが、なぜだかわからない。誤植なのだろうか。ちなみに50㎜では、F1.8が18500円、F1.4が28500円、55㎜F1.2が42500円である。
まるで日本の高度成長期に重なるようだ。日本が豊かになるにつれて暗いレンズつまり求めやすいレンズは生産が終了されていった。単焦点レンズなのに、明るさでズームレンズに負けるようになったのも一因なのだろうか、このレンズは80年代に入って姿を消したようだ。
このレンズは写りが良いことで知られている。銘玉と呼ばれオリンパスファン必携のレンズなどと呼ばれている。開放F値が3.5と明るさを追求していない分、解像度を追求できたのだろうか。ちなみに、このレンズはモノコートでマルチコーティングされることはなかった。モノコートなので逆行撮影には弱いとされる。
それほど明るくないレンズを買うのは、学生やファミリー層あるいは入門者だっただろう。初めて手にしたレンズががっかりするような性能だったらそのメーカーのカメラやレンズは買わなくなるだろう。なのでがっかりするようなレンズは作らなかったのではないか。むしろ、このレンズすごいと思ってくれてその後も買い続けてくれるようなレンズを作ったことだろう。
オリンパスのフィルター径は49㎜が多く、このレンズも49㎜だ。全長31㎜、最大径59㎜、重量も180グラムと軽い(F2.8は170グラムだが)。コンパクトで取り回しが良い。
しかも最短撮影距離は、0.3mである。マクロレンズかよ。標準レンズよりはるかに寄れる。使い勝手が良い。
今日、このレンズをフィルムカメラで使うよりもアダプターを介してデジタル一眼レフで使う人の方が多いだろう。高感度が優れているデジタルカメラではこのレンズの開放値F3.5は支障にならないだろう。
自分は、フィルムカメラOM-1NとOM10専用になっている。
このレンズ、東京品川のカメラ店で良品評価で純正金属フードと純正レンズケース、純正フィルター附属で中古価格6800円(送料等別)だった。レンズケースはボロボロだったが、相場の半額あるいは半額以下だったかも。
OM-1Nは機械式カメラなのでフィルム撮影も長い間楽しめる。
値上げが毎日のように感じられるなか、ほっと安心できるオールドレンズを楽しむ日々だ。

