「アフガンの少女(Afghan girl)」という写真をご存じだろうか。
ナショナルジオグラフィックの表紙を飾ったあまりにも有名なポートレートだ。
撮影者は、スティーヴ・マッカリー(Steve McCurry)。
そのあまりにも有名なポートレートは、ニコンのフィルムカメラのFM2とAi Nikkor 105mm F2.5Sで撮影されたという。
FM2は機械式カメラだ。露出計を使うなら露出計用の電池が必要だが、撮影自体には必要としない。
日本では、FM2は写真学校の推薦機材だったそうだ。FM2で本格的に写真を学んだプロも多かったのではないか。
カメラとレンズともに高価なものではなく、一般的なモデルであることが印象深い。FM2はフラッグシップF3の半額ほど、105㎜F2.5も同F1.8の半額ほどの一般向けの商品だった。
FM2は最高速1/4000秒のシャッターを誇りF3より優れるものの、ファインダー視野率は93%と100%のF3より劣る。堅牢さもF3が上だ。ただしFM2は軽い。マッカリーは1/250秒のフラッシュシンクロ速度を重視したのだろうか。しかしマッカリーはフラッシュ撮影より自然光を好んだそうだ。
105㎜F2.5Sは中口径レンズだ。大口径であるF1.8にしなかったのは大きさと重さなのだろうか。それともアメリカではこのF2.5の方が人気が高かったからかもしれない。
カメラとレンズの世界が公平だと思うのは、ごく一部を除いてプロであろうとアマチュアであろうとお金があれば同じ機材を買うことができることだ。使用フィルムと言われるコダクロームも誰にでも買えたフィルムだ。
マッカリーのFM2はブラックモデルだが、自分はシルバーモデルとチタンモデルを所有している。
NIKON FM2とAi105mm F2.5SにモータードライブMD-12を装着した。
マッカリーのFM2はブラックモデルだったが、全く同じ機材でマッカリーがアフガンの少女を撮影したのだと思えば、励みになる。