中古価格40万円のCONTAX T3か2万円のKYOCERA T SCOPEか | 1m71

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札幌出身。日本各地、デンマーク、米国、印度、豪州、現在京都と専門職資格を手に生き抜く。欧州一周鉄道旅行、Amishとの異文化生活と千ドル中古車で北米大陸二度横断、マザーテレサの家ボランティアと世界を探検中。インスタグラムはonlyzeiss。

この前京都のカメラ店に入って瞳孔が開いた。

 

CONTAX T3の中古が49万8千円!

 

ついにここまできたか、と思うほどの中古価格。

 

京セラがカメラ事業から撤退した2005年には5万6千円から9千円で新品が売られていたのに。

 

今じゃため息しか出ない。

 

京セラがつくったカメラは高級路線のCONTAXブランドと普及路線のYASHICAブランド、そしてKYOCERAブランドがある。

 

CONTAXは世界ブランドで、普及路線のYASHICAは海外用、KYOCERAは日本国内ブランド用に使い分けられていた。

 

YASHICAはブランドの歴史が長くKYOCERA(1970年代にYASHICAを吸収合併した)より海外認知度が高かったのでそうしたのだろう。

 

自分はKYOCERAブランドのTProofを愛用していた。35㎜レンズがスナップ写真の撮り方にしっくりきたのでTProofを愛用していた。昼間のスナップ写真なのでTProofの35㎜レンズの開放値F3.5も気にならなかった。TProofを使った組写真が毎日新聞社のカメラコンテストに入選できたので作品作りにも使えるカメラだった。

 

CONTAX T2は、レンズの明るさがF2.8なので興味を持ってはいたが、ちょっと長めの38㎜だったのでやめた。

 

たった3ミリ違うだけなのだが、広角側での3ミリの違いは望遠側と違って大きいのだ。

 

TProofのレンズ描写に不満はなかった。ただ、レンズは開放値が少しでも明るい方が暗がりで助かる場合(特にフィルム写真)が多い。

 

京セラが世に送ったコンパクトカメラのうち、レンズが35㎜F2.8であるものはたったの二機種しかない。

 

一つは前述の2001年発売のCONTAX T3。

 

もう一つは1988年発売のKYOCERA T SCOPE (マイナーチェンジ機T SCOPE2も含める)だ。

 

T3の最高シャッタースピードは16秒から1/1200秒。70年代のフィルム一眼レフより速いほどだ。対するT SCOPEは1秒から1/630秒。

 

T3の最短撮影距離は35㎝、T SCOPEは50㎝だ。

 

こうしてみると、T3のほうが使い勝手が良いようだ。T2よりさらにコンパクトなT3は胸ポケットにすっぽり入ってしまう。方やT SCOPEはちょっとメタボな大きさ。胸ポケットには入らないかも。

 

ただ、T SCOPEは生活防水(発売から35年経つので今でも防水機能を保持できているのか疑問だが)でカメラ上部にニューアングルファインダーと呼ばれるファインダーがある。二眼レフのように自分は下を向いた状態でファインダーを通じて撮影できるのだ。地面にカメラを置いて撮影できる。

 

レンズ構成に関しては、T3はゾナー、T SCOPEはテッサ―だ。通常テッサ―と聞けば3群4枚の構成になるが、これは4群4枚構成だ。なぜそうなったのかは知らない。

 

ゾナーが好きな人はT3へ、テッサ―が好きな人はT SCOPEを買えばよいのだろう。ただ、ゾナーといってもT2のゾナーとT3のゾナーは雑誌などで見た限り描写が違うと思う。コンタックスヤシカマウント時代のツァイスレンズはこってり傾向があったが、21世紀に入ってからのツァイスレンズはすっきりした描写でプラナーとゾナーの描写が近づいたような印象さえ持った。T SCOPEのテッサ―はこってり派だと思う(白黒フィルムしか使っていなくてカラーで判断できないので失礼)。

 

自分がT SCOPE(使っているのは輸出モデルのYASHICA T3)を使っていて不満はない。大伸ばししてもよい。

 

さて、みなさん。中古で40万円のT3にしますか、それとも2万円のT SCOPE(2)にしますか?

 

スキージャンプの高梨沙羅さんはT3を愛用している。小柄な彼女にはコンパクトなT3が似合う。自分に似合うというのも大事だと思う。

 

 

自分は京セラ北見工場(北海道)で作られたと言われるTSCOPEかな。